黄色いアイリス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.45
  • (14)
  • (43)
  • (74)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 435
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300592

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ごちゃ混ぜ短編集。ポアロ物はあの長編の元ネタねという話が多く、長編読んでからこちらを読む方がいいと思う。好きなのはパーカー・パイン『ポリェンサ海岸の事件』とポアロの『あなたの庭はどんな庭?』と幻想物『仄暗い鏡の中に』

    • あやごぜさん
      111108さん♪ こちらにもお邪魔します。

      『ポリェンサ海岸の事件』、『仄暗い鏡の中に』はどちらも事件モノではなかったのですが、面白...
      111108さん♪ こちらにもお邪魔します。

      『ポリェンサ海岸の事件』、『仄暗い鏡の中に』はどちらも事件モノではなかったのですが、面白かったですよね。
      私も『黄色いアイリス』が元ネタの長編を見つけて読んでみたいと思います~♪
      あ、それから、めっちゃ今更なのですが、先日111108さんの本棚をフォローさせて頂きました(無言でスミマセン)。
      改めてよろしくお願いします(^^♪
      2023/08/28
    • 111108さん
      あやごぜさん、こちらにもコメントありがとうございます♪

      『黄色いアイリス』が元ネタの長編、ぜひ探してみてください(^^)
      こちらこそ、フォ...
      あやごぜさん、こちらにもコメントありがとうございます♪

      『黄色いアイリス』が元ネタの長編、ぜひ探してみてください(^^)
      こちらこそ、フォローいただきありがとうございます!無言でもちろんかまいません。どなたもフォローされてなかったあやごぜさんにフォローしていただき嬉しいです‼︎これからもよろしくお願いします(´∀`)♪
      2023/08/28
  • ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編を収めた短編集。

    霜月蒼氏の『アガサ・クリスティー完全攻略』によると、本書は1932年から1937年の期間に書かれた短編をアメリカの出版社が最新短編集としてまとめて出版したものが元本となっているらしい。そのためか、短編集としてのまとまりは感じられず、バラバラな印象を受けるが、ポアロもマープルもパーカー・パインも楽しめる、というお得感と、後に別の短編や長編に発展していく原石の短編がいくつか含まれるため、クリスティーファンには楽しい一冊である。

    パーカー・パインシリーズは短編にしか登場しない探偵で、短編をあまり読んでいない私は初読みだった。謎をびしっと解決する、というより身の上相談を得意とする探偵で、『ポリェンサ海岸の事件』はまさに彼の得意分野が生かされた読後ほっこりの短編である。

    『バクダッドの大櫃の謎』は、後に『クリスマス・プディングの冒険』に収録された『スペイン櫃の秘密』という中編に発展する作品。人間模様を肉付けすることで、『スペイン櫃の秘密』ではクリスティーの魅力が増したことがよくわかり、面白い。

    霜月氏も述べている通り、この短編集は単体としてみると凡庸だが、クリスティー作品をあらかた読み終えた後に手に取ると、違った面白さが感じられておすすめである。

  • 短編集。
    ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編が収録されております。

    まさに“クリスティー・バラエティーパック”といった感じで、様々な毛色の話を楽しめる本書。
    個人的に好きだったのは、パーカー・パインもの「ポリェンサ海岸の事件」。
    タイトルに“事件”とありますが、実際は事件はなくて、パイン氏お得意のドッキリばりの仕込みによる“お悩み解決”のお話です。
    “パーカー・パイン劇団”所属女優(?)のマドレーヌ・ド・サラの登場も嬉しいですね。
    そして、異色の幻想譚「仄暗い鏡の中に」も、鏡に映った“ある光景”をきっかけにした、“世にも奇妙な物語”っぽい展開で、何となく『死の猟犬』あたりに収録されていそうなテイストの話で印象的でした。
    因みに、本書に収録されているポアロものには、既視感のある作品もちらほら見受けられて、特に「バグダッドの大櫃の謎」は、“あれ?この話読んだ事あるけど?”と思った程で、こちらは『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている「スペイン櫃の秘密」の元ネタらしいです。
    同じく「二度目のゴング」は『死人の鏡』の元ネタみたいですし、そして味アリキャラ、ミス・レモンも出てくる「あなたの庭はどんな庭? 」は、どうやら『もの言えぬ証人』の元ネタみたいです(これはちょっと曖昧)。
    とはいえ、これらはこれらで独自の話としてちゃんと楽しめるので問題なしです。
    あと、短いですが「ミス・マープルの思い出話」では、マープルさんの安定の安楽椅子探偵っぷりと、控えめな自慢(ポアロのようなあからさまな自慢ではないww)がナイスでした。

    どの話もアッサリしてお茶漬けのように、サラサラっと読めちゃうので、暑くて体力のない時の読書にピッタリかも?と思った次第です。

    • あやごぜさん
      111108さん♪

      おお☆彡早速お読みになられたのですね!『ポリェンサ海岸の事件』は、私も好きでした。
      パイン氏ものはこうでなくっち...
      111108さん♪

      おお☆彡早速お読みになられたのですね!『ポリェンサ海岸の事件』は、私も好きでした。
      パイン氏ものはこうでなくっちゃ!って感じですよね。
      お美しいマドレーヌ・ド・サラは、『パーカー・パイン登場』に、“チーム・パイン”の一員として出ていました(多分w)。
      そして、さすが111108さん。『黄色いアイリス』元ネタの長編、解ったのですね。
      私はまだ長編の方は未読なので(さて、どの作品ですかね~?ww)
      そちらを読んで“これだったのか!”と“デジャヴ”を感じたいです(´艸`*)。
      『あなたの庭はどんな庭?』が『もの言えぬ証人』の元ネタ説、確かに微妙ですよね。私的に“亡くなった人からの手紙がきっかけ繋がり”なんかな?と思っております。

      そして、ミス・マープルの“控えめな自慢”、可愛いですよね~(^^♪
      2023/08/28
    • 111108さん
      あやごぜさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど!『あなたの〜』と『もの言えぬ〜』の共通点は亡くなった人からの手紙つながりなんですね。...
      あやごぜさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど!『あなたの〜』と『もの言えぬ〜』の共通点は亡くなった人からの手紙つながりなんですね。
      『あなたの〜』にミス・レモンの年齢がはっきり書かれていたのもショッキングでした(°_°)
      2023/08/28
    • あやごぜさん
      ミス・レモン! まさかのヨンパチ先生とは!∑(゚д゚lll).
      ミス・レモン! まさかのヨンパチ先生とは!∑(゚д゚lll).
      2023/08/29
  • スーシェ版ポワロさんの次の回が「黄色いアイリス」なので先に原作を読んでみました。ドラマもどんどん見たいのになかなか進みません(⁠^⁠^⁠;
    9話収録のうち、先にドラマで観ていたのは3編。いずれも、脚本家の脚色のうまさが光る作品になっていましたね。
    そして本書を手に取るきっかけとなった「黄色いアイリス」も、映像映えしそうな内容。どんな演出になっているのか、楽しみです。

    短編はさくっと読めていいのですが、いかんせん長編よりも人物を覚えるのに苦労します。覚えた頃にはお話が終わってしまう……。
    中でも気になったのはパーカー・パイン。調べたところ、このお話に登場したマギー・セイヤーズは悪女を演じることが多いんだとか。ドラマで大好きなミス・レモンも同名で出演しているそうで、次はパーカー・パインの短編集を読んでみようと思います。
    それにしても、「二度目のゴング」はあの格闘技に出てくるゴングでいいんだろうか……??

  • 「仄暗い鏡の中」:傷の男に絞殺される女の幻影。
    「黄色いアイリス」:ポアロ「忘れられぬ死」の原作。毒殺。
    「二度目のゴング」:ポアロ「死人の鏡」の原作。
    パーカー・パイン×2/ポアロ×5/ミス・マープル×1

  • ポアロ、マープル、パーカー・パインが楽しめます。どれも面白かった。

  • クリスティの短編集。
     レガッタ・デーの事件
    とあるグループがホテルに滞在中。金持ちの男は「明けの明星」と呼ばれるダイヤモンドを常に持ち歩いている。同じグループの17歳の娘がダイヤモンドを盗むのは容易だといい、男はそんな事は不可能だといい、どっちの主張が正しいか賭けがはじまる。ダイヤモンドをグループのメンバーで回しながら眺めている時、ふと全員の注目が無くなった隙にいつの間にかダイヤモンドは消滅する。男は負けを認め、娘がトリックを打ち明けるが、何と本当にダイヤモンドがなくなってしまう。グループの一人が疑いをかけられ、思い悩み、不思議な事件を解決すると評判のパーカー・パインの元を訪れる。
     短いストーリーだがパーカー・パインという探偵の魅力が詰まっており、とても面白い作品。
     バグダッドの大櫃の謎
     探偵はポアロ、相棒はヘイスティングス。
     序盤、設定を読み受けながら何処か読んだ記憶があったが、「クリスマス・プディングの冒険」を先に読んでいた為で、今作を焼き直した作品が「スペイン櫃の秘密」にあたる。
     トリックはとても面白く、動機も気を衒いながらも現実味のある内容だ。ポアロとヘイスティングスのやり取りも短いながら十分に個性が発揮されている。当然かもしれないが、「スペイン櫃の秘密」の方が加筆もされ完成度が高いが今作も充分に面白い短編だった。
     あなたの庭はどんな庭?
     この作品も長編「もの言えぬ証人」の原型だった作品。ポアロの元に手紙が届く。何かを相談したい様子であり、ポアロは依頼を受ける返信をするが返事が来ない。それから数日後、依頼人が急死した事をしる。「もの言えぬ証人」との共通点は上記手紙のやり取りとお手伝いさんが莫大な遺産を相続する点だ。長編にあたり、肉付けはこうするのか、とお手本の様な二作であり、今作単体でも読みやすくわかりやすい作品だ。但し、カキの食べ方はよくわからない(笑)
     ボリェンサ海岸の事件
     パーカー・パイン作品。母親はいつまでも母親で、男はいつまでも男で。ストーリーが進行する事である種、コメディ的な作品かと思ったが、流石はクリスティ、きちんとオチがついている。途中まではこういう流れではと推測していたが、男が母親と婚約者の仲を結ぶ為に企んだ事だという部分迄は考え付かなかった。
     パーカー・パインシリーズも短編しかないのだが登場人物は魅力的な人が多いので、長編も読みたかったシリーズだ。
     黄色いアイリス
     表題作。ポアロが登場。ポアロの元に電話が届く。話の内容はイマイチわからないが、<白鳥の園>というレストランで何かが起きるという。ポアロが現地に向かうと一組のグループがおり、ポアロも合流する。主人は過去に妻を亡くしており、現在のレストランはその時と同じような状況になる。時間がたち、一度ライトが消え再び明るくなると一人の女性が毒を飲んで俯いている。
     ポアロの活躍がひかる作品であり、シリーズ内でも指折りの事件だと思う。本来探偵とはこうでなくては!!と思わずにいられない作品。
     ミス・マープルの思い出
     マープルがレイモンドとジョーンとの日常の中で会話している様な設定で、マープルが過去に相談を受けたとある事件の真相を話題にしている。
     妻を殺され、自身も容疑者になっている人物とその知人が、マープルに相談に来るわけだが、彼女は彼等から事件のあらましをきいただけで真相に辿り着く。とても短い話なのだが、それ自体が家庭内で叔母と甥夫婦の何気ない日常の雰囲気を作っており構図自体素晴らしい。マープルものは短編になると安楽椅子探偵の様相がさらに濃くなるため、面白味が増していくシリーズだ。
     仄暗い鏡の中に
     幻想的な作品。男性が親友の屋敷に泊まりに行く。彼の妹と婚約者に初めて会うが、あてがわれた部屋で、男性は鏡に映る向かいの部屋で親友の妹が婚約者に首を絞められている姿を目撃する。しかし、実際に見る事は不可能で、それが幻想である事に気付く。彼は親友の妹に恋をしてしまい、彼の見たものを打ち明ける。
     最後、ハッピーエンドの様な様子だが、捉え方によると男が全て幻想を見ていると予測するととても恐ろしい物語になる。
     船上の怪事件
     エジプトへの旅の途中、ポアロを巻き込んだ殺人事件が起きる。金持ちの夫人と元軍人の夫。しかし、軍人というのは大袈裟で、以前はパフォーマーの様な仕事をしていたらしいと噂される。
     作品は「ナイルに死す」に繋がる様な部分もあるが、トリックは微妙。ネタバレするが、過去にマジシャンだった様に見せかけて実は腹話術師で、妻の部屋から聞こえていた返事も船の従業員が協力したサプライズの為。殺人の全容としてはお粗末に思えた。
     二度目のゴング
     異常な程変わった人物である金持ちが書斎で死んでいる。彼から依頼があり、屋敷に居合わせたポアロは事件の捜査を開始する。美しい女性を中心に家族や取り巻き達の関係が詳らかになっていく。事件は自殺に見せかけての殺人事件であり、密室的な要素もあるがある程度単純な事件。トリックもあっさりしており、窓の鍵の強度など、ある程度簡単に組み立てられている。

  • 一押しは「仄暗い鏡の中に」。マープルも好き。
    当たり前なのかもしれないけど、ポアロでも「ホームズみたいな」という喩えされるんだね。

  • 車中にて読了。
    巻末説明に有る通り、長編を繰り返して読む気はないが、短編は再読が苦にならない~お定まりの展開すら、苦笑。
    いわば水戸黄門的。

    ポアロモノが多いが、ミス・マープルやパーカー・パインも掲載。
    あらためて20世紀サスペンスの主流派夫婦間諍いと愛人、毒殺、相続問題が主軸。
    小ネタにイートン校卒、オクスフォード出身・・庶民派登場せず、豪華クルーズ、宝石、香水、ドレスと言ったネタ揃い。

    飽きてはいないが・・常套展開。

  • 「二度目のゴング」が少し前に読んだ「死人の鏡」と概ね同じで驚いた。
    なるほど、こちらを更に磨いて「死人の鏡」にしたにか…手を入れたことで格段に良くなっているのがわかり、クリスティーのセンスに感嘆する。
    ポアロの表題作とパーカー・パインの「ポリェンサ海岸の事件」が好み。

全55件中 1 - 10件を表示

アガサ・クリスティーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×