日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族 (ハヤカワ文庫 JA ハ 11-2)

制作 : 伴名 練 
  • 早川書房
3.82
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本棚登録 : 539
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314415

作品紹介・あらすじ

肌の震えるような幻想・怪奇の魅力を余す所なくお届けする、伴名練が選ぶ珠玉の傑作選。凄まじい熱量で[恋愛篇]と2冊同時刊行!

感想・レビュー・書評

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  • 隠れた名作に光を当てる好企画。編者の取り組みに脱帽。

  • 2020年7月ハヤカワJA文庫刊。伴名練さんが編んだ11篇の怪奇SFアンソロジー。恋愛編も良かったが、こちらも良かった。よくぞ、こんなにも凄い作品ばかりを集めたものだとただただ感心しました。
    光文社文庫蒐集家異形コレクション中島らも:DECO-CHIN、小説CLUB1996年10月号山本弘:怪奇フラクタル男、廣済堂文庫ホシ計画(1999年1月刊)田中哲弥:大阪ヌル計画、ジャストシステムSFバカ本たいやき編(1997年11月刊)岡崎弘明:ぎゅうぎゅう、新潮社yomyom vol.40(2016年4月刊)中田永一:地球に磔にされた男、宇宙塵第46号(1961年7月刊)光波耀子:黄金珊瑚、講談社文庫血の12幻想(2002年4月刊)津原泰水:ちまみれ家族、奇想天外1980年9月号中原涼:笑う宇宙、KSS ENTERTAINMENT NOVELS宇宙(そら)への帰還―SFアンソロジー (1999年4月刊)森岡浩之:A Boy Meets A Girl、光文社異形コレクション進化論(2006年8月刊)谷口裕貴:貂の女伯爵,万年城を攻略す、ハルキ文庫人喰い病(2000年10月刊)石黒達昌:雪女

  • 2020-08-27 「日本SFの臨界点[怪奇篇] 」読了

    あ、恋愛篇のほうが先だったのか。って本編にはなんの影響もないけど。後書き読んで気がついた。

  • 伴名練編『日本SFの臨界点 怪奇篇』読了。今世紀のSFアンソロはそれなりに読んだつりもだけどこんなにも刺さるものはかつてなかった。本編の面白さもさることながら編者の著者紹介や編集後記を読むにつけてあれもこれも読みたいという欲求が膨れ上がっていく。とりあえず恋愛篇をすぐ読まねば

  • “怪奇篇”というほどにガチなSFホラーではなく、むしろ幻想、ファンタジー色の濃いSF作品が多いような印象。
    ・雑誌編集者が取材中に偶然目撃した異形のバンドとパフォーマンスに魂を奪われる「DECO-CHIN」は、中島らもの遺作にして文字通りの怪作。
    ・身体のフラクタル現象に襲われた男の運命「怪奇フラクタル男」(山本弘)、
    ・人口過密状態の大阪で人同士の衝突を避ける為用いられた妙案が、意外な計画に「大阪ヌル計画」(田中哲弥)、
    ・密集状態で座ることすらままならない世界「ぎゅうぎゅう」(岡崎弘明)、
    ・亡父の友人が遺した時間跳躍機構。作動させた行先は過去でも未来でもなく……。時間テーマSFと思わせて別テーマだった「地球に磔にされた男」(中田永一)、
    ・高校の理科実験室に出現した金色の珊瑚が徐々に人間を支配していく「黄金珊瑚」(光波燿子)はどストレートな侵略SF。
    ・やたら流血しまくる特異体質を持った家族の血まみれの特異な“日常”「ちまみれ家族」(津原泰水)、
    ・宇宙船内と思しき閉鎖環境で疑似家族が繰り広げるディスカッション。狂っているのは誰で何が真実なのか……「笑う宇宙」(中原涼)。
    ・生涯の伴侶を求め恒星間飛行する宇宙生命体の“少年”と、惑星に棲む“少女”の邂逅「A Boy Meets A Girl」(森岡浩之)はファンタジーのように見せて未来テーマ?の正調SF。
    ・知能を持った獣人が支配し、人間が奴隷の身分に堕した世界「貂の女伯爵、万年城を攻略す」、
    ・昭和初期、体質的低体温症の女性の治療に従事した医師の記録……という体で、民話や怪談の存在である“雪女”を医学的に解析を試みた文字通りのSF「雪女」(石黒達昌)など全11篇。
    さらに日本SF史をざっと通覧するような、編者による力の籠った「編集後記」も読み応え有り。

  • めちゃくちゃおもしろい。解説もあつい。

  • ホントSF好きなんだろうなぁ、判名さん。
    この解説の熱さはすごい!
    ある意味、本編より目立つ!
    その更に上をいくDECO-CHINのインパクトはエグい!

  • たぶんほぼ全て未読。
    印象に残ったのは
    『ぎゅうぎゅう』
    『黄金珊瑚』
    『A Boy Meets A Girl』
    『雪女』

  • 収録作もそうだが、伴名練氏による圧倒的な情報量と情熱のこもった各話解説がなにより読ませるという希有のアンソロジー。収録作ではまるでウルトラマンの一エピソードのような「黄金珊瑚」(潜入するふたりはアラシとイデ隊員だなあ)とか、本文より執筆動機や書かれなかった続編「VS火星人」のほうが笑える表題作なんかが印象的。

  • 良き。なかなか自分では出会えない作家の作品をさまざま出会わさてもらえた。やはりSFは短編が好きだ。

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