読後焼却のこと (ハヤカワ・ミステリ 1387)

  • 早川書房
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本棚登録 : 31
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150013875

感想・レビュー・書評

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  • 精神科医ウィリング13作目。

    細かいことは読み飛ばす体質なので、
    本の中に出てくる地名、ましてや通り名など気にしたことはあまりなかったが、
    冒頭からビーコンヒルという行ったことのある地名が出てきたので、
    この作品の主人公が図書館から帰って来た道をなぞってみたりした。

    日本にいながら異国の道がたどれるとは、すごい世の中になったものだ。
    残念ながら事件現場となったアパートメントの通りは実在しないらしい。
    「小説」なので当然と言えば当然なのだが。
    かなり前に書かれた本なので、
    そこらへんは気にせず実時の住所を使っているかと
    勝手に思い込んでいたので残念だった。

    その文筆家ばかりが住むアパートメントで、
    読後焼却のこと、と書かれた殺害予告の手紙が拾われるところから事件ははじまる。殺害しようとしているのは、正体不明の書評家。

    でも前作の偽のラブレター同様、今回の手紙も本物ではなかったので、
    期待したようなドラマチックな展開にはならず残念だった。

    ウィリング博士の娘は結婚していたが、
    妻ジゼラが亡くなっていたのがさみしい。
    最後の作品らしいと言えば、らしいか。

  • 1996年3月31日 再版発行、背ヤケ、カバスレ、帯無
    ハヤカワ・ミステリー1387
    2014年2月25日伊勢BF

  • 覆面書評家ネメシスを殺すと書かれた紙を拾ったハリエット。ハリエットの家を間借りしている5人の中に書評家と命を狙う人物がいると知り疑心暗鬼のなか死体が見つかる。トリックは単純ながら話が短く上手くまとまっていて読みやすかった。えげつなさもありよかった

  • めちゃくちゃ短い長編作品。

    ジャンルの違う作家、翻訳家、童話作家が集まる屋敷で、殺害計画の手紙が見つかる。その中に覆面批評家がいるそうだ。そして殺人事件が起こる。
    覆面批評家の正体と犯人は?

    「幽霊の2/3」のように出版業界の事情がラストに待っている。

  • ベイジル・ウィリングシリーズ。
    作家ばかりを間借人に置くハリエットの部屋に風で舞い込んできた紙には、殺人計画の相談が書かれていた。これはフィクションなのか、本物の殺人計画なのか。その後、家の中である男の死体が見つかり…
    作者75歳の時の作品。そのせいか全体にあっさりとした印象である。トリックに関しては80年の作品だからいいとしても、ハリエットの息子の扱いも中途半端な気がするし、殺人計画の手紙についても、全盛期のマクロイならもっと間借人たちの描写でサスペンスを盛り上げていたのではないか。個人的にはマクロイに期待するのはサスペンス部分なので、それが残念。
    そうはいってもさすがマクロイだけあって、十分面白かったけど。

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著者プロフィール

Helen McCloy

「2006年 『死の舞踏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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