死者のあやまち (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 27)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300271

感想・レビュー・書評

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  • またもやBSドラマで結末知ってるのを読む。はじまりからオリヴァ夫人らしさ全開。夫人の予感に巻き込まれたポアロ。パーティーで起きた殺人と失踪の謎。解説にもあるように横溝正史っぽい。ポアロの人生観が聞き込み時に垣間見れて面白かった。

  • ポアロシリーズ、残りは7冊。今回、ポアロは推理小説作家・オリヴァ夫人からナス屋敷へと誘われる。殺人事件の犯人捜しのイベントを計画したオリヴァ夫人だったが、殺人事件の被害者役をしていた少女・マーリンが、本当に殺されてしまう。しかも、ナス屋敷の新しい主人の妻・ハティも同時に行方不明。何が起こっているんだ!分からん!さらに1人が不慮の事故死。うー分からん!そして出てくる怪しい義兄に、亀のアロハシャツ!いつもあり得ない人が犯人なのだが、今回もクリスティーの術中に嵌まる。泥沼で藻掻く約400ページ。いかん、いかん⑤

    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、ポアロシリーズ完読まで、カウントダウンに入ったのですね。
      すごーーい!(๑°ㅁ°๑)
      ポプラ並木さん、ポアロシリーズ完読まで、カウントダウンに入ったのですね。
      すごーーい!(๑°ㅁ°๑)
      2023/03/17
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、おはよう!そうなんです!月一の感想会もいよいよ佳境です。さらにアガサ・クリスティ、別シリーズも読む予定です。面白いですよね
      なおなおさん、おはよう!そうなんです!月一の感想会もいよいよ佳境です。さらにアガサ・クリスティ、別シリーズも読む予定です。面白いですよね
      2023/03/18
  • あのオリヴァ夫人も出てくる!
    というか、オリヴァ夫人にポワロが
    巻き込まれる形で物語が始まります。
    オリヴァ夫人は本当に良いキャラをしている。

    殺人ゲームを開催中、
    本当に殺人事件が起きてしまうという
    現代でもありそうなシチュエーションを
    1956年に既に執筆していたのだから
    驚きです。さすがクリスティ。

    何故少女は殺されてしまったのか。
    誰に殺されてしまったのか。
    そして主催者の夫人はどこへ消えたのか。
    様々な謎をポワロが解決していきます。

    大胆だけど緻密な伏線が張られていて
    飽きずに読めました。

    まさかハティが偽物だとは思わなかったな。
    当てられませんでした。
    というか、当てられたことないな…。

  • 何回同じ手に引っ掛かるんだ私は!と悔しがるのすら楽しい。
    それこそがクリスティ作品を読み続けている理由でもあるので。
    こんな風にいつまでも驚かされていたいなあ。
    今回はゲームの死体役である少女が、本当に死体となって発見されてしまう。
    そんな中、主催者の妻・ハティも忽然と姿を消してしまう。
    いったい彼女はどこへ消えたのか。

  • 残忍で薄情、良心のない息子を、それでも自分の子供だと愛する母。
    ラストシーンのフォリアット夫人の台詞が、もうやるせなくて切なくて、読了した後しばらく浸ってしまいました。
    全ての謎が解けてから、もう一度作中のフォリアット夫人の言動を振り返り、全て分かっていた彼女は今までどんな気持ちで生きてきたのだろうかと、息が詰まりそうになりました。

    もの悲しい雰囲気の作品だからこそ、シリーズ中でもインパクトの強いオリヴァ夫人の存在のありがたさが、際立っていたように思います。
    なんだか好きです、オリヴァ夫人。不思議と好感が持てるのは、彼女の持つ生命力の強さ故かもしれません。

  • ナス屋敷で屋外パーティが開かれ、余興に殺人犯探しゲームが行われる。筋立ては小説家のオリヴァ。ポアロは賞金渡し役にと呼び寄せられる。ところが犯人役の少女が本当に殺されてしまう。そしてナス屋敷の主人の妻、ボート小屋の老人までも殺される。

    書かれたのは1956年で、お屋敷が売られてユースホステルになっている、とか、ユースホステルの客が皆外国人で北欧とかイタリアとかでしかもショートパンツ姿、などという当時の状況が興味深い。そして古くからあるナス屋敷の女主人は息子二人が戦死して相続税で家を失ったが、新しく買った人の好意で庭さきの番小屋に住んでいる、という設定。戦後の社会の変化を取り込んだ作品。

    これはドラマの記憶がわりと残っていて、読んでいてもそのパーティの情景とか、ヒッチハイクの少女とかボート小屋とか、占い小屋、なによりオリヴァの衣装が頭の隅にあった。が、犯人はまったく覚えていなかった。実は○○は△だった、ということがあったようだったかな、とおぼろげな印象はあったのだが。

  • アガサ・クリスティー。ポアロシリーズ。知り合いの作家に推理ゲームに招待されたポアロ、良からぬ予感がするという作家に協力するが、死体役の少女が本物の死体となって現れる。事件を防げず、犯人もわからないポアロがじれている姿に老いを感じる。最終的には真相をあばくがその過程は唐突で雑に感じた。

  • 犯人はわからなかったけど、ハティが偽物だからド・スーザから逃げたってのは当てた!
    よく読めばいろいろヒントがあって、何度もページを戻りながら読みました。クリスティーはこういうことすごく、ありますね。

  • ポアロ
    オリヴァ夫人が出るシリーズ。
    毎回そうと言えばそうだが、途中までさっぱりわからず、最後怒涛の展開でエーッっていう犯人だった。ちょっともう一回読んでみようと思う。
    ひとまず印象に残ったフレーズのメモ。
    「わたしも英国人のように、ロマンチックな方ではないのです。良縁を得るためには、ロマンスよりも分別というものが肝心です」(p82)結婚していないポアロの台詞なのが面白い。
    「あのひとはね、パンのどちら側にたっぷりバターがついているか、いつもよく知っているような女ですよ」(p209)どういう人なのかよくわかる悪口でよし。

  • 真相はなかなか大胆ですし、細やかな伏線、ある人物の証言がダブル・ミーニングになっているところなどクリスティの巧さが光ります。
    ただ、犯人と対峙し徐々に追い詰めていくというポアロの見せ場がない、全てを知っている人物が最後どうなったのか分からないなどカタルシスを感じられない展開がいまいちな印象を与えています。

  • 腐臭の漂う佳作です。

    『葬儀を終えて』で大英帝国の弔辞を読み、
    『ヒッコリー・ロードの殺人』で若者を描いて
    無残にも失敗したアガサ・クリスティー。
    本作で彼女の現実嫌悪は最高潮に達する。

    話の展開そのものは軽やかでスピーディー、
    謎解きもこの時期(1956年)はまだしっかりしています。
    (特に冒頭の大胆な複線には驚かされる)
    章の終りごとに意味ありげな一言をつぶやかせ、
    読者の気を引くテクニックはさすがの貫禄。

    けれどそこに流れる空気の重苦しさといったら!
    明らかにクリスティ-好みの老婦人が
    「ほんとに腐りきった世の中ですわ……」とつぶやき、
    現在どころか過去まで怪しくなる。
    「昔はよかった」さえ通用しなくなり、
    老人は内堀を埋められてゆく。

    そんな陰鬱な雰囲気を救うのが
    三度目の登場、アリアドニ・オリヴァ夫人。
    今回はポアロを現場まで呼びつけて大活躍します。

    彼女が考えた謎解きゲームにただ一人正解した
    「なんだかものすごくねばるお婆さん」
    もしかしたらミス・マープルだったりして!?

    ポアロが同時代と接点を持つのはこれが最後。
    『鳩の中の猫』以後はファンタジーに傾斜する。
    老いとの闘いは、そう、ミス・マープルに一任され、
    『鏡は横にひび割れて』『バートラム・ホテルにて』では
    あのすばらしい……いや、これはまた別の話。

    旧版は解説なし。
    解説があったりなかったりする不公平感に
    くじ引きのような面白さを感じないでもないけど、
    やっぱりちょっと残念ですね。

    新版は横井司さん。
    二代目ワトスン役オリヴァ夫人、
    あらすじ、
    ピーター・ユスチノフ主演のテレビ映画、
    別の作品との関係。
    解説の役割をきちんと果たしている。
    新版の勝ちです。

  • ブックオフ。少し読みづらいが、筋には直接関係ないポアロのセリフ回しがよい。ジグソーやりたくなってきた。

  • 事件も起きてないうちから違和感だけでポアロを呼びつけ来させるとはどれほどの人なのか、オリヴァ夫人。そして事件が起こるのはようやく1/3を過ぎた頃。しかし今作では謎解きのヒントとなる登場人物の言動などがポアロの思考過程とともに回想され、割と読者に対して丁寧だったかも。まあでもよくよく注意して(疑って)読まないと見逃してしまうのだけど、それくらい集中して読めよ、てことか。

  • 最後のオチが、なかなか爽快でした。

  • 地方の屋敷で恒例の祭りが行われることになり、
    余興のひとつとして、推理作家のオリヴァ夫人が
    殺人ゲームの筋書きを考えることになった。
    屋敷の住人たちの雰囲気に何かを感じた
    オリヴァ夫人は、犯罪が行われることを防ぐため、
    旧友のポアロを呼び寄せた。
    しかし、祭りの最中に、被害者役の少女が
    ゲームの殺人現場となっていたボート倉庫で
    実際に殺されていた。
    捜査を進めるポアロだが、やがて、屋敷の主人の妻も
    行方が分からなくなっていることも判明し・・・。
    といった流れのミステリー。

    お祭りで行われるゲームに出演する少女が殺される
    という点では『ハロウィン・パーティー』に似た
    趣向の作品ですが、怪奇幻想風味をまぶしてあった
    後年の『ハロウィン・パーティー』に比べると、
    明るくストレートな作品になっていると思います。

    謎解きとしては、ちゃんと手掛かりが置かれてはいるのですが、
    結局
    「終盤で突然(偶然)判明する、
     『実はこの人はこの人の係累でした』」
    が大きいのと、
    ポアロがある人物に感じた「何かを隠している」という感じは、
    「結局その人物が犯人だった」
    という点が気になりました。

    ところで、
    登場人物に「原子力科学者」が居たり、
    「アロハシャツにショートパンツの外国人ハイカー」が居たり、
    「元脱走兵」が居たりなど、
    第二次大戦前であった初期作品とは異なり、
    本作が執筆された1950年台半ばの雰囲気を感じさせます。

  •  被害者に、殺される理由がまったく見当たらず、警察の捜査も、ポアロの推理も一向に進展しない、ていうのは、結構珍しい展開??
     ポアロ自身も、何が何だか??? て感じになってるのが、何か珍しい感じがした。

     最後まで読んでみて、いろいろと作り込まれている作品だと実感した。


  • 中編のポアロとグリーンショアの阿房宮 の後、再読。
    骨子は中編と大差はないが、物語の流れや結論に行き着くまでの経緯は、本編の方が面白かった。

  • 平成最後の正月に読了。

    ポアロににいつもの”冴え”が無いように感じ、冒頭のオリヴァ夫人の登場や事件が起こる前のワクワク感?を過ぎたあたりから正直面白く感じられなかった。

    ただ!残り10パーセント位で、、怒涛のようにバラバラに見えた伏線が活き始め、形を成し、パズルがガチッとハマって1つの画が現れるのは凄いとしか言いようが無い。
    それまで警察とほぼ並行してた(ように見えた)ポアロが一気に解決に向かって動く様は見事!
    素晴らしかった。

    今回の主役とも言えるフォリアット夫人の苦悩に心が痛んだ。
    毎回思うけど、アガサクリスティーは事件を描いてるというより、人の内面を描いているのだと思う。ポアロが、彼女の分身と言われるオリヴァ夫人のことを、人の性格を一目で正確に言い当てることができる、と評しているのも面白い。

    しかし、阿房宮という意味も初めて知ったし、過ち、という英語との二重の意味合いも言われないと気付けないのは言語が違う限界か、、

  • ポワロシリーズ。ミステリー作家オリヴァー夫人のお願いで行った先での殺人事件。オリヴァー夫人のシナリオどおりお祭りが繰り広げられている間に、本当の殺人事件が起きる。複雑なストーリーである。ゆっくり時間をかけて読んだら★5だったかもしれない。

  • 最初、マダムのお気楽探偵物?!と思いきや、さにあらず。
    1/3を過ぎたあたりからシリアス度が増していき、ラストは哀愁すらも。。。

    読了してから冒頭を読み返すと、ムムそこから振ってきますかーと思わず唸る。

  • 田舎屋敷の園遊会で、おなじみの女性作家オリヴァが企画した犯人探しゲームで実際に起きる殺人事件。冒頭の事件のエピソードから興味深く、いかにも怪しげな人物配置、捜査の課程で判明していく様々な謎や人物間の心理的な関係など、とても引き込まれる内容の作品。
    ポアロが事件を防止することができず、真相もなかなか見通せずに、ジグソーパズルに興じながら、焦燥に駆られる場面が印象的だ。
    複雑でひねりのある真相。オリヴァの企画した犯人探しゲームの中に真相が暗示されているのが何とも面白い。数々の「なぜ?」に答える真相だが、素直には納得しがたい。真相説明で過去のある出来事が明らかになるのだが、そんなことが実際に起こりうるのかと疑問に感じてしまう。また、ハティの失踪に関する真相だが、読者のための演出にすぎず、こんな面倒くさいことをわざわざする必要があるとは到底思えない。
    物語としては4点、真相は2点というところか。

  • 再読。誰もが怪しくて、矛盾があって、それがポアロによって解かれていく様が最高にスカッとする。

  • してやられた、という感じ。
    相変わらず犯人が読めない。
    途中冗長な感は否めないが、最後の怒涛の展開は目を離せない。

  • 終盤まで犯人が全く分からず。
    この残り少ないページ数で
    どうやって解決に至るのだろうかと思った。

    犯人は結構唐突だった気もするが、
    読み返すとああそういうことかと。
    何だかんだで読む手を止めない作者。

  • まさに「あやまち」!
    祭りの様子がわくわくしました。イギリスならではですね。

  • ポアロの友人で推理小説家・オリヴァが企画した、とある田舎屋敷で催された犯人探しゲーム。
    その中で被害者役の少女が本当に殺されてしまう。さらにその屋敷主の夫人が行方不明になってしまう。
    オリヴァからイヤな予感がするから未然に防いでほしいと依頼され、滞在していたポアロだったが、悲劇を止めることは叶わなかった。
    失意の中、ポアロは地道な捜査を開始する・・・。

    珍しく犯行を未然に防ごうとするところから始まる本作。
    しかし犯行は起こってしまい、そこから犯人を探し求める話が進んでいきます。

    前半から中盤にかけては少々ダレたところもありましたが、終盤に犯人が特定されてからの展開は流石クリスティーと唸ってしまいました。
    実は物語の前半から、真相に近付くための布石はいくつも散りばめられていた、ということに気づかされると正直、言葉を失ってしまいます(^^ゞ

    面白み、という点では他の代表作に一歩譲ってしまうかな、とも思いますが、それでもアガサ・クリスティーの代表作の一つであることは間違いないと思いました。

  • ポワロ作品

    【ストーリー】
    女流作家からの電話により、祭りの余興で推理ゲームが開かれることになった地方に赴いたポワロ。そこで、被害者役の少女がゲームの筋書き通りに殺され、祭りの主催者の夫人が失踪する。

    【感想】
    架空の事件が現実に起こってしまった、という一見ありがちな展開で始まる。しかし、いくつか謎が提示されるものの、事件の全体像はつかめず、読む方にとしてはモヤモヤさせられる。終盤になって、ポワロの推理力が発揮されるのだが、犯人は想定外の人物だった。読み直しても、犯人の手がかりは少ないので、会話の行間を読まないとわからないと思いました。

  • なんとなく読んでいたけど、最後はどんでん返しでびっくり。おもしろかった。

  • 再読のはずなのに、全くしてやられました。

    知名度低い、とのことですが登場人物たちの設定も舞台も面白い。
    ストーリーについては、ヒントと時間をたくさん与えてもらえたなあという感じで、考えながら読むのには向いているのかも。
    最終的にはややさっくりめに解決されます。あとやっぱり真相が少し突飛かな…

    オリヴァ夫人は昔読んだときはお邪魔虫だと思っていたのですが(笑)今読むととても可愛いおばさまですね。

    表紙写真に阿房宮があればもっとよかったのになあと。

  • ずばり、探偵小説作家が登場します。
    ひらいたトランプが初出とのこと。

    いろいろな方の小説に、小説家が登場します。
    赤毛のアンや、若草物語のように、小説家になる少女の物語のように、
    自叙伝とはいえないまでも自分の性格と物語の登場人物の性格が交錯するような話もあるような気がします。

    残念ながら、アガサクリスティの性格を知らないので、登場人物の性格がアガサクリスティの性格とどのように交錯しているのかがわかっていません。

    自叙伝風、伝記風の書籍を読んでから、また読み直すと、味わいが深いかもしれないと思っています。

    この話を受けて、再度登場するのが、「ハロウィーン・パーティ」です。
    今、ハロウィーンパーティを読んでいます。

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