- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150104375
感想・レビュー・書評
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SF。
『中継ステーション』から続けてシマック作品。
共通するのは、主人公が感じる"孤独"。
個人的に思う作品のテーマは"人間性"か。
SF的な設定は、コードウェイナー・スミスっぽい気がした。
地味な印象の作品ではあるが、主人公になったつもりで、感情移入して読むと、非常に興味深そう。
ささやかなハッピーエンドはシマックらしさかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わり方は爽やかだが、狼がでてくる意味が解らない
表紙 5点岩崎 政志
展開 5点1967年著作
文章 5点
内容 555点
合計 570点 -
初めて「SFを読む」と認識した上で読んだ作品。これ以前にもいくつかSFを読んでいたことに気付くのはずいぶん後のこと。
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人狼原理 (The Werewolf Principle)
クリフォード・D・シマック
という名で知られている(知られている?)作家さんがいます。
活躍した年代は割と古くて、…というか、私が読んでいた作家さんはみんな大抵古くて(ぎゃふん)、最新気鋭という方は殆どいらっしゃらなかったのですが、私はこの方の作品好きでした。
その中で一番最初に読んだのがこれ、人狼原理という作品。
私はこれが大変好きで、余談ですが、日本のある漫画家さんがSFチックな作品を醸したとき非常に『盗作だ…!』気分になって非常に気分が悪かったのですが、もっと悪いのは、私がそれまでその漫画家さんの作品を好きだったことです。
それ以来、その漫画さんの作品は購入していないというのは余談ですが、ひとつの体に同居する多種の生命体人格というのは、読んだ当時は結構衝撃的だったのです。
今目の前にないので、うろ覚えなんですが、主人公は「一個の人間としての多重人格」ではなく、宇宙探査による多種の知的生命体を吸収(?)することによる多重人格というか、多重生命というか。
もうネタばれという時代の作品でもないので、時効とは思いますが、読んだ当時は、自我のあり方という奴について結構疑問でした。
変な意味ではないけれど、それはそれで、「異種」の生命体が同じ体を使って共存できるのか本当に?
シマックの作品は、皆優しくて、楽観主義と言われてしまえばそれまでなのですが、暗い結末は少なかったように思います。
ゆるぎない優しさというのが好きなところだった。
何の話をしていたかわけが分かりませんが、小鬼の居留地とかあのへんには、如実にシマックの作風が現れていると思います。