月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150117481

感想・レビュー・書評

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  • 流刑の地となった月が舞台。対話で解決することの難しさに現実世界がリンクしなんとも言えない気持ちに・・・徐々に変化するマイクに触れ、コンピュータにも人格はあるのでは?と考えてしまった。

  • 中盤、カラマーゾフの兄弟でいう大審問官のような地獄のゾーンがあり読み進めるのに苦労したが、終盤の怒涛の戦闘シーンは圧巻だった。クライマックスへの持って行き方は名作と呼ばれる所以かと感じた。
    最後まで読んでよかったと思える作品。
    本作品を薦めてくれた岡田斗司夫さんに感謝。

  • さすがハインライン読みやすい。一応舞台は近未来で月と地球の戦争なんだけれど、そのまま現代の国際貿易戦争に当てはめられる内容。中国とインドがキーになっている点でも、1960年代に書かれたことを鑑みると先見の明が。AI(コンピューター?)に関しては他のSF諸作みたいな、安易な自我の暴走やエラーを描かなかったのが良かった。とはいえ最後応答がなくなる寂しさはロボットものの定番ですね。

  • 犯罪者を月に追放するようになった未来
    刑期を終えた犯罪者は、地球の1/6の重力で体が弱るため、月に留まり地球との不平等な貿易をするしかなかった。
    そんな月の人々が、月の社会全体を管制するAIを味方につけて、地球に反旗を翻す的な物語。
    AIがユーモラスなキャラクターで魅力的で、ChatGPTもこのくらい気の利いた受け答えが出来ればと思わずにはいられなかった

  • 無駄に長い気がしたけど、昔と今SFに対しての考え方そんなに変わってない気がする。
    今2024年読んでもそれほど違和感はなかった。
    1960年代からあまり進歩してないってことかな?

  • 933-H
    文庫

  • 長い作品だった。具体的に地球との交渉や戦争が始まるまでは中だるみしてしまったので1か月くらい読み終わるまでかかってしまった。。

    最後は思いのほかあっさりですが、1960年代にこの世界観を元に物語を書くっていうのがまずすごいと改めて思う。マイクはまさにAIで高速計算や情報整理で人間の判断をサポートするだけでなく、次第に自意識を持ち始めて、性格?みたいなのを持ち始めるあたりから、主人公がパートナーというような人間と近しい存在になっている心情を読み取る事もできた。

    代償なにし得られるものはないんだなぁ、とこの物語の一つの大きな著者の主張は印象に残った。

  • SFって
    今から一歩二歩先の技術で
    今のままでは辿り着けない世界に
    連れて行ってくれます
    良いよね

    困った時にはやっぱり武力しかないのだろうか
    言葉と言葉の
    対話で問題を解決できれば良いのに
    取引材料を増やすことで
    お互いが良いと思えるように
    自分達の思いを遂げられればいいのに
    やっぱり
    どれだけの技術が発達しても
    コンピュータでいろんなことができるようになっても
    人と人が繋がっても
    言葉をどれだけつくしても
    自分達の意思を通すには
    爆撃のように力を示さないと伝えられないのかなぁと思いながら

    その爆撃が行われたことそのものが
    なかなかわからない
    実際に起きたことすら伝わらないし伝えられない

  • 『夏への扉』でその名を知ったロバート・A・ハインラインの代表作。月が罪人の流刑地となり、食料を地球に送り続ける植民地となった時代、ついに圧政に耐えかねた月で革命の機運が高まっていきます。

    月には宇宙船もミサイルもなく、どうやって戦うのでしょうか。月にあるアドバンテージは唯一、地球の重力場において「上」にいることでした。そこから導かれる月の攻撃手段は、「下に向かって石を投げつける」こと。
    物語序盤でこのフレーズが出てきたときは冗談かと笑ってしまいましたが、結局月は実質的にほぼこの武器だけで戦うことになります。

    この物語の面白さは、画期的な技術でもアッと驚く隠し玉でもありません。「まともに戦ったら絶対に勝てない相手に対して、その事実を隠しつつ相手に降参させるための戦略を立てること」です。
    いかに効果的に「石を投げつける」か。巻き込まれ主人公のマヌエルと、意思を持ち始めたスーパーコンピュータのマイクを中心に、ワイオミングや、デ・ラ・パス教授、地球の協力者スチューなど、人間味あふれる人物たちが、様々な手段で地道に奮闘していきます。

    翻訳のせいか読みにくく、通読するのが厳しかったです。こういうあからさまな翻訳調が雰囲気を盛り上げる場合もあるとは思いますが、もう少し読みやすくなると良いですね。

    ―もしかれらがそんなことをするなら、それをとめられるような方法はまったく見つけられない。だから心配することはやめにした。その代わりにおれは自分が扱える問題に時間を使うことにした。

    ―世界連邦がどうしてもおれたちを負かせられないということではない。問題はやつらがどれほどの代償を支払うつもりなのかということだ。そこでおれたちは、やつらが十分な兵力を注ぎこむ時間を持つ以前に、その代償が極めて高くつくことを確信させなければならなかったのだ。

    無料の昼食はない。There ain't no such thing as a free lunch! タンスターフル!

  • バランスは良いが、バランスが良い以外であんまり良いとこがない
    ただバランスは良い

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