警官嫌い (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-1)

  • 早川書房
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150707514

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れた87分署シリーズの、記念すべき第一作。「この小説に現れる都会は架空のものである。ただし警察活動は実際の捜査方法に基づいている」という有名な扉書きも、マクベイン節などと言われる独特の美文調も、いや、そもそも警察小説というジャンル自体が全てはここから始まったのだ。捜査するマシンでしかなかったミステリーの刑事たちは、マクベインの登場で初めて血の通った人間になったのである。とにかく読み始めると、いつの間にか刑事たちのキャラクターに引き込まれ、気が付けばキャレラたちと一緒になって喜んだり、悲しんだりしている自分に気付く事になるのだ。
    87分署シリーズには刑事ものの全ての要素が詰まっている。「太陽に吠えろ」も「相棒」も、この作品が無ければ生まれなかったのだ。

  • 87分署シリーズ。出勤中に87分署の刑事リアダンが45口径の拳銃で殺害された。同署の刑事であるキャレラとブッシュは市警本部より遅く出勤するが同署の刑事だとわかり、早速捜査を開始する。しかし、犯人の手がかりがないまま、次の刑事が殺害される――。
     わかりやすいストーリーだった。犯人がとかではなく、物語の流れがシンプルでわかりやすく、読みやすい作品です。本作品は推理小説ではなく、警察小説なので推理小説のような凝ったギミックはないですし派手さもありません。ただただ地味な作品ですが、飽きさせない文体で内容も入ってきやすく楽しんで読むことができました。
     ただそれだけ派手さがないので、少々地味で物語について語るとなるとちょっと難しいかな。
     他のかたのレビューをみたら、描写が巧みだとも書いてあって、ああ確かにそうだな、と思ったり。私はそういうのがどうなのかがいまいちわからないのですが……。
     これが警察の捜査なんだなと思いつつ、物語に浸ることができたので、楽しい時間が過ごせた作品でした。

  • 故あって30数年ぶりに再読(もしかすると再再読?)した。警察小説の金字塔である「87分署シリーズ」の第1作だ。改めて調べると第30作『血の絆』までは読み続けていた。期待が大きかったせいか、評価は辛口だが、探偵小説へのアンチテーゼとして、また、警察小説の原点としての堂々たる作品であることには間違いない。

  • 読み進めたいシリーズです。
    新刊は無理なので、古本で探してますが、順番には読めなさそうで・・・。

  • マクベイン『87分署シリーズ』の第一作目を飾る『警官嫌い』。本書が、警察小説のはしりとも言える作品のようです。

    巻頭の注釈…『この小説に現れる都会は架空のものである。登場人物も場所もすべて虚構である。』といったものは、よく目にするものですが。

    ---ただし警察活動は実際の捜査方法に基づいている。

    この一文には、なかなかお目にかかれないでしょう。
    舞台となる87分署管轄の街や行き交う人々は勿論のこと、登場する警官たちの『バッジを外した』後の生活ぶりまで。読み始めて間もなく、精巧な描写と美しい筆致に、魅了されました。

    必要以上の情景描写を取り入れる小説には飽き飽きすることが多々あるのですが、マクベインの腕にかかれば、それら全てが美しい調和を保っているのです。

    警官三人を射殺した犯人はだれか…?

    物語の焦点が定まるにつれて高まる緊張感は、まるでスリリングな映画のワンシーンを観ているようです。

    疑いようもない名作と言えるのではないでしょうか。

  • 不死身のヒーローではない
    コツコツと

  • 人気シリーズ87分署もの第1作。今まで何故か手つかずだったけれど、評判違わず、やっぱり面白い。さすが黒澤がシリーズ中の『キングの身代金』を原作に『天国と地獄』を撮っただけある。日本だけでもドラマ化・映画化が多いが、その大半は筋立てを活かして設定は日本に変えたもの。先の黒澤作品も然り。要はそれだけ、物語と人物造形の骨組みが磐石で普遍的ということだろう。全56作品。月に2~3冊クリアしても2年がかりだけれど、この第一級のページターナーにかかってはそれも待ち切れなく感じるかもしれない。次の古書探しリストに第2作『通り魔』追加~♪

  • 82022.253

    いまいち盛りあがりが足りないのが残念。町や人間の描写などはいい。

  • 半世紀にわたり、作者が死去するまで書かれた87分署シリーズ。本作は、その第一作。警察小説の秀作。捜査活動が描かれるのは無論当然なのだけれど、そこに刑事たちの私生活をくわえることによって、登場人物たちに、ひとりの人間としての魅力、深みが出る。一作目である『警官嫌い』も十二分に面白かったのだが、どうやら二作目の『通り魔』のほうがより優れた作品であるらしい。そちらも是非読んでみたいところだ。

  • 1956年発表
    原題:Cop Hater

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