ウィチャリー家の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-1)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150705015

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  • 歪んだ愛情が織成す悲劇、いや正直な気持ちを押し殺したゆえの反動と云った方が正解か。

    現象はあまりにも単純。2人の男と1人の女の死。犯人はしかも1人。
    しかし、その1人を炙り出すための炎は関係者各々の魂を苦く焦がし、また探偵自身も自らを焦がす。
    だが、あくまで彼は傍観者の立場を貫く。だから慮る事もせず、また望むのであれば自害の手助けをもする。

    現時点では三ツ星だが、我が胸に徐々に立ち上る感慨は治まりそうにない。

  • この時代のハードボイルドは無駄な打ち合いもなし。
    アーチャーのシニカルながら割と紳士的な態度も好感が持てる

  • 傑作.私立探偵アーチャーが,富豪からの依頼を受けて,その娘の失踪を探る.現在起こり続ける犯罪と過去に起こったできごとが複雑に絡みながら話は進んでいく.よく計算された結末であり,少しの光も見える.

  • 面白かった。
    主人公のキャラがいまいちというか、地味な気がした。

  • ハードボイルドなのに、プロットが錯綜。最後にどんでん返しもあり。

  • 『さむけ』以来、久々にロス・マクドナルドを読みました。

    相変わらず、人物描写がすばらしいです。
    今回のモチーフは歪んでいるけど一途な愛、狂気と錯乱、自責の念、そしてすり替わりといったところでしょうか。

    幼いころから数多くの推理小説を読んできましたが、最後の最後の展開は初めてです。
    ちょっと後味が悪い気もしますが、これもありかな、という気もします(具体的に何が起こったのか書いていないので、さっぱりわからないですよね(笑))

    いちおう、お勧め☆×5ということにしておきます!

  • 83039.355

    前半単調だがよく出来た小説。

  • 死んだと思われていた人が実は生きているというプロットはよくあるのでそれは予想がつくけれども、かなり緻密で複層的な、ちょっと無理があるんじゃないかと思われるようなプロットの複雑さはすごい。もちろん僕なんかは一読しただけでは最初の方の伏線を回収しきれない。
    無理がある、と書いたのは、数人の人物の思惑によってはからずも一人の登場人物が大きな悲劇に見舞われる、という点で。
    リュウ・アーチャーの乾いたユーモアと、彼の態度も、ハメットやチャンドラーのハードボイルド探偵小説とはまた少し違った意味で、良かった。

  • 恥ずかしながら、初めてのロスマク。“アメリカの悲劇”を描いたという先入観があったせいだろう。ミステリ的仕掛けの多さに驚いた。ハードボイルドに何を求めるかによって、評価が大きく分かれる作品では。予断だが、本作を読んでいてコリン・デクスターの某作を何度も思い出した。

  • ロス・マクドナルドの作品としてはそこまで複雑なプロットではなく、読みやすい作品。
    大富豪ウィチャリーに娘フィービの行方探しを依頼されたアーチャーに見えてくるのは、ウィチャリー家の闇の部分であった。
    相変わらず執拗に聞き手となるアーチャの真骨頂といったところです。
    長年愛していた女性を殺してしまう男の身勝手さが哀しい作品でした。

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