魔術探偵スラクサス

  • 早川書房
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150203061

作品紹介・あらすじ

おれの名前はスラクサス。魔法の国トゥライの探偵だ。でぶで大食い、大酒飲み、借金だらけで女房には逃げられた。そんなおれのもとにある日、舞いこんだ依頼は、単純な王室スキャンダルのもみ消しに見えた。だが、次々と襲ってくる謎の集団、あちこちで発見される死体。どうやら、国じゅうを騒がす魔法の赤布紛失事件に巻きこまれたらしい。けんかと推理力なら自信のあるおれは、相棒の超美人剣士マクリと立ちあがった。世界幻想文学大賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 小説

  • 2000年に世界幻想文学大賞を受賞した作品。

    簡単に言うとファンタジーの世界でハードボイルドをやらかすと
    こうなるという見本のような作品だった。

    登場する人物が数多いのにもかかわらずキャラクターがしっかり
    立っているし、ノンストップで続く事件のおかげか、途中だれる
    こともなく、最後まで楽しく読むことが出来る。大賞受賞さも
    ありなんといった感じだった。

    ただ今ひとつ盛り上がりに欠けるのも事実かな。これですべての
    事件が一挙に解決するクライマックスが用意されていればベスト
    だったんだが。

    本国では5作目まで刊行されているらしいが翻訳は今のところ
    この第1作目のみ。表紙が良くなかったかな?(苦笑)。

  • 2012/3/19読了

  • 君主制と共和制が両立している時代。エルフや魔術師がいて、商人や暗殺師のギルドもある世界。
    主な舞台は乱雑で治安の悪い下町。

    とても好みの作風だった。
    探偵が主人公のハイファンタジーは珍しい気がする。
    その主人公が肥満気味で向上心皆無、うだつの上がらないオッサンなところがまた良いんだ!

    些細な依頼が複雑な問題に発展し、二転三転して最後にはどんでん返し…小気味よい展開のミステリー。
    ヤク中の情報屋にお堅い司教、背徳の魔術師、エルフにドラゴン、いろんな人に出会いつつ、時には剣と魔法で戦うファンタジー。
    二つの要素がうまく融合していると思った。

    娯楽小説っぽい要素があって読みやすかった。
    エルフの赤布を狙う複数の団体が、互いの存在に気付かないまま一堂に会する場面は、完全なコメディーで笑ってしまった。

    展開がやたらスピーディーだと思ったら、主人公の葛藤や成長が全然なかった。
    登場人物の精神的苦悩とか社会的問題の解決とか、スラクサスはそういう問題を事実として語るだけで、自分からどうこうしようとは全く考えない。
    彼の代わりに相棒のマクリが頑張っている(女性の地位向上のため、募金をしたり)。

    マクリは自立した女性だし、スラクサスはある意味ブレないヤツなので、成長型主人公にモヤモヤする人に向いてるかも。

  • ユーモア・ファンタジー・ハードボイルドなミステリ。駄目オヤジな主人公スラクサスといい、相棒のマクリといい、キャラは経ってるはストーリーは面白いはで言うことなし。でも続刊は訳されず。なんでだ。

  • 再読:スラクサスは愛すべき駄目大人だなぁ。

  • 主人公は、かつて宮廷魔術師と活躍したが、酒と怠惰生活のせいで、メタボ体質になり、魔術師レベルが下がった(D&Dでいうとウィザード1レベルぐらい)中年魔術探偵スラクサス。

    そんなやさぐれ探偵が、美女剣士(D&Dだとファイター8レベル以上?)マクリを相棒に大活躍。
    というか、マクリのキャラが立ちすぎ。
    ハーフエルフとハーフオルクのハーフで、すごい美人で、戦闘中毒者だったり、向学心が強く大学で哲学の授業を受けるのが夢だったり、制服がビキニアーマーのお店でウェトレスのバイトをしたり、ウーマンリブの活動をしたり、キャラが立ちすぎというか、D&Dのプレイヤーキャラクターだったら、ゲームマスターに怒られると思う。

    読んでいると頭の中で、20面体サイコロが転がっているのが思い浮かぶ小説だ。

  • ハードボイルドと見せかけたファンタジー推理小説。
    翻訳は訳者の手腕も取っても大事ですがこれはそこを見事にクリアしてます。
    面白い。
    どんなことがあったって、奴隷船でオールを漕ぐよりはましなんです。

  • 表紙に早川の悪いところが全部詰まっちゃってるような気がします。イラスト単体で見れば悪くないものの、これは様々な潜在客層を多く逃してしまっているのは間違いなく、そのもったいなさに歯ぎしりする!!内容はというとファンタジー世界で繰り広げられる、ハードボイルド探偵もの。成り下がった元宮廷魔術師スラクサスの元に舞い込んだ奇妙な依頼。腐敗した政治、まん延するドラッグ……しかし語口(慣習によりもちろん一人称)は至ってコミカル。とても上手くこの異種混合を料理しています。相棒役の怪力ミックス・エルフ娘も超キュート。読み終わってみると続編を期待せずにはいられないのですが…………早川のバカー!!どうも続きなしで確定らしいですね。チクショウ。

  • ユーモアファンタジー。翻訳はこれしかでてないみたいだけど、原作はもう何冊か続編が出てます。続きは原書で。

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