- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150756512
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
私立探偵<スペンサー・シリーズ>初読み。シリーズ三作目にあたる作品だが、今作が初邦訳。ハードボイルド御三家の作品は数冊読んだが、所謂<ネオ・ハードボイルド>世代の作家は馴染みがなかったので、二人のガールフレンド(二股?)に仕事内容を明け透けに語るスペンサーのキャラクターはある意味で新鮮だった。探偵の職務範囲を逸脱する終盤の行動には流石に面食らうが、解説の通り、このシリーズが<ヒーロー小説>にカテゴライズされるのなら、過剰に偏執的な自尊心こそが彼の行動原理だと納得せざるを得ない。続きを追うべきか目下思案中。
-
スペンサーシリーズ第3作。最初の2作に比べると、サクサク読めた感じがせず、後半、暴力シーンが目につく。探偵小説というより、冒険またはヒーローもののようだ、という、あとがき解説にうなづく。
-
再読。スペンサーが若い。コーヒー、ドーナツ、マフィンといった食事の描写も好き。ずいぶん前になりますが初見のときこのシリーズで「エッグベネディクト」の存在を知り作ってみたことがあります。軽口を叩きながらも自身を鍛え、自尊心に従って仕事をする。料理もできてお洒落。若い女性は振り返って彼を見なくても魅力は充分。このころはまだスーザン以外ともデートしていてすこしびっくり。「俺はこういう事で、二度と口をつぐむような事はしない」@クワーク。お察しいたします。
-
ハヤカワ以外の出版社から単行本が出ていて、ハヤカワ・ミステリ文庫から復刊したのではなかったか。かなり初期の作品だったハズ。
-
「私立探偵を主人公にした小説が最後の騎士道物語である」という解説の一文が、この作品の有り様の大部分を語っており、また納得もできる。過去のスペンサーものより暴力が前面に押し出されていたり、恋人のスーザンへ執着したりとターニングポイントにある作品らしい(「らしい」というのは、スペンサーシリーズ初見のためほとんど受け売りということです)。
以下気に入ったフレーズなり何なり。
22章・水族館の描写。「小さな子供が窓から覗き込むために私の前へ割り込んできた。見ると、ベルトが長すぎて体を一回り半し、余った部分が背中でベルトに押し込んである」(199)。
「犬がいれば散歩に連れて行ける。犬を連れたつもりで散歩すればいい」(254-5)。 -
ゴットウルフとレイチェルウォレスを読んだが、この失投が1番楽しめた。レッドソックスのエースの八百長について調査するスペンサーが、過去に苦しむエースと妻のために奮闘する。事件に絡む謎は早々に簡単に分かるのだが、スペンサーはさらに一歩事件に踏み込み、自らの手を汚してまでエース夫婦を助ける。そして自分の行動について悶々としてスーザンに慰められたりする。謎を解くだけの探偵という立場を逸脱していて面白かった。
-
饒舌な探偵、スペンサー。
18くらいの頃にはじめて出会い、かなりの影響を受けた人です。
こんな大人カッコいいなぁと思ってた。
いつの間にか、スペンサーより年上になってしまってた。
うん。
ソコソコいい感じの大人になってるんじゃないかな。 -
チーム内にいる野球賭博に関わっている選手をあぶり出すという仕事を得た私立探偵・スペンサー。作家としてチームに潜り込んだ……。
軽妙な調子のスペンサー、飲食の詳細が手が込んでいるのも面白かった。この「失投」がスペンサー・シリーズのどの辺に位置するのかが気になるところ。これが平均点だとしたら、もっと読んでみたいし、最高傑作ならこれ以上読む必要はないか。訳がもうちょっと野球に詳しい人ならより良かったかも。久々に一気読みさせてもらいました。