地球光 (ハヤカワ文庫 SF 308)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103088

感想・レビュー・書評

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  • 心が病んでいてすがすがしい空気に触れたくなると読みたくなるのがクラークだな。
    昔読んで印象が薄かったのが気になり、もう一度手にとってみる。(表紙は月面の向こうに地球が見える昔のものですが)

    いや、面白い!
    1/6の重力下の不安になるほど華奢なモノレール描写、淡い青緑の地球光に照らされた月面の光景、強烈な太陽光に照らされて、中空に浮かぶように切り取られる山脈の描写など今読んでもリアルな上にみずみずしいではないですか。
    地球と惑星連合の一触即発の対立描く本作品では、クラーク作品唯一の戦闘シーンもあり(放射線兵器ですが)驚き。現実世界でのレーザーの実現はこの5年後ですが、なかなかいい線いってます。
    名作「渇きの海」にも出てくる流体の性質を持つ塵の海なども出てきています。思わず月を見上げてしまいます。

    クレメントの作品もそうですが、なんか50年代SFっていいなぁ。

  • 太陽系の諸惑星に進出し移住を始めた人類は、必要な重金属をすべて地球に頼っていた。この重金属の輸出をめぐって地球とその他の惑星に別れて対立していた。月の研究が進み、月からも重金属が産出することが明らかになると、この対立は月を舞台に最高潮に達し、地球政府対惑星連合の戦争が現実味を帯びてくる。

    この月に地球政府のスパイとして送り込まれたサドラーは、月面の天文台内部にいると考えられる惑星連合のスパイを探り出し、戦争を未然に防ごうとしていた。しかし、彼がその任務を果たす前に戦争が始まり、惑星連合の戦艦が月面に築かれた地球政府の新兵器のレーザーにより壊滅させられる。

    この戦争から30年後、惑星連合の元司令官の本から真相を推理したサドラーは元天文台にいたモールトン教授を訪ねる。彼は惑星連合側のスパイであり、平和を求めての行動だと知った。

  • クラークの近未来物  
    表紙   5点鶴田 一郎
    展開   5点1955年著作
    文章   5点
    内容 515点
    合計 530点

  • これも古すぎる。読書に耐えない。

  •  地球と惑星連合は月の資源をめぐって一触即発の状態だった。月に派遣され、スパイを捜す主人公。しかし、そうこうしている間に戦争は始まってしまう。果してスパイは誰だったのか?また戦争の結末は?

     難解なイメージのあるクラーク作品には珍しく、単純明解なストーリーであり、かつスパイ捜しの楽しみがプラスされている。クラーク唯一の戦闘シーンは、とても幻想的で、チャチな仕掛(バリアーとか光線銃の類)であるにもかかわらず、またにリアリティがある。現実的ではないけれど、その場の雰囲気がまさに伝わって来る感じだ。ほんとに音や臭いを感じるような戦闘シーンが静かに繰り広げられる。月面都市の状態描写も戦闘シーン同様に五感を刺激する。

     スパイがいかにして情報を送っていたのか?また傷ついた戦艦の乗客はどのように救い出されたのか?これらの謎解きもクリアーであり、オチもしっかりついている。クラークの近未来作品であり、お薦め出来る。

     作品の中で登場する言葉、「叛逆とは何か?日付の問題に過ぎない」。これはスパイの言葉であると同時にクラークの言葉なだろうなぁ。

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