- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117641
感想・レビュー・書評
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短編の寄せ集めが一つの大きな物語になっている。
人間の愚かさを感じるところが多いね。
雰囲気はちょっと寂しい感じ。
でも、最後の場面が唯一平和で一番美しい場面なのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんて素敵な本だろうか。まさに語り部というか。一つ一つの話がとても面白いし、詩的な文章が素晴らしい。
なんだかラファティの「宇宙舟歌」を思い出してしまって、なんでかな〜て思って著者序文を読んだらわかった、「神話」なんだ! -
通奏低音のように全編にわたって漂うさみしさ、むなしさが印象的。宇宙空間の空は空しさの空か。
読み終わった後、表紙を撫でながら静かに余韻に浸った。目が覚めてから、ついさっきまで見ていた夢を思い出そうとするような感覚。あれだけの物語がこの一冊の文庫本の中に詰め込まれていたのかと思うと不思議な気分だ。大切にしたい本。
火星年代記における「SF的」な設定は表現の手段だろう。サイエンス・フィクションという狭いくくりに収まりきらない力を持った作品だと思う。火星じゃなければ描けない文学。
解説によると、星新一が愛読したとのこと。確かに彼のショートショートも同じような香りがするな、と妙に納得した。人間を始めすべての存在に対して一歩引いているような、この感じが好きなんだよなぁ。
詩的。
ブラッドベリの作品の特徴として叙情的な文体がよく挙げられるが、ぜひ原書で彼自身の言葉を味わってみたいと思う。 -
面白いと聞いて読んだが自分にとってはあまり響かなかった。ヒューマンドラマ系のものがあまり響かないのかもしれない。
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自分の想像力がいかに乏しいかを知った
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「ロケットの夏」から始まる、火星年代記。地球から火星へとやってくる人々。面白い話があれば、怖い話もある。痛烈な風刺もあれば、切なく悲しい話もある。ブラッドベリが描く数々の短編。視覚的にも思い浮かべやすいストーリーが多い。
序盤は夢や希望溢れる話が多いと思いきや、一癖も二癖もある展開。終盤は物悲しい話が続くが、絶望的な暗さではない。この辺りの匙加減が絶妙。 -
「火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せた。やがて火星には地球人の町がつぎつぎに建設され、いっぽう火星人は…幻想の魔術師が、火星を舞台にオムニバス短篇で抒情豊かに謳いあげたSF史上に燦然と輝く永遠の記念碑。著者の序文と2短篇を新たに加えた新版登場。」