竜の挑戦 上 (ハヤカワ文庫 SF マ 1-25 パーンの竜騎士 8)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150113667

作品紹介・あらすじ

2500巡年以上の年月にわたり、パーンの人々を悩ませてきた糸胞。大巌洞の竜騎士たちは、竜で空をとびまわり、宇宙からやってくる糸胞を退治してきた。だが、南ノ大陸で発見されたコンピュータ、アイヴァスがすべてを変えようとしていた。植民初期の歴史にはじまり、今では失われた物理、天文学、情報技術など、さまざまな知識をアイヴァスは明らかにしていくのだ…糸胞と戦う竜騎士たちの活躍を描く、シリーズ第八弾。

感想・レビュー・書評

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  • アイヴァスが出てきてSFらしくなってきた 
    表紙   6点木嶋 俊   小尾 芙佐訳
    展開   7点1991年著作
    文章   7点
    内容 740点
    合計 760点

  • これまでのファンタジーな世界観とまったく異なり、発見されたアイヴァスっていうコンピュータを中心にストーリが進む。中世的な世界が、失われた技術を得ることで工業化していく過程が面白い。

  • <翼を持たないものは持つものに焦がれて、>


     完結したとばかり思っていた《パーンの竜騎士》が続いていたことを知りました。シリーズ第8弾『竜の挑戦』★ レサもメノリもピイマアもジャクソンもそろって健在!

    《パーンの竜騎士》シリーズ、それはマキャフリイの輝かしい代表作です☆
     パーンの竜騎士と言えば、かつては敬意を払われたもの。架空の惑星パーンでは、地表に降り注ぎ繁殖する糸胞に人々の暮らしが脅かされ、竜が糸胞を宙空で迎撃することでこの星を守ってきた歴史があったのです。
     ところが、長らく糸胞の襲来がなく、竜騎士はかえって疎まれ、竜の砦は衰退の一途をたどることに……。

     ふたたび始まった、糸胞との闘い。
     並外れて強い精神を持つレサが女王竜と感合して、竜騎士は勢いを盛り返します。
     しかし、この戦いに終わりは来るのか。完全に終結したとき、竜騎士たちの立場はどうなるのか――?
     そうそう、いざという時以外は、有能な人ほど煙たがられますからね★

     マキャフリイ作品の女性群は総じて明るくタフで、たじたじさせられることも多く……、レサも気の強い女です。ちょっと怖いかも(笑)。ただ、《パーンの竜騎士》では強い精神力がなくちゃ務まらないという必然性もありますね。私はメノリちゃんがお気に入りだな。あと、本編より外伝が楽しいな……☆

     読みどころは、竜騎士と竜の間に結ばれる、素晴らしく強い命の絆ですね☆ 感合した竜と竜騎士には、孤独な時間がなくなるのです。竜が大空をはばたく喜びは、じかに竜騎士に伝わる! その精神体験を活字で追うのは興奮しますよ。残念ながら、人間同士ではそこまで強い絆は育めないな~★

     そのかわり、竜騎士が竜を失うのは、自分の一部をもぎとられるようなもの。哀しみを通り越して気が狂うほどなのです……。そんなツラいエピソードを読んでも、翼を持たないものは翼を持つものに焦がれて、その背に乗せてもらいたいと夢見るのです☆

  • パーンの竜騎士シリーズ8作目。1991年の作品、翻訳発行は2001年。
    中世的な農耕社会で、全てを焼き尽くす糸胞が降れば竜に頼るしかない、しかし糸胞が降らない時期には竜騎士への十分の一税への不満が高まる。
    先祖に当たる植民者の残したコンピュータ・アイヴァスが南ノ大陸で2千500巡年ぶりに発見され、人々は驚異に打たれながら科学を学び始めます。
    しかし、保守派の抵抗は根強く…?

  • 失われた科学を取り戻し、竜騎士の悲願たる糸胞殲滅作戦までの長い話。

  •  パーンの竜騎士シリーズ・正史。
    「惑星パーンがIT革命する話」と要約したら怒られるでしょうか……。あるいは、
    「パーンの皆ががんばって、スーパーコンピュータを自作する話」とでも。
     ストーリーの主役となるのはレサたちではなくて、メノリやピイマア、ジャクソムといった次世代の若者たちです。

     南の大陸の遺跡でスーパーコンピュータ=アイヴァス(「竜の夜明け」の移民船にのっかっていたアレ)が発見されて以来、パーン人たちは急速に科学的知識を身につけてゆきます。
     そんな人々に、ある日、アイヴァスはあるプロジェクトがあることをほのめかします。糸胞発生の地である赤ノ星に、竜と騎士とを送りこみ、糸胞が永遠にとんで来ないようにする、というのです。

     ストーリーの主役となるのはレサたちではなくて、メノリやピイマア、ジャクソムといった次世代の若者たちです。それがちょっと寂しくもある一冊でした。

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