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- Amazon.co.jp ・マンガ (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150305598
感想・レビュー・書評
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独特の酩酊感があるのです
夢の中の表現がうっとりするぐらい素敵詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
セカンド坂田作品です。こちらも舞台は英国。美術商マクグランが出入りする先で出会う事件を描きます。
「マイルズ卿ものがたり」はおちゃらけテイストなんですが、こちらはしっとりテイストです。表題作は大庭園の主ともいえる孤独な青年の秘めた思いの話。「天空の銘」はアラブの王子様のある行動がミステリ調に描かれます。最後の「白い葡萄」もややミステリ調ですね。少しポーの「黒猫」っぽいかもしれません。
どれも劇的な結末ではないけれど詩情にあふれ、文章に直しても素敵な作品になるように思います。おまけに2編、短編がついています。「風邪ひき弁護士」はラブリーな作品です。ある弁護士さんのところに、世間で悪評をふりまく、幼なじみの女性が依頼に来て…ある意味王道ですが、ちょっと大人テイスト。「糸杉」はある身寄りのない姉弟の話。お姉さんに恋人ができたことで、弟との関係がきしみます。暮らし向きのこともからみ、とても切ない短編です。子どもが読んではいけません(笑)。
坂田さんの作品は「理が勝ってる」との評もありますが、私はこういった知的にしっとりした話も嫌いではないのでこの☆の数です。 -
2006/01/19
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