- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150108991
作品紹介・あらすじ
時は21世紀。地球はひとつの巨大な"ネット"に包みこまれていた。情報化と核兵器廃絶で力を失った国家にかわり、ネット上で活躍する多彩な多国籍企業が地球を動かしているのだ。そのひとつ《ライゾーム》社の呼びかけに応え、第三世界のデータ海賊の大物たちが、社のゲストハウスに集結してきた。違法なデータ盗用と無意味な武力抗争に終止符を打つのが《ライゾーム》社のもくろみだった-。だが交渉開始の矢先、会談の責任者ローラの目前で悲劇が起こった…。気鋭作家が近未来情報化社会をリアリスティックに描いたSF問題作、ついに登場。キャンベル記念賞受賞。
感想・レビュー・書評
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前半はもたもたしているが、後半はスピード感がある
表紙 4点栗原 裕孝
展開 5点1988年著作
文章 5点
内容 550点
合計 564点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊藤計劃の『虐殺器官』からのつながりで。
1988年発表というから、22年前の作品。
当時のテクノロジーから想起される未来像なので
ちょっと違うなと思うところもあるが。
舞台はネットワークに世界が取り込まれている近未来。
主人公のローラは旦那と子どもがいて
「ライゾーム」というネット上で活躍する国際企業に勤めている。
ここは友愛がベースとなる共同体のような感じ。
そこでローラはロッジのオーナーを担当している。
そこに違法なデータ盗用を行うデータ海賊たちが集まり
会議を行うことになった。
違法なデータ海賊たちを取り込もうという
「ライゾーム社」の策略だ。
そこでデータ海賊の一人が殺された。
そこからローラの世界を股にかけた戦いが始まる。
ハバナ、シンガポール、船舶、収容所と舞台は転々としながら
ローラは巻き込まれ型のヒロインとして
それぞれの舞台で自らのアイデンティティを武器に
抵抗を続けていく。
導入部は未来的なシステムなどが舞台装置として紹介されるが
途中からは一気に戦争ものの様相を帯びてくる。
ネットワーク、国際的な利権、戦争
こうしたテーマに近未来的なシチュエーションのなかで
未来の姿を描いている。
ローラの運命がどうなるのか
そこに興味をもって読み続けた。
やや面白いくらいな感じかな?
本文から。
あらゆるテクノは危険なものだ。
可動部分がなくてもさ。
ひとつの世界というのは、
逃げ出すところがないっていうことだ。 -
20100729
ブルース・スターリング
だけど、サイバーパンクじゃないので、あまり面白くなかった。
上巻 -
2009/11/27購入
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ちょっと「古めかしい未来」になってしまったような未来予想図だけど、ふつうにスパイもの的な感覚で面白い。