パディントン発4時50分 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 41)

  • 早川書房
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感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300417

感想・レビュー・書評

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  • 2023/12/6
    オーディブルにて再読。
    もはや事件はそっちのけで、ルーシーは誰を選んだんだっけ?だけに焦点を向け聴き終えた、ら、なんと!マープルがほのめかしただけで終わっちゃった!どうりで憶えていなかったわけだわ。この後はファンや二次創作(BBCのドラマなど)でも解釈はいろいろらしい。ルーシーのような完璧で有能な女性はダメな男を選びがちという説を幾つか読んだけど、えええーそうなの?世間的にはそうなの?それが一般論というやつなの?としか感想が持てず。謎のままで置いておくことにする。


    2019/7/26
    ゆっくり文庫のマープルシリーズが大好きになって、
    予告みたいなかたちで紹介されたパディントン発4時50分を読んでみたくなった。

    ルーシー・アイルズバロウは30歳を超えていて学もあるとても有能な家政婦で、
    ゆっくり文庫の妖夢のイメージとはずいぶん違ったけれど、
    マープルから見たら、どちらも同じような「若い子」なんだろうな。
    ルーシーはどちらを選ぶのか、いや、どちらか選ぶのか?!と
    最後のそこに一番驚いた!

    クリスティーは結構たくさん読んできたはずなのに、
    巻末の目録を読んでも、内容をあまり思い出せない。
    アクロイド殺しだってナイルに死すだってABC殺人事件だって絶対読んだはずなのに、さっぱり。
    憶えているのは、そして誰もいなくなった と オリエント急行くらい。

    あと、クリスティはぱっちりピースがハマるタイプの読み物だと思い込んでいたけど
    違うみたいだ。
    違うやつは、結構忘れてしまうんだよね。。
    マープルを読んでいて、今回、むしろ生活の描写が魅力的だなあと感じた。
    ルーシーの作るごはん! スカーフやストールに幾重にもくるまれたマープル!
    大好きな、老人の生活と推理シリーズを思い出した。

    もうちょっと読んでみます。というか再読してみます。

  • 犯人は意外な人でした!
    医者ならお金に困ってなさそうだけど、どんどん欲が出てくるのかなぁ。
    殺された人が一転二転して面白かった。
    アルフレッドとセドリックが殺されたのもまさか。
    セドリックに送った錠剤に、エマと看護師と薬剤師の指紋しか付いていないのは何でなんだろう?

    物理的証拠はなく、ただ目撃者の記憶のみという…。まぁその後警察が調べたら証拠出てきたのかもしれないけど。

    途中から、ずっとエマ、もしくはブライアン・イーストリー、はたまたルーシーが怪しいと思っていたけどハズレたー。
    やっぱりクリスティーの作品はおもしろい。
    でも今回は動機にあんまり納得できなかった。
    クリスティーの作品は7〜8作読んできましたが、一番イマイチだったなぁ。
    ルーシーがモテモテなのは笑った。優秀すぎる。

  • ミス・マープルシリーズの有名な作品のひとつ。
    ルーシーがミス・マープルの目や耳や手となって事件の関係者である一族の屋敷で家事手伝いの仕事を完璧にこなしながら重要な手がかりや情報を集める本作で、私は家事手伝いという仕事がとても重要かつ需要のある仕事であると学んだ。もちろんルーシーのようにとても有能な人物であれば、フリーランスでも十分に生計を立て一財産を築くことができる。この作品でも、邪悪な殺人事件の最後にはほんの少しのハッピーエンドが仄めかされている。ミス・マープルは賢く有能なルーシーが誰を伴侶に選ぶのか分かっているようだったが、私はクラドック警部と同様にさっぱり分からない。強いてあげるならブライアンだろうか。セドリックは確かに魅力的かもしれないがこと家族としての生活を送るとなると家庭には不向きな男性だ。それに屋敷を売り払ってしまうのも惜しい。私もブライアン同様にヴィクトリア朝の屋敷や装飾や家具が大好きなのだ。それに、ブライアンにはいざという時に必要な男らしい勇気と胆力を兼ね備えている。有事の時、頼りになる男性なら普段は気弱くてもかえって可愛らしく思えるものだ。ブライアンの息子であるアレグザンダーもそれとなくルーシーに父と結婚し継母になってほしい、自分も父もルーシーの事を好きだと話していた。私も一人娘で未亡人の母にはまた再婚してほしいと常々考えているから、アレグザンダー少年の気持ちには共感できる。さらにこのブライアン父子はルーサーに気に入られている。ルーサー自身がルーシーに対してアレグザンダーが好きだと話しているのだから、これはもう伏線だと思ってしまう。ルーサーとブライアンとアレグザンダーとルーシーが仲睦まじくこの美しい屋敷で暮らす光景を、つい想像してしまうのだ。

  • ミステリーとして楽しくてすぐ読み終わってしまうのでチビチビ読んでいたミス・マープルシリーズ長編私的に2冊目。なかなかマープルさん本人が出てこないのが長編の特徴なの?と思いつつもなぜかすいすい読んでしまう。
    登場人物が多いしクセ強い人物もいるしそれぞれの会話がごく普通に交わされていながら場面もするすると流れていくところに本作の準主役のようなマープルさんの手下(といっていいよね)の凄腕の家政婦ルーシーがさりげなく流れを変えたりする。
    古さを感じないのは私も古いからか?楽しめるので私のマープル堀りはまだ続く♪

    • miyacococoさん
      111108さん!アドバイスありがとうございます\(^^)/実はお待ちしてましたよ~~111108さんの本棚を見れば一目瞭然。いずれはポアロ...
      111108さん!アドバイスありがとうございます\(^^)/実はお待ちしてましたよ~~111108さんの本棚を見れば一目瞭然。いずれはポアロシリーズやエラリークイーン(挫折中)へと続けばと思っております♪
      ルーシーは手下というより助手のほうが適切でしたね(^-^;
      ミスマープルを始め、色々なタイプの女性たちが説得力ある設定で出てくるのがいいです。このシリーズに惹かれたのは先日読んだ「エリザベス女王の事件簿」だと思うんですけどね。共通点はイギリスのおばあちゃんの推理(笑)
      2022/11/20
    • 111108さん
      miyacococoさんお返事ありがとうございます♪
      クリスティーに登場する女性たち面白いですよね。あーこういう人今もいるいるって。楽しく読...
      miyacococoさんお返事ありがとうございます♪
      クリスティーに登場する女性たち面白いですよね。あーこういう人今もいるいるって。楽しく読めたようで嬉しいです。
      miyacococoさんのレビューで「エリザベス女王の事件簿」気になってたんですよ。図書館で予約しようと思いつつ時がたって‥(*´ω`*)なんとイギリスのおばあちゃんの推理という共通点が!読みたい順位急上昇です!
      2022/11/20
    • miyacococoさん
      111108さん、コメント嬉しいです♪
      エリザベス女王の事件簿ぜひオススメです~。読みたいと思いながらタイミングが合わなくて、とかよくありま...
      111108さん、コメント嬉しいです♪
      エリザベス女王の事件簿ぜひオススメです~。読みたいと思いながらタイミングが合わなくて、とかよくありますよね。積ん読が増えるほど後のお楽しみも増えるってことで(*^^*)
      2022/11/20
  • 並走する列車の中で殺人を見た話から遺体の隠し場所を推理するミス・マープル、遺体の発見までだけでも素晴らしい短編推小説となっています。その後の家政婦ルーシーの冒険談も楽しい。

  • 買い物を終えて列車で帰るという日常から、並んで走る列車の中で女性が殺されているところを目撃するという非日常に変わる…。見事な切り替わりだった…。

    今作ではミス・マープルの出番は少ない(体調的な理由で)がその存在感は薄れない…。寧ろ、サー・ヘンリーの言葉を借りると『お婆さん猫』感が強く出ていて、そこが良い。
    今回のヒロイン、ルーシーも魅力的だ。読者なら誰もが我が家に、スーパー家政婦・ルーシーを招きたくなるだろう…。
    そして成される悪への痛快な一撃。

    読む価値あり。

  • 家政婦が死体を見つけ出すあたりまでは怒涛の展開で相当面白かった。tontineが最初に出てきた際、エラリークイーンで頻出したトンチン式年金と同じだと気づかなかった。犯人そこまで大量殺人するつもりだったのかな…物騒な話。マープルを順番に読んできて、前作が取り柄のない小間使い、本作が欠点のない家政婦と両極端だがどちらも大好きなキャラクター。話自体は出だしの斬新さ以外は大したことないと思うけど、自分も家事や誰にでも感じよく如才ない人付き合いを努力してみたくなると言う意味で貴重な本。子供たちとのやりとりが微笑ましい。

  • マープル
    ルーシーのつくる食事やケーキが美味しそう。労働者階級の人はいつも濃いお茶を所望するように思うけどそういうものなのか?ストーリーとしてはなんとなく納得いかないようなところもあるけれどもルーシーや少年たちのキャラクターもあり楽しく読めた。一晩で読んだので読み方が雑なのかも。

  • スピード感があって良かった。
    クラッケンソープ家の男性の特徴があまり掴めない。
    ルーシーというまた魅力的なキャラクターに出会えて嬉しかった。

  • アガサ・クリスティーの作品を読んで毎回驚かされるのは、その色褪せない瑞々しさ。犯人のトリックや警察の捜査方法など、基本的なことはちゃんと古めかしいのに、それ以外は全く時代を感じさせない表現力。それは、登場人物ひとりひとりにきちんと血が通った上質な物語であるからこそ得られるものだと思う。

    今回のミス・マープルは「鏡は横にひび割れて」よりやや行動的(今作の方が時系列的には前なので当たり前だけど)。死体探しにも犯人探しにも積極的だが、「もう自分もいい年だから」と一瞬の躊躇いを見せる場面が人間らしくて印象的だった。おそらく今回限りの相棒、ミス・アイルズバロウも人物としてとても魅力的。自分の価値をきちんと理解した上での言動は好感が持てたし、会話にも知性を感じる。なにより作る料理が美味しそう(不味いことで有名なあのイギリス料理が!)!容疑者候補3,4人の同時求婚には正直辟易したが、まあルーシーなら仕方ないかな、、、と許してしまえる魅力が素敵でした。でも本当に結婚しちゃうのはどうかと思うぞ。

    たまたま並走した電車内の殺人をたまたま目撃する、という衝撃的な画と、知的な相棒を使ってまず"死体を探す"という新しさ。その"骨格"に魅力的な登場人物たち、という"肉づけ"で、上質な物語として成り立っている。アガサ・クリスティーの作品は、物語として本当に丁寧で手抜かりがない。読んでいて気持ちがいいです。

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