天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-16)

著者 :
  • 早川書房
4.10
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本棚登録 : 787
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310509

感想・レビュー・書評

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  • 毎回楽しみにしている全10巻シリーズの5巻目!
    今回はタック・ヴァンディの農園編とダダーのノルルスカインの誕生から今に至るまでの断章からなる巻。
    メインベルトにある小惑星パラスで農業を営むタックと娘の家族愛の話―どうしてここに挟まるのか断章のノルルスカインの話。
    これが読んでいくうちに不思議とリンクしてくるからすごい!!w
    冥王斑、ドロテア、因縁・・たくさんのなぞが紐解かれている反面、宇宙農園というSFらしい要素も満載で、どっちの話をメインに読んでもとっても楽しい内容でした!
    でもこの順番では位置されているのにはやはり意味があって、どちらかを先走って読みたくなる気持ちは抑えて、順番に読んだらいいかなと思います(´∀`)
    そして難しい脳科学やら神経系やら・・なんとも実態がつかめないもの云々をこんなに魅力的に語って引き込んでくれる小川一水の文章力に魅せられました・・・

  • ダダーの正体が明らかになりましたが、でもダダーって「結局何?」って思ってしまいました。私には難しくてイマイチよく分からないって感じです。
    5巻まで進んできましたが、話が壮大すぎて良く理解出来ないという感じも出てきました。その分最終的にどういうオチになるのかが楽しみな感じでもあります。

  • 書き急いだのか随分荒っぽいなぁとおもって読んでいたのですが、最後に来て俄然次が早く読みたくなってきました。5巻にして未だ物語の全貌が現れてきたわけではないというのも凄いなぁ。
    不思議な知性体の会話は軽過ぎないかという気もするけどやっぱりこのシリーズは読んでいて楽しいです。

  • 農業SFかと思ったら……だいぶ世界の全貌が見えてきた!

  • 全十巻を予定している小川一水の《天冥の標》シリーズの第五巻。

    これまで1~4巻で描かれてきた、スケールが大きすぎて物語の構造すら見えてこない壮大さと、各巻毎に取り扱われる独創的なテーマは今回も顕在。

    今回は小惑星帯で営まれる農場というSFとしては一見地味に思える、
    それでいて興味深いモチーフが中心に据えられている。
    低重力環境での生活や、小惑星帯の生活圏における農家の立ち位置など、しっかりとサイエンスの延長線上としてのフィクションを丁寧に描いていて、世界観のリアリティの付与に大きく貢献している。

    また1~4巻で今まで断片的に描かれてきた、繋がりの見え無かった各パーツがほんの少しずつ集まり始める様も見て取れる。
    とくに本巻で1章おきに断章として描かれる《ダダー》の物語は、
    やや地味に思える本編とは対照的に、ぶっ飛んだ濃厚なSF成分がたっぷりで、この物語が本来持つであろう世界観の壮大さを感じさせて楽しませてくれる。

    最後の章で訪れる物語の急展開と、これまでバラバラだった各ピースが少しずつ集まり始める予感で、早く続きの物語を読みたい衝動にキッチリと駆られる。

  • 小惑星パラスの農夫タックと被展開体ノルルスカインの話の二本立て。この二つの話が交互に語られる。今まで正体不明だった意識体が登場するインパクトが強いため、一時代の話であるタック篇は夢中になるとまではいかなかった。
    シリーズも5巻になり、折り返し地点まできた。物語の目指す先が見えた気がする。時代が進んでいって1巻に繋がるのか、更に先へ進むのか、これからが楽しみだ。

  • ノイジーラント、ロイズ、プラクテイス、海賊というでかい勢力が伯仲し、ダダーのノルルスカインと”いたずらっ子”ミスチフの影がちらついたⅢから一転、今回はパナストロの辺境惑星パラスの農家、タック・ヴァンディが主人公。零細農家はでかい勢力の争いに無関係なのに翻弄されるような存在のはずだが、彼には積極的に巻き込まれる理由となる秘密があり…。
    タックのストーリーと交互に語られるのが、知られざる被展開体の生態、そしてノルルスカインとミスチフの因縁。

    …というなんともややこしく濃厚な物語になってきましたが、みんな生き生きとしているので楽しく読めます。タックとザリーカの親子関係、零細農家の助け合い精神など人間ドラマに事欠かない。ミスチフがえらくかわいい。ノルルスカインの経験を通して被展開体とはなんたるかを明かし、宇宙時代の農家の営みを微に入り細を穿って描いてみせた手腕がやっぱり白眉です。
    最新の科学的知見がふんだんに盛り込まれているのも濃さを感じさせる一因。「生命は早い」ていうのがちょっと新鮮に響きました。

  • ようやく全体がつながってきた感じ
    はじめから読み直してみようと思う

  • まだまだ話は途中。
    農業の話がどうつながるんだ、と思ったら裏でやってた話とつながっていたと。
    あとかつて語られた物語とも少しずつ関連してきて、でも正直よくわからない。
    どの勢力がどういう考えで関わってくるのか。
    あの病気の元凶が明示されたのは大きいかな。

    しかし、これがどう1巻とつながるんだか。未だ着地線は見えず。

  • 最新の銀河ヒッチハイクガイドでは、タオルの代わりにスポンジ推奨か。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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