パンツァークラウン フェイセズIII (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-3)

著者 :
  • 早川書房
3.54
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本棚登録 : 117
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311230

作品紹介・あらすじ

ついに広江乗との邂逅を果たしたピーターの目的は、イーヘヴンの再生だった──完結篇

感想・レビュー・書評

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  • ――

     なんだかどこか醒めている。


     ばっちり面白かったし、作り込まれてもいるんだけれど。PSYCHO-PASSと楽園追放からの流れで読んだので内容的には期待通り、期待以上。けれどなんだか所々にある無理筋というか力技というか…子供が人形遊びでヒーローごっこやってるみたいなところが(すげぇ悪口じゃん)、なんだか。作りが良いだけに残念。

     それでもやはり、この年代の代表作というか、指標的な作品ではあるのでしょう。この手の世界観を、皆が共有できるくらいには誰でも思い付けそうになっている、っていうのはジャンルが成熟してる証だよなぁ。
      かと云ってこれを皆が書けるかというとそんなことはないのだ。真似する輩は増えるんだろうけど。そのへん、丁度一昨日くらいにダウンタウンのフリートーク漫才が話題になったけれどそれと似ている。誰にでも出来そうで、けれど本当は、特定のひとしか成立させることのできない凄みみたいのがある。それを可能にさせるのは何か、じっと考えてみよう。

     ☆3.4


  • ぶつかり合う「黒」と「白」。己に与えた役割を、破壊という形でしか表せない愚かしさ。しかし、演じ続ける姿の裏側にある、理想の形を造り上げようとする姿は、理解される事無く自己欺瞞のまま消えていく。死にゆく運命に導かれる理不尽さを、抗う事でゼロに戻す。理想の世界を閉じ込めた箱庭は、歪みに気付かぬまま繁栄を謳歌する。生と死。勝利を追い求めた後に残る物がどちらだけだと言うなら、空虚さだけがこの世界を満たしており、それを否定出来るのも人間である。戦いの後に、新たに構築されるものが何であるのかを知りたいと思った

  • この話のテーマは世代交代ということだろうか。
    偶然繁栄した都市というのは印象的。
    EPILOGUE FACESで乗や多くの登場人物が幸せに暮らしているのがわかったが、少し蛇足感がある気がする。いらなかった。
    それにしても人柱を建てなければ維持できないシステムというのは分かるが、わざわざ一人殺すのが意味わかんない。
    それなら、やはり私はシビュラシステムの方が好きだ。
    そういえばこの世界は、ディストピア小説で形容するのなら、ハーモニーと素晴らしい新世界を足して二で割ったような世界だった。
    ダニエルの想いはきちんと妹に伝わったのだろうか。
    伝わっているといいのだが…。

  • 末那と、周藤の関係が良いな。

  • おしゃれ?それっぽい?なんだかそんな感じ。
    書きたいことはわかる気がするけど、どうにも使う手法に既視感を感じすぎる。

  • ―――西暦2045年、大震災で崩壊した東京は、行動履歴解析(パーソナライズ)と
    現実への情報層(レイヤー)付与を組み合わせた制御技術〈Un Face〉により、
    完璧な安全(セキュリティ)を実現した層現都市イーヘヴンに生まれ変わっていた。
    そこへ漆黒の強化外骨格を身にまとう青年・広江乗(ひろえじょう)が、民間保安企業の契約者として派遣される。
    だが彼には、この故郷を離れざるを得なかった過去があった。
    そんな乗を試すかのように、白き男ピーターがイーヘブンに降り立つ。

    平積みされてるのを見て衝動買い
    強化外骨格とか拡張現実とか、心くすぐられるよね!!!

    新人作家のデビュー作とは思えないほどのボリュームと構想
    随所に伊藤計劃と似た感じが見受けられるので、彼の作品を楽しめる人は結構好きだと思う。

    デビュー作だからなのか、この作家の癖なのか場面転換が分かりづらいところがあるけど次回作以降に期待したい。

    物語が進むにつれて、過去の事実や事件が持つ意味がガラッと変わる瞬間がいいね。



    われらいずこより来たり、われらは何者か、われらいずこへ去るのか。

  • 最終的にはよくわからん終わりだった。
    読み手の理解が低いからだろうか、、

  • 終わった、終わってしもうた。久々に血湧き肉躍るヒーローモノであった。やはりラストシーンはクウガを彷彿とさせる、かな。

    3D技術の邁進で身体のパーツを再生可能な世界かもしれんが、ばっさばっさと切り落とし過ぎだ! 読んでて痛い! グロい! 登場人物たちも一般人レベルで不死身か!とツッコミたくなる場面があちらこちらに、嗚呼。

    エドCEO、好きだったんだ、自分の弱点を熟知した上で最大限のパフォーマーに徹していて。臆病者を武器にした人となりが大好きでした。泣けた。

  • 東浩紀が帯に大団円って書いてたけど、まあその通りだと思う。
    この小説全体を通して言うと、痛みがないなーと思った。
    腕切られても何されても3Dプリンターでプリントしたら終いだし、だから登場人物がいくら痛みに苦しもうがそれが全く伝わってはこなかった。
    まあでもこの3Dプリントでこういうことが出来たら凄い良いだろうし、そういう未来を否定するつもりはないんだけど、あまりにも万能すぎて興ざめした。
    今後これが世紀の名作とかになることはないだろうけど、まあまあ面白い部類の小説ではあると思う。

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