レッド・ライジング―火星の簒奪者 (ハヤカワ文庫 SF フ 21-1)
- 早川書房 (2015年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119942
作品紹介・あらすじ
最下カースト・レッドの若者は、社会変革のため肉体改造を受け、エリート養成校に潜入する。そこでは生死をかけた闘いが繰り広げられていた!
感想・レビュー・書評
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『ルナ・ゲートの彼方』みたいな話かと思っていましたが、どちらかと言えば『蠅の王』。なんかもう全体にやりすぎという感じもしなくもないけど、まだまだ続きがありそうなのはちょっと楽しみ。
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火星で最下層カーストが最上位に上り詰めるまでの戦いを描いた物語。
最初の方でカースト最下層のレッドである主人公(ダロウ)の妻(イオ)が吊るし首で処刑され、その殺され方はかなり残酷というか哀しいものであった。しかも、そのほぼ直後にダロウも吊るし首の刑に処される。
最初にかなりインパクトがあるお話を持ってこられたので、一気に物語に引きずり込まれた。特に主人公のダロウが吊るし首になった時には、「えっ?! 主人公まで死んでしまってこれからどうなるのだろう」とドキドキしながら読み進んだ。結局、ダロウは死ななかったのだが、それからのストーリーが本書のメインになる。
カースト最下層のレッドを救うため、妻(イオ)との愛を貫くため、ダロウはカーストの最上位の中の最高位を目指す。本書では、これから本格的な戦いを始めるための権利を得るための戦いの部分となる。途中から「これはわざわざ火星を舞台にしなくてもいいのでは? 地球上の話にしても問題なさそう」と思ったが、火星ならではの身分制度などを考えると、これでよかったのかもしれない。もしかすると、続編で火星色が強くなるのかもしれないし。
さて、本書は三部作の最初となるものである。続編は2015年9月現在だとまだ翻訳されていない。私は原書を読むほどの英語力はないので、おとなしく翻訳を待つことになる。早く販売されないかと心待ちにしている。早く続きが読みたい。
また、映画館の権利をユニバーサルが持っているので、そのうち映画でも上映されるのだろう。でも、結構な残虐シーンや流血シーンがあるので、この辺りどのように映像化されるのか気になるところではある。