美亜へ贈る真珠 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-11 ロマンチック篇 梶尾真治短篇傑作選)
- 早川書房 (2003年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150307318
感想・レビュー・書評
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SF。短編集。
表題作、「詩帆が去る夏」、「"ヒト"はかつて尼那を……」の3作が再読。
どれも良い話。
「時尼に関する覚え書」が一番好み。
一作だけホラーっぽい「玲子の箱宇宙」も印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分類するとすれば時間SFなのだろうけど、それ以上に人間ドラマが美しい。じんわりと胸に染みる。登場人物の一人一人がいとおしく思えて、大切な一冊になるのじゃないかなあと思う。
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「出会うたび、時間を巻き戻すかのように美しく若返っていく不思議な女性・時尼。彼女を深く愛し始めたとき、その正体と儚き真実が明らかにされる―「時尼に関する覚え書」。並行世界で邂逅した想い人・江里の運命を、生命を賭けて変えようとする研究者の物語「江里の“時”の時」。そして、異なる時の流れに分かたれた男女の哀惜を綴った著者の伝説的なデビュー作「美亜へ贈る真珠」など、時間と恋愛がテーマの傑作八篇。」
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小説
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優しかったり暖かかったり怖かったり、いろんな話があった。
地球が征服され、ヒトが絶滅する話は印象深かったな。あの少年は、どんな大人になるんだろう。 -
面白い。表題作もいいし、「時尼に関する覚え書」も静かで深い感動を与えてくれる。
ただ、この「純愛」ってのがどうも僕には苦手で、どっかで嘘っぽさを感じてしまうんだよね。そこが、いまいちハマれなかったところ。 -
「時尼に関する覚え書」が面白かった。
未来人から折り返し中? -
こおおおん
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ロマンチックSF
既読の「美亜へ贈る真珠」はパスして、「詩帆が去る夏」からはじめるが、クローンに自殺にと大掛かりな背景の割にはあっさりとした印象。なにに『努力する』のかわかんないままなのが消化不良。
次の「梨湖という虚像」はおきまりのエンディング。むしろ主人公が体を提供するのかなぁと思ったが、そうじゃなかった。きっとこのエンディングの方がいいんだろうな。
「玲子の箱宇宙」はなかなかの力作。面白いと思った。でも、ロマンチックではないなぁ。
「“ヒト”はかつて尼那を……」は前半のダルさがあるものの、『古き良き時代のSF』に通じる人類の強さが感じられてとてもうれしく思った。一番の作品かな。
どこかで見たことがある気がする「時尼に関する覚え書」はすこしがっかりかな。ベンジャミン・バトンだもの。
ラスト飾る「江里の“時”の時」は時震を扱ったもの。いい味だし、オチもきれいだ。ただ、主人公の戻る現在がどうなっているのかの余韻がほしかったなぁ。ロマンチック路線だからしかたないかな。
全体的にはとても良かった。やっぱり SF はいいなぁ!! -
オススメのSF短編から気になったので読了。
時間モノと恋愛を結びつけるのは恐ろしく相乗効果あるなぁと納得。