竜の貴婦人 下 (ハヤカワ文庫 SF マ 1-13 パーンの竜騎士 外伝 2)
- 早川書房 (1991年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150109325
作品紹介・あらすじ
空に糸胞があるかぎり、竜騎士は飛んで、糸胞を殱滅しなければならない-。しかし、惑星パーンの安寧をあずかる竜騎士のあいだにすら疫病は蔓延してしまった。療法師ノ長キャピアムが苦心のすえ開発したワクチンも、パーンのあらゆる地点へ瞬時にして運び、人びとに集団接種しなければ効果がない。フォート大巖洞の洞母にして女王竜オルリスの騎士モレタはこのワクチン配付のため、危険きわまる時ノ跳躍に挑むのだった。
感想・レビュー・書評
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前同
表紙 5点木嶋 俊
展開 6点1983年著作
文章 7点
内容 660点
合計 678点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
竜と騎士とのつながりがより濃く感じる一冊だった。
最後は、衝撃で思わず息が詰まった。 -
パーンの竜騎士シリーズ外伝。モレタの物語後編です。
疫病(インフルエンザ?)は、パーン全土に広がり猛威を振るい、人々はばたばたと倒れていきます。竜騎士もその例外ではなく、すべての有機物を食い尽くす糸胞が降ってくるというのに、それを焼き払うのに充分な数の竜と騎士が確保できないという最悪の事態となってしまいました。
療法師ノ長キャピアムが記憶を頼りに開発したワクチンを惑星全土に配布・接種させるために、フォート大巖洞の洞母にして女王竜オルリスの騎士モレタはある「秘策」を用いることを決意します。
それが可能なのは彼女だけ。限界を超えて飛び続けた彼女は……という、上巻でのモレタが本当に人間くさく生き生きとして描かれていただけに、この下巻での洞母としての姿勢を貫く彼女の姿は凛々しく、また切ないです。ある意味、本編以上に完成度の高い作品。