レックスが囚われた過去に (ハヤカワ・ミステリ 1980)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019808

作品紹介・あらすじ

企業で弁護士として働くレックスは、子供時代は捨て去ったつもりだった――実の両親からきょうだいたちとともに虐待され、ベッドに鎖でつながれて監禁されていた過去は。だが刑務所で亡くなった母親の遺言をきっかけに、その過去の絶望と向かいあうことに……

感想・レビュー・書評

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  • 7人兄妹の2番目、長女レックス。
    かつて宗教に入れ込み過ぎた父から兄妹全員が虐待を受けていた”恐怖の館”から勇気ある脱出に成功した”少女A"。

    レックスが脱出したのを機に父は自殺、母は長期に渡る服役刑に処された。
    兄妹たちは父からの解放後、メンタルケアを受けながら散り散りに里親に預けられ、ある者は周到に素性を隠しつつ一定の成功を収めた人生をもぎ取り、ある者は過去すらも自身の売名道具に用いながら地位と名声を得た。またある者は先天的ハンディキャップもマイナスに手伝い、過去から逃れきれず苦悩にまみれた道を歩んでいる。

    物語は冒頭、母が刑務所内で死を遂げたところから始まる。
    意外にも、かつての"恐怖の館"を含め、ひとまとまりの遺産が遺されることになり、遺言執行人に指名されたレックスは兄妹達と連絡を取り、相応しいと思う使い道への合意への道を歩み出す過去との対峙の物語。

    少年A(長兄イーサン)、少女B(次女デライラ)、少女C(三女イーヴィ)、、、とかつての兄妹達との再会の過程に織り込まれるフラッシュバックシーンで明らかにされる壊れゆく過去の日々とその中で育んだイーヴィとの絆。
    からの現在への希望が重く、ただただ切ない。

    裏表紙の紹介文では”衝撃の結末”なんて言葉で煽っているけど、そういった瞬発的なものを期待するのではなく(あるにはあるが)、過去の清算に対するドラマ性を味わうべき物語。

    なんとも寂寥感溢れる展開ではあるのだが、レックスが学生時代に幸運にも得ることのできたオリヴィアとの友情という宝物が凛と輝く物語であったと思う。

    現役Google社員(?)とのことなので驚き。
    どうやってこんな物語書く時間作るの?

  • サイコものというより、過去と向き合うサバイバルか。しかし、どこまでが…なのか、まさか全てが?再生はしたのかな。

  • 親に虐待されていた7人の子供たち。
    鎖で拘束されていた部屋から逃げ出し救助された少女A、それが長女のレックス。
    父は警察が来る前に自殺し、母は収監された刑務所で病死した。
    母の遺言の執行人に指名されたレックスは、離れ離れになっていた兄弟妹たちに連絡を取った。凍りついていた過去が再び甦る。

  • なんか中途半端

  • ずっとレックスの思いが過去や現代を行ったり来たり。幼児虐待や監禁の話はかなり読んでいるので、謳われてるサイコサスペンスとはあまり思わなかった。

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