- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150310103
作品紹介・あらすじ
すべての子どもたちが人工授精で誕生し、掌にノードを埋め込まれて生活する時代。人々はノードを介して情報や思念を交換する。中2の少女、不動火輪と滝口兎譚は授業の自由課題で小学校の遠足バス転落事故を調査し、死亡前の生徒の思念記録を偶然手に入れた。その記録に関わる大きな陰謀と、二人の家庭の事情が複雑に絡み、遂に事件は勃発する-大人世界の不条理に抗う少女たちの絆を描く、俊英作家の新世代青春小説。
感想・レビュー・書評
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設定が非常に気持ち悪くてそそるものがあったが、結末に向かうにつれて印象が薄れていった。
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設定やストーリーはそれなりに面白い。唐突に出てくる場違いに思えるものでもちゃんと物語の歯車になってる所など、しっかりしてるとは思う。
しかし文章は独善的で、アスペチックだ。読者が付いてこれるかどうかなどあまり考えていないのだろう。もっと細部に魅力があれば牽引力の強い文章だと褒めることも出来るのだが。
ラノベ業界はこれくらいのがスタンダードになればいいのに、と思いました。 -
信念を貫き過ぎて自壊して、神を追い求めて人間をやめ、神の言葉のみを信じて虚となり、そんな大人達に翻弄されつつも、少女たちは健気に『愛』に生きる。そんな物語です。
幸せを望むなら、信心もほどほどにってことでしょうか? -
天教の阪神を語るところのキモさは異常。こういう壊れ方は好き。
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設定が良く引き込まれましたが、本編が力不足で設定を生かしきれてませんでした。
本編はさらわれた友達を探すというただの追いかけっこ。 -
“もう、わたしのとるべき道は一つしかなかった。
「大丈夫だよ、わたしは自由になる方法を知ってるから」
わたしはスパナでパパの頭を殴った。本気で。何度も何度も。まるで自分が叩かれてるみたいだと思った。思っただけだ。パパはわたしではない。別の人間だ。痛みだって共有しない。だから傷つけることができる。パパがわたしを傷つけたように。”[P.33]
宗教とか神様とか。
“「こいつらは神なんかじゃない。よく見ろ」言葉がナイフを振るいながら神の顔を指差す。
「全部、大月小夜の顔をしてるぞ。この空間は何から何まで大月小夜だ」
「何が悟りだよ。引きこもっただけじゃん。どこまで心が弱いんだ!みんな、力を貸して!私の親を更生させる!」
火輪は神たちを切り裂いていく。人間をたぶらかす神様なんていらない!
『ほほう、ずいぶんと神を殺しておるのう。爽快爽快!』
『不動明王様、こんなの神様じゃなくて偽物でしょ?』
『いや、これはこれで神の一種だ。なぜなら人間の心の平安のためだけにあるのも、また神じゃからな。こいつらはいわば大月小夜のお守りのためだけの神じゃ』”[P.346] -
百合で健全な関係の少女二人によって話が展開していく。
主役カリンは超消極的な女の子。対して親友トタンは活発、はつらつとしてる。二人は学校の課題で数年前に起きた、修学旅行中のバスが崖から転落した事故について調べることに。実は事故ではなくある宗教団体が絡んだ事件だった。中盤頃でトタンがさらわれる。普段は超消極的なカリン、だが親友の一大事。お不動様の導きでトタンを救いにいく。無事救いだしハッピーエンド。ちゃんちゃん -
なんか設定と人物がぎゅうぎゅうすぎて作者のひとりよがりみたいになっちゃてるよ。
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始めの大月小夜の章で語られる、社会背景の設定だけで、☆みっつは決定!と思うくらいの衝撃。皮肉でダークな結論。でもそれに至る論理展開は、意外にまっとうなエクストラボレーションである。
でも、その後の展開は、割と普通の電波系のライトノベル(というジャンルがあるのかどうか判りませんけれど・・・)だった。