上弦の月を喰べる獅子 上 (ハヤカワ文庫 JA ユ 1-1)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 408
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305024

感想・レビュー・書評

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  • 初夢枕獏。仏教の造形の深さと言葉選びと虚実のセンスが光る。
    螺旋に魅入られた男。むせ返るジャングルの呼吸。森羅万象、南妙法蓮華経、生物の進化「脱皮」と「なれなかった物」、螺旋虫、業と縁、あにといもうと。海から来たものアーガタ。わたくしといふ現象は、青白く光る一つの交流電燈です。
    仏教観と宮沢賢治と生命の神秘の混じった、SFなのかファンタジーなのか、底を覗いてもただ闇しか見えず、それでいて突き詰めるところが「人間は、しあわせになれるのですか」なのが、深い。
    この文脈で宮澤賢治のこの詩を持ってくるか、この章は、この思想と文体をベースに創作するのか、どっぷり底に沈むようで憑かれたように読むしかなく、展開の面白さはないけれど、さすが博識だ。

  • 宮沢賢治・仏教・進化論をSFに織り上げた大作。
    生物学的知識・仏教的知識は無いのでその辺の正当性は良く分からないが、フィクションとして非常にユニークな着想だと思う。
    10年ほど前に読んだとき強烈なインパクトで印象に残ったため、今でも捨てずに本棚に残り続けている。
    特に宮沢賢治ファンとしては、このような形で独創の詩人を現代の文学に蘇らせた試みに拍手を送りたい。

  • 除籍本。

  • あらゆるものを螺旋として捉え、仏教の宇宙観をもとに進化と宇宙の謎に、螺旋思考で肉迫する幻想SF。    -20090930

  • 著者:夢枕獏(1951-、小田原市、小説家)

  • ひとつの神話を読んでいるような気分。仏教にはまったく詳しくないので、正直よくわからないところも多い。下巻でどこまで連れていかれるのか。

  • 夢枕獏を誤解してました。
    すみません
    すげーおもしろいです。

  • 10年ぶりの再読。やはり、いい。惹き込まれる。幻想的で脈絡もないように見えて、いろいろと思い当たることがあり、不思議な気持ちになる。

  • 下に続く。

  • 何となく、雰囲気が
    海辺のカフカっぽい。
    1988年の小説だなんて…
    面白いです。
    20120508

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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