- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150700089
感想・レビュー・書評
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【DATA】
“殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以前から始まっている。ときには何年も前から。すべてが集約されるある点、クライマックスにいたるその時がゼロ時間なのだ”
残暑長引く9月―。老齢の未亡人カミラ・トレシリアン邸に、彼らが居合わせていたという事実。
カミラ夫人が我が子の様に手をかけ育てあげた万能スポーツマンのネヴィル・ストレンジ。彼の現在の妻ケイと、前妻であるオードリィ。ケイの友人で容姿端麗な伊達男テッド・ラティマー。オードリィの遠い従兄でマレー帰りのトーマス・ロイド。長年カミラ夫人の身の回りの世話をして暮らすメリィ・アルディンは、ネヴィルの遠い従妹にあたる。
そして、物語は徐々に動きを見せはじめる。ゼロ時間へ向かって―。
【感想】
アガサ・クリスティ作品にハマったのは・・・中学生ぐらいの頃だったかな~。とにかく、おそらくは20年近く時を経ての再読でした。
いや~今読んでもミステリーとして全然古臭い感じがしないって、凄いなぁ。もちろん時代背景を感じる節はあるし、登場人物たちの生活描写なんてのは別としての話だけど。なんだろうな~、ストーリーの紡ぎ方、切り口、心理描写の見せ方なんかが、現代ミステリーのトレンドに近いのかな?
そしてまた、まんまとダマされるのですこれが。
読み終えてみれば、なるほど~!と言わざるを得ないもんな。言ってしまえばタイトルからして伏線か!みたいな。
いや、大丈夫、これだけ書いてしまっても全然ヒントにはなって無いと思う(笑)
さぁどうぞ、レビュー冒頭に引用した“法曹界の切れ者”トリーヴス老弁護士の言葉をしっかり頭に焼きつけて、物語を読み進めてみて下さい。
トリックよりもむしろ、物語性で読ませるタイプのミステリー好きにおすすめの1冊!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに読んだ。田村隆一さんの翻訳は読みやすい。
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#赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 041
映画やにドラマにもなった有名な作品。マープル主演でリメイクされたドラマのビジュアルは綺麗だったが、「ゼロ時間」という意味深長なモチーフには、オリジナル小説のバトル警視のほうが似合う気がする。小説内では、ポアロもフィクション内フィクション人物として登場するので、都合3名のボスキャラが関与している作品なのは興味深い。クリスティの書くヒロイン像は、利発活発容姿端麗というケースが多いが、本作のヒロイン2名はそうではない。ひとりは美人だけど粗野、もうひとりは奥床しいけど地味、というコントラストを醸し出している。 -
これも母の本棚から失敬して。
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結構楽しかったです。まさか犯人があの人だとは思いませんでした・・・
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2008.10.26