- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151767029
感想・レビュー・書評
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あまり覚えていないが、良かった記憶だけはある
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殺人の疑いをかけられ無実になったものの、追われるように故郷を捨てたアダムが5年ぶりに戻った。故郷は原発誘致で二つに分かれ、父のジェイコブは農場を売却しないことから嫌がらせを受けていた。自身嫌がらせを受ける中、兄弟のように育った、農場監督の娘グレイスが暴行を受けた。やがて、その犯人と目される、アダムの親友で帰郷の原因となったダニーが死体で発見される。
アダムに故郷を捨てさせた事件を含め2件の殺人共に細かい描写がされるわけでなく、話はタイトルの川のごとく淡々と進んでいく。しかし、その淡々とした空気の中に人間の憤怒が渦巻いており、そこかしこに垣間見える。犯人の予想はおおよそ見当が付いていたが、その動機は予想外だった。 -
120831
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借。面白いときき読んでみたけど、怒ってばかりの主人公に感情移入できずそのまま読み終えてしまった。他の登場人物もしかり。ただ、話は展開が色々変わりおもしろいのかも。私にはちょっと早かったのかもしれない。
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そうくるか。
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チェイス家の人々 という純文学?舞台がロシアだったら、チェイスの兄弟?もう少しスピード感があったらと思うけど、一気に読めた。
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『ラスト・チャイルド』を読み、この作家の作品はすべて読もうと心に決めた(と言っても、邦訳はまだ4冊)。久しぶりに出会ったとても好きな作家だと思う。
身に覚えのない殺人事件の濡れ衣を故郷で着せられた主人公。しかも彼を犯人と名指ししたのは継母だった…。みんな、悪い人ではないのにそれぞれに短所があり、どうしてもねじれる家族関係。犯人にたどりつくまでの二転三転も、あざとさがない。
あちこちで取り上げられているが、著者の序文「家庭崩壊は豊かな文学を生む土壌である」という一文が、心に残る。 -
高校生のとき古文の勉強をしていて、「心の闇」という古文単語が「親心」を意味すると知ってほくそ笑んだのを思い出す。時代を越えても国境を越えても、親が子を思う気持ちは変わらない。
食わず嫌いの海外ミステリに挑戦してみた。イメージ通り銃がいっぱい出てきて人もいっぱい死んだけどテーマとしては面白かった。家族(崩壊)。人間の形成に大きな影響を与える最初のコミュニティ。
いろいろ設定ちょっと極端じゃねとか思ったけど。
白い鹿と黒い野良犬の描写がよかった。森の奥にある新たな世界へ導く死者の使い、白い鹿。地獄の番犬のようなどす黒い野良犬の向こうには、真実が選択を迫る。
「僕は窓辺に立って川を見おろした。僕が愛する川とは別物だ。色もちがう。岸辺の風景もちがう。しかし水は流れている。万物を疲弊させながら、みずからは何度も再生し、同じ広大な海に注ぎこんでいく。……人間はしょせん人間であり、神の手はいたるところに存在する」(p.561)