シャーロック・ホームズ スペシャル 2023年9月 (NHKテキスト)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231553

作品紹介・あらすじ

世界一の名探偵は、いかに生まれたのか?英国の作家コナン・ドイルが生み出した一人の探偵は、世界中にフォロワーを生み出す「最強」の探偵となった。「緋色の研究」「グロリア・スコット号」「赤毛組合」「ボヘミアの醜聞」など数々のホームズ作品を通して、人間性の闇と光を考えるとともに、探偵小説がもつ文学的な意味を探究する。

感想・レビュー・書評

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  • 100分de名著 - NHK
    https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/

    廣野 由美子 | 京都大学 大学院人間・環境学研究科 総合人間学部
    https://www.h.kyoto-u.ac.jp/academic_f/faculty_f/hirono_yumiko_f814/

    シャーロック・ホームズ スペシャル 2023年9月 廣野 由美子(著・文・その他) - NHK出版 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784142231553

  • 「シャーロック・ホームズスペシャル」廣野由美子著、NHK出版、2023.09.01
    113p ¥600 C9497 (2023.10.05読了)(2023.08.29購入)
    シャーロック・ホームズのシリーズは、講談社青い鳥文庫や偕成社文庫などを主にしてほぼ読んだと思ってます。大人向けで読みなおした方がいいのでしょうかね。時間があれば読んでみましょうかね。

    【目次】
    【はじめに】世界一有名な探偵、シャーロック・ホームズ
    第1回 名探偵の誕生 『緋色の研究』「グロリア・スコット号」
    第2回 事件の表層と真相 「赤毛組合」「唇のねじれた男」「背中のまがった男」
    第3回 ホームズと女性 「ボヘミアの醜聞」「サセックスの吸血鬼」「第二のシミ」
    第4回 人間性の闇と光 「ボール箱」「ボスコム谷の謎」

    ☆関連図書(既読)
    「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル著・延原謙訳、新潮文庫、1953.03.31
    「回想のシャーロック・ホームズ」コナン・ドイル著・阿部知二訳、創元推理文庫、1960.08.19
    「恐怖の谷」コナン・ドイル著・内田庶訳、偕成社、1985.04.
    「四つの署名」コナン・ドイル著・各務三郎訳、偕成社文庫、1998.05.
    「バスカビル家の犬」コナン・ドイル著・各務三郎訳、偕成社文庫、1998.06.
    「名探偵ホームズ 赤毛組合」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1996.05.15
    「名探偵ホームズ まだらのひも」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1996.12.15
    「名探偵ホームズ 消えた花むこ」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1997.05.15
    「名探偵ホームズ 緋色の研究」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1997.12.15
    「名探偵ホームズ ぶな屋敷のなぞ」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1998.06.15
    「名探偵ホームズ 囚人船の秘密」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、1999.06.15
    「名探偵ホームズ 最後の事件」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2000.07.15
    「名探偵ホームズ 三年後の生還」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2001.02.26
    「名探偵ホームズ ピーター船長の死」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2001.09.15
    「名探偵ホームズ 消えたラグビー選手」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2002.04.15
    「名探偵ホームズ 悪魔の足」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2003.07.15
    「名探偵ホームズ サセックスの吸血鬼」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2004.02.15
    「名探偵ホームズ 最後のあいさつ」コナン・ドイル著・日暮まさみち訳、講談社青い鳥文庫、2004.10.15
    「メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』」廣野由美子著、NHK出版、2015.02.01
    「ジェイン・オースティン『高慢と偏見』」廣野由美子著、NHK出版、2017.07.01
    (アマゾンより)
    世界一の名探偵は、いかに生まれたのか?
    英国の作家コナン・ドイルが生み出した一人の探偵は、世界中にフォロワーを生み出す「最強」の探偵となった。
    「緋色の研究」「グロリア・スコット号」「赤毛組合」「ボヘミアの醜聞」など数々のホームズ作品を通して、人間性の闇と光を考えるとともに、探偵小説がもつ文学的な意味を探究する。

  • 子供の頃になんとなく読んだ記憶があります。今回の名著で、もう一度読んでみたいと思い一冊購入しました

  • NHK
    指南役 京大教授 廣野由美子氏

    《アーサー・コナン・ドイル》
    1859年エディンバラ生まれ
    父は公務員、出世出来なくアルコール依存症
    母は聡明、教育熱心
    経済的困窮から医師になるように
    医師になり短編小説で収入も得られ長編に挑戦それが「緋色の研究」

    《シャーロック・ホームズ1887年~1927年》
    外科のベル博士がモデル
    姿形もそっくり
    職業や性格も当てられる鋭い観察眼だった

    60作品、対話という物語形式、一話完結
    ワトソンが語り手で見聞きしたことを共有しながら物語を楽しめる
    はじめ見向きもされなく雑誌掲載しようと試みる
    その頃識字率アップし、長距離移動(列車)で雑誌が必須、これで大当たりした

    《先生の考察》
    ・犯罪の解決は人生をスタディすること
    探偵は人間の暗部に関わる仕事であるため、ホームズは犯罪の側面から、人間とは何かという研究を深めようとしているという作品の基本路線が示されている

    ・ホームズを葬る
    ドイルが執筆に没殺され、気づけばホームズが1人歩きし自分を追い込むまでその存在が大きくなっていた
    ドイルはホームズを葬り去ることにした
    ところがこの結末にドイルへの非難や中傷が殺到、結局8年後にホームズを復活させた
    ホームズの死に様を描かなかったのは、意図的か無意識か、可能性を残そうとしたようにも思えなくもありません

    ・虚構世界の中でも具体的な事件を解決することで、一時的に不安を解消してくれる探偵の存在を切望してしまう、そういう気がします

    ・自分を取り巻く世界が平和な時に探偵小説が楽しめるんじゃないか
    戦争や病気の場合はそういう心境になれない
    探偵小説を楽しめるということは逆説的に言えば、平穏な自由が保たれているというバロメーターになるのではないか

    《感想》
    6作品を紹介、全部面白かった
    廣野氏曰く、ドイル作品は単に謎解きトリックだけではなく、根底に人間性の探求がある二層構造と説明
    だから面白いのかと腑に落ちた

    アランポー(20220510)と比較してみた
    アランポー1841年「モグル街の殺人」世界初の推理小説、名探偵を構築した
    ドイルは1887年「緋色の研究」推理小説、同様に名探偵を踏襲した

    ポーの場合は元犯罪者のパリ警察の密偵がモデル、ミステリー要素が強いと感じる
    ドイルの場合は外科医師がモデル、悪人というだけで犯罪をしたのなく、人間特有の理由があり、考え深い卓越した作風になっている
    時代も40年位違うし、もっと違いはあるだろうが、比べたことで面白さが増した

    これを見てわかったことは、
    「ミステリと言うこと勿れ」では、我路くんが整くんに手首を送ったシーンがある
    ホームズ作品「ボール箱」で、犯人が耳を送っていたことのオマージュだろう
    また犯人側にも並々ならぬ思いで、仕方なく殺人をしてしまうことが多い
    これもホームズが先駆けと言われている

  • 作品が書かれた時代背景やミステリーというジャンルについての解説が面白かった。それぞれのテーマが短く纏められていて読みやすい。

  • ホームズファンには既知のことも多いかも。第4回のミステリとは何かという分析が面白かった。

  • 廣野さんによるドイル、ホームズ論。いわゆるシャーロック・ホームズ論というより、文学的側面に光を当てて読み解く。
    シャーロック・ホームズが他の推理小説と異なる点は、常識的な倫理観を表に出さないところで、犯人だからといって警察に突き出すようなことはしないところ。ホームズ独自の倫理観に基づいている。また、女性に対する見方も極めてフェアで19世紀とは思えない扱い方をしている。
    他にも色々と可能性に満ちたテキストであって、そのような意味で何度も読み返す価値のある文学たり得ているのだろう。

  • シャーロックホームズに会ったのは小学3年生、買った本がたまたま「赤い文字の秘密」(緋色の研究)。ホームズが出てくる最初の話。それから図書室で全集読んで、大学生の時に新潮文庫で全部揃えて。
    他の人が書いたホームズに関する本もいろいろ読んで。NHKでやってた海外ドラマも見て。ハマってました。
    今改めて、この考察を読み背景を知ると、また違う視点が面白い。「名探偵の誕生」「事件の表層と真相」「ホームズと女性」「人間性の闇と光」、番組でもやってたけど、読むだけでもおもしろい。読み返したくなったなあ…長編4に短編56、読みたいけど時間が(^^;;

  • 実はシャーロックホームズの本はやドラマ一度も見たことがありませんでした。この番組で取り上げられ、テレビでも再放送のドラマがあっていたので見たのですがとてもとても面白い。ただのミステリーではなく、100分deの番組で詳しくせつめいしていただけたので。人間の深層部分に深く切り込んだものだということがわかり、ファンになりました。

    よいきっかけをいただきました。

  • 2023年9月1日購入。

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著者プロフィール

廣野 由美子 (ひろの・ゆみこ):一九五八年生まれ。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。京都大学文学部(独文学専攻)卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士課程(英文学専攻)単位取得退学。学術博士。専門はイギリス小説。著書に、『批評理論入門』(中公新書)、『小説読解入門』(中公新書)、『深読みジェイン・オースティン』(NHKブックス)、『謎解き「嵐が丘」』(松籟社)、『ミステリーの人間学』(岩波新書)など。

「2023年 『変容するシェイクスピア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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