- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150103002
感想・レビュー・書評
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女の子だったころ、(10~11才くらいのね)広いところを歩いていてあっちの、向こうに見えるところに、すっと移動出来たらなんて思ったことあるのね。本当に出来そうに思って、夢見ごちに歩いてた。
そうしたらそういうことが出来る人のことが書いてある本に出会ってびっくりした。4年前だけどね。
物語はアメリカの片田舎町ゴーストタウンのようなところに、赴任する女性教師ヴァランシーの目を通して描かれる。
そこには秘密が。異星人、超能力、種族の掟。
他とは異なるという閉ざされた暗さがあり、そしていつ心開くのか.。
でも、単なる異星種族人物語ではない、なんだか日本民族の欠点、すなわち異なるもの、特出するものを排除する社会になっているということを彷彿させる。
世界から取り残されつつある現在の日本が置かれている状況をも解いて明かす気がする。
また、私は飛ぶということで感動し、あまりにも身近な、普通な、身につまされる状況にふたたび感動してしまったのだ。
ピープル・シリーズ第二弾「血は異ならず」も夢中で読んだ。
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「血は異ならず」ハヤカワ文庫(早川書房)
2000年12月6日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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「常野物語の元になった作品」
そう言われてみれば似ている。物語は「帰り着く」コトで安定するから、そうじゃない場合には、切なさや淋しさに覆われ...「常野物語の元になった作品」
そう言われてみれば似ている。物語は「帰り着く」コトで安定するから、そうじゃない場合には、切なさや淋しさに覆われる。
だから心に残るのでしょうね。。。2013/02/18
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「ピープル」シリーズとして発表された短篇群をつなぎの文章を入れて長編化したもの。彼らは地球人類と混血でき、能力も発現する…
発表の’50年代と言えばWW2の記憶が生々しく、連合国として味方だったソ連は“反宗教”が国是であり東欧と支那大陸を硬軟の手段で衛星国化=侵略しつつあった。それに対しSFとして常套手段ではあるが、アメリカ合衆国資本主義文明の傲慢をたしなめ「地球人類は文明以前の幼稚段階」という認識を突き付ける。資本主義は“死”はおろか、環境汚染=ゴミの最終処理も、真にクズな人間をどうすればいいのかも解決できない。
スペインの批評家サバテール『物語作家の技法』では、本シリーズをSF「侵略テーマ」としている。たとえばハインライン『地球脱出』(改題『メトセラの子ら』)を裏返しにした超能力者→難民テーマと思っていたが、より高い文明が侵入するとき、いかに接触を避けてひそやかに暮らしていても社会を変化させずには置かない。との認識であろうか。かつて世界の覇者であったスペイン人らしく「それが侵略と言われても」と開き直っているのかもしれない。 -
女性作家の女性向けの名作
表紙 7点新井 苑子
展開 7点1959年著作
文章 7点
内容 740点
合計 761点 -
恩田 陸の常野物語シリーズに影響を与えたと言われる、ゼナ・ヘンダースの≪同胞(ピープル)≫シリーズの最初の作品。第2作の「血は異ならず」は絶版になっていて入手は困難である。本書も絶版だったものが最近復刊されたらしい。
宇宙からやってきて、難民となった宇宙人の≪支族≫の人々が、地球で苦難の日々を送りながら同胞たちと巡り会っていく様を描いている。彼らは、地球人とは異なる能力を持っており、それ故地球人との深い接触を避けていた。 -
中学生の頃、SFマガジンに連載されていたピープルシリーズが纏まったものです。
聖書を引用しながら、地球に不時着した異星人が目立たないように暮らしている村と地球人とのエピソードが面白く、まとめて読めるのはとても嬉しい。 -
宇宙船の遭難によって地球にちらばった種族《ピープル》と、彼らと出会う人間たちの物語。宇宙人がテーマなのにあんまりSFっぽくなくて、「大草原の小さな家」みたいなアメリカの古いテレビシリーズを見ているような味わい。ピープルたちが優しくて暖かくて安心して読んでいられる。
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ずっとあなたを探していたの。
2006年度読書のNO1。母星が壊滅、地球へ逃れ、ばらばらになってしまった同胞に巡り合う淡々と優しく上品な物語。もっと子供の頃に読みたかった。悔しい。 -
ゼナ・ヘンダースンの果しなき旅路を読みました。恩田陸が常野物語を書くときに、影響を受けたというピープル・シリーズと呼ばれるSFでした。故郷の星を失って宇宙船で地球にたどり着いた超能力を持った種族の物語でした。地球の大気圏に入ったときに事故がおきて、≪同胞≫(ピープル)はばらばらに地球に到達したのでした。一部の人たちは地球人からひっそりと隠れるように≪同胞≫だけで辺鄙な村に住んでいるのでした。また、街の中に超能力を持ちながら仲間を見つけられずに苦闘している≪同胞≫もいました。物語としては面白かったのですが、回りくどい表現が多く、読んでいて物語がストレートに頭に入ってこないのがちょっと不満でした。