決着 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-33 競馬シリーズ)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150707330

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  • ディック・フランシス、2冊目。
    取り敢えずいつも行く中古本屋の棚にあったものを買ってきた。
    こちら1993年発行のシリーズ32作目、主人公はこれもまたシッド・ハレーではなく、建築家のリー・モリス。

    老朽化した競馬場の売却を巡って経営者の男爵家一族の諍いに図らずも足を踏み入れてしまったモリス。
    不労所得への期待とある種の虚栄心をもって臨んだ株主総会が紛糾し、やがて競馬場が爆破される。
    一筋縄ではいかない一族相手に立ち回るも、怪しげな動物愛護団体の存在、同窓の先輩建築家の過去、乾濠障害への放火と次々火の粉が振りかかる…。
    今回も不屈の主人公は爆破で怪我を負っても入院することはなく、傷口が回復しない間に踏みつけられても逃げだすことはない。
    並行して描かれる爆破されたスタンドを競馬開催に向け応急に修復していく様がなかなか楽しく(巻末の山本一生氏の文章がそれに深みを加えてGOOD)、主人公の5人の息子たちが良い味付けで物語に適度なユーモアと安らぎを加えて良い感じ。
    それらを片づけた先にあった一族だけに封印された数々の秘密にも興趣が尽きず。

    途中までは順調に読み進めていたのだが、ちょっと体調を崩してしまい、時間はあるのに本を読む気になれず再開するのに1週間ほど間が空いてしまった。
    という訳で、今年読了出来た本はこれが最後になりそう。今年はいつもの年より冊数が進んだが、コロナで巣ごもりだったのが影響したかな。
    しかし、とんでもないご時世になったものだ。来月末にはお世話になっている中古本屋さんまで閉店することになって、買うのも売るのもとても困ったことになりそう。

  • ロクデナシの貴族。誠実で信頼できる人脈をもつ主人公。緻密な設定。何度か訪れる危機と、なかなか想像どおりとはいかないラスト。いつもながら上質な小説だと思います。

  • 競馬シリーズ32作目。

    絶対的なハッピーエンド好きとしては、
    登場人物たちの恋愛や結婚生活がうまく行ってほしいと常に願いながら、
    読み進んでいる。

    だが、この著者の場合、事件は解決したとしても、
    ハッピーエンドになるとは限らない。
    それどころか、尻切れトンボな「エンド」になってしまうことすらある。
    それがエンターテイメントではなく芸術なのだと言われればその通りなのだが。
    そんな消化不良を起こしながらも、
    このシリーズを読んでしまうのは作品が面白いからなのだと思う。

    という訳で今回の主人公の恋愛は上手く行かないものの、
    結婚生活はかろうじて平和的結末になったのが判って良かった。

    その主人公モリスは適切なあばら家を見つけ、
    その家に住みながら、必要な許可をとり、
    大工や左官の仕事を一人でやりとげて売ると言う建築家。
    その建築家としての教育を受けられたのは、
    母の元夫の父である男爵が費用を負担してくれたから。
    競馬場を経営していた男爵が亡くなり、
    その経営のゴタゴタに力を貸すことになる。

    男爵の孫の一人が、禿げかかっていることを気にしていて、
    可笑しかった。

  • 2019/12/25読了。主人公は、建築家のリー.モーリス。

  • リー・モリス
    建築家

    息子
    クリストファ(14歳)
    トビイ(12歳)
    エドワード(10歳)
    アラン(9歳)
    ニール(7歳)
    ジェイミイ(0歳)

  • 建築家のモリスのもとに、男爵家の遺産の管財人が訪れてくる。
    男爵家所有の競馬場の再生のために力を貸して欲しいというのだ。
    モリスの母がかって男爵と結婚していたのだが、モリス自身は次の結婚の子で血のつながりはない。
    古い建築を改築しては売るというユニークな仕事なので、そのへんも面白い。
    いやみな一族の面々も個性的。

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