リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 早川書房 (2014年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150504021
感想・レビュー・書評
-
人物の多さと専門用語の多さで、かなり流し読みしてしまった
史実を知っていれば雰囲気は掴めるものの、会議の内容や、どれだけ重大な決断をしているのかは理解できていない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
様々な制約の中、どうにかして自社を、実体経済を生き延びさせようとする人々が生々しく描かれている。
刻々と悪化する状況に対して、一つ手を誤っただけで取り返しのつかない事態になる、少し前には見劣りして受け容れ難かったオプションすら気がついた時には取れなくなる、など
状況の変化が目まぐるしくドラマとして面白かった。
実体経済との結びつきや、資金の流動性を高めるというその役割は理解できる一方で、
扱っている金額に対して定率でフィーを抜くことを正当化できるほどの価値を金融機関が創出しているのか
という点に関しては理解できなかった。
登場人物達は皆災難にあったような自己認識を持っているかのように描かれているが、
あくまで彼らが彼らの利益のために作り出した金融システムが引き起こした災害であり、被害者にはなり得ないと思ってしまった。 -
Too Big To Fail
リーマンショックの最中は学生ということで、さわりしか知らなかったけど、勉強になった。三菱の小切手のくだりには痺れた。
この本に出てくるCEOの中に未だ現役がいるというのもなかなか感慨深い。 -
一般人には知り得ない舞台裏が丹念に描かれていておもしろい。あの頃のジェットコースター相場が思い出されます。
-
原書名:TOO BIG TO FAIL
第13章 誰がリーマンを救うのか?(承前)
第14章 全CEO招集
第15章 リーマンの最期
第16章 AIG倒れる
第17章 モルガン・スタンレー絶体絶命
第18章 三菱UFJからの電話
第19章 揺らぐゴールドマン・サックス
第20章 ワシントンDCへの最終招集
著者:アンドリュー・ロス・ソーキン(Sorkin, Andrew Ross、ジャーナリスト)
訳者:加賀山卓朗(1962-、愛媛県) -
上巻ご参照ください。
-
リーマン・ブラザース、AIG、モルガン・スタンレー、そしてゴールドマン・サックスと立て続けに押し寄せる危機の波の中で、なんとか時間を稼いで、資金調達や担保を探して...と金融危機の中で必死にもがく様が伝わって来る。上巻は今一つだったが、下巻がスピード感もあって面白い。
-
「よくここ迄詳細に人物の発言や会議内の様子を含めて調べきれたな」というのが素直な感想。
話は、ベアスタンズ合併後のリーマンが破綻に向かう一部始終、その後市場は更に下がり続け、モルガンスタンレー、ゴールドマン・サックスにまで経営危機が及んでいく。
まさにリーマン・ショックの裏側。当時の実在のトップ投資銀行のCEOたちや財務省連銀の役員たちが史上最大の金融危機に対し、どのような行動を取っていなのかが詳細に記してあり、読み応えがあった。
金融危機のさなかのせいか、投資銀行が自社の保有資産価値を全然把握できていないのは何とも間抜けであり、適切な対策を施したとしも、市場は違う反応を示せば結局は危機を脱しないのはなんとも無力だなってという感じがした。また、困ったときはバフェットに支援を頼むことが多いのでやはり信頼が厚いんだなと思った。
また、モルガン・スタンレーと三菱からの支援を受ける話が出た時に、ポールソンが「日本の銀行は行動が遅く、何も決めれられない。よってその話は信用出来ない」と却下されたのが、まあ一般的な日本の企業に対する印象なのかなと何とも悲しくなった。
登場人物が多く、全部英語名なので混乱しそうになるが、親切にも巻末に人物表が載っているので、助けになる。 -
リーマン、AIG破綻に至るには多くの利害関係者の欲望、保身、プライド、合理的な判断とそうではないもの等が様々絡み合っていることが良く描かれている。血なまぐさいに人間ドラマの帰結。