花模様の迷路 (ハヤカワ文庫 JA サ 1-7)

著者 :
  • 早川書房 (1996年7月1日発売)
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本棚登録 : 63
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305598

感想・レビュー・書評

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  • 独特の酩酊感があるのです
    夢の中の表現がうっとりするぐらい素敵

  • セカンド坂田作品です。こちらも舞台は英国。美術商マクグランが出入りする先で出会う事件を描きます。

    「マイルズ卿ものがたり」はおちゃらけテイストなんですが、こちらはしっとりテイストです。表題作は大庭園の主ともいえる孤独な青年の秘めた思いの話。「天空の銘」はアラブの王子様のある行動がミステリ調に描かれます。最後の「白い葡萄」もややミステリ調ですね。少しポーの「黒猫」っぽいかもしれません。

    どれも劇的な結末ではないけれど詩情にあふれ、文章に直しても素敵な作品になるように思います。おまけに2編、短編がついています。「風邪ひき弁護士」はラブリーな作品です。ある弁護士さんのところに、世間で悪評をふりまく、幼なじみの女性が依頼に来て…ある意味王道ですが、ちょっと大人テイスト。「糸杉」はある身寄りのない姉弟の話。お姉さんに恋人ができたことで、弟との関係がきしみます。暮らし向きのこともからみ、とても切ない短編です。子どもが読んではいけません(笑)。

    坂田さんの作品は「理が勝ってる」との評もありますが、私はこういった知的にしっとりした話も嫌いではないのでこの☆の数です。

  • 美術商マクグランって、シリーズだったのか。知らなかった。1冊、このひとが主人公の話が何作か入った本を読んだことがあるけれど…、まとめてほしいなぁ。古いから無理かな。『バジル氏の優雅な生活』の平民版といったところ。マクグランのほうがいいひとだけれど、バジル氏のほうが格好いい。(2007-09-07L)(2020-12-10)

  • 2006/01/19

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著者プロフィール

大阪府高槻市出身、石川県金沢市在住。1975年、『花とゆめ』掲載の「再婚狂騒曲」でデビュー。以来、白泉社、小学館など幅広い雑誌で活躍。英国を舞台にした作品のほか、さまざまなファンタジーや日本の怪談・説話を素地にした作品も多い。『闇夜の本』『バジル氏の優雅な生活』『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』『水の森奇譚』『芋の葉に聞いた咄』『磯の貝に聴いた咄』『堤中納言物語』『伊平次とわらわ』など多数。

「2008年 『王朝貴族のおまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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