世界を変える日に (ハヤカワ文庫 SF ロ)

  • 早川書房
2.53
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本棚登録 : 137
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150119096

作品紹介・あらすじ

バイオテロのため、人類が滅亡してしまうと知った少女ジェシーは、ある決断をくだす。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に大好きな「終わる世界」が舞台の小説。
    人間の生殖が成立しなくなることにより、人類滅亡が運命づけられる、というのはフィクションの中でよくある話だとしても、そこの理屈がちょっと変わっている。
    また、ミソジニーとミサンドリーの対立があったり、グレタ・トゥーンベリとしか思えないような環境保護主義が登場したり、とても現代的な内容が扱われているのは興味深い。
    この舞台装置の中で、主人公の心理を追っていくという筋立てであり、そこは良いです。ですが、あまりに舞台装置に対する世界の人々の対応がひょうひょうとし過ぎていて違和感がありました。乗り切れませんでした。

  • 〈受胎告知〉が死を意味する世界で、「もの知り父さん」は死を覚悟した娘に何を言えばいい?近未来のいつの間にか、全人類が母体・死亡・シンドローム=MDSに感染していて、妊娠すると脳がボロボロになっていって月齢が3ヶ月になる前に死ぬ、もちろん胎児も。〈父さん〉は、受精した胚にワクチンを入れて子宮で育てるという人類を救う研究をしていて、MDS無縁の羊の子宮を使うなど突破口を模索している…早産で生存できる22週目以降まで母体を保護する技術は開発された、胎児生存率は16歳が最高/彼は職を辞し、娘を監禁して翻心を待つが

  • 再読。未来への決断。
    親の気持ちになり複雑。

  • 延々と遺書が続き読むのが苦痛であった
    表紙   6点牧野 千穂   
    展開   2点2011年著作
    文章   4点
    内容 310点
    合計 322点

  • SF

  • 世界を変える日に (ハヤカワ文庫 SF ロ)

  • 思春期特有の、視野の狭さと思い込みのおはなし。
    自分で選んだ決断だから、見守ってあげたいとも思うけど、
    両親の立場になってみればそうはいかないよなあ。
    広い視野、情報の選択スキルは生きていく上で身に付いていくものだと
    この年になってつくづく思う。
    そりゃあ若いうちはわからないよな~。

  • 正直に言おう、表紙のイラストに自転車が映り込んでいたのも、この本を買った理由の一つだ。ストーリーに自転車は関係ないが、316ページに自転車に乗る主人公が気持ち良く描写されている。

    物語の背景は近未来にある。
    バイオテロのため妊娠すると妊婦は狂牛病にかかり、早々に死に至るため、新たな子供は生まれなくなっている。わずかな光明として、受精胚にワクチンを接種し、生命誕生の汀で抗ウイルスの人類を生み出していく方法が考えられた。しかし、母体の脳はウイルスに蝕まれるため、生命維持装置で胎内環境のみ生かされ、出産と同時に死に至る。主人公は16歳にして、死に至ることを覚悟の上で母胎になる決意を固めるが、家族は反対する。
    舞台はSFの設定だが、物語は70年代以降に普遍的に見られる若者特有の反発心、自己犠牲心など、自我を獲得していく過程が書かれている。

    劇的なラストがあるわけでも、派手などんでん返しがあるわけでも無い。若気の至りを振り返る機会もなく、主人公は帰らないのだろうか。

  • あらすじを読んで面白そうだなぁと思い、読み始めました。16歳らしい感性を持った主人公に対し、共感できたり、逆に批判的になったり、物語内部での個人同士の考え方のすれ違いは勿論のこと自分自身と主人公のすれ違いを感じることもできました。

    その後、が気になるお話です。

    惜しむらくは、訳ですかねぇ……。私の訳法と異なる点が多々あったので、非常に、気になる点が幾つかありました。修飾部の扱いが英語の並びと同じように、文外での追加だったので……。日本語の文として、書いていただきたかったところです。

  • 表紙絵と設定に惹かれて読んでみたのですが……。

    まず、この本はハヤカワ SF から出るべきではなかったですね。あと、タイトルはオリジナルの直訳で出すべきだったでしょう。そうしたら、少なくとも私は読まなかったはずです。

    ストーリーは、粗筋に書いてあるとおりで、バイオテロにより女性が妊娠すると確実に死んでしまう世界で、唯一の希望と思われるウィルスに感染しておらず、またワクチンが接種された受精卵を主人公が妊娠するまでの決心するまでの描いた物語。

    未知のウィルスによって人類が滅亡するかもしれないという状況ながら殆ど恐怖も感じられず、かといって、ウィルスに対してなんとかして対抗していこうというようなサイエンスな話もなく、ただただ、主人公の女性(少女)の視線から、ごく狭い世界が描かれます。

    話の前半は、はっきりいってしまえば、中二病の世界。その後は、主人公が、色々と身のまわりで起きる出来事をきっかけに、自分が世界を変えなくてはと決心するまでの様が描かれているのですが、主人公も、その周りの人々にも殆ど共感できず、かといって SF 的な面白さがあるわけでもなく。

    そもそもテロリストが全人類に感染するウィルス(女性が妊娠すると、エイズを発症させかつ脳内でプリオン蛋白をつくる)を作成したとういう設定自体が何と言うか、という状況に加えて、この設定がこれ以上深堀されないということが残念でしかたがないです。あと、受精卵にワクチンを接種させるって技術的にできるのでしょうか。ワクチンって免疫細胞がないと意味がないような気がするのですが。

    一応、少数の少女達が犠牲になることで、世界を救うという最小不幸社会に向かおうとしている社会を描いた物語とも取れるのかもしれませんし、主人公の少女の思いと決断の強さを感じられる物語なのかもしれません。――ですが、残念ながら、個人的には、特に共感できるような内容もなく、 SF 的に面白い部分も感じられませんでした。パンデミックを扱った SF は好きなので、残念で仕方ありません。

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