特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
4.14
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151794544

感想・レビュー・書評

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  • Qシリーズ第三弾。
    北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」受賞作、だそうです。
    でも、正直言って一作目の「檻の中の女」の方が好きだな。

    海で拾ったビンの中に助けを求める手紙が見つかるところから物語は始まります。

    登場人物がそれぞれに魅力的なんですよね~。
    今回もアシスタントのアサドは有能。強くて賢い。なのに親しみやすい。そんなアサドの秘密が少しずつ明らかに、なりそうでならない。彼にどんな過去が秘められているのか、それもまたこのシリーズの引きになってます。
    さらに今回はもう1人のアシスタントのローセにも大きな秘密が!

    凶悪な事件を追うだけでなく、このチームの少しユーモラスなやりとりも魅力でしょう。

    欲を言えばラストがもうひとつ。
    誰の視点からでもいいので、彼の凶行の全てを明らかにして欲しかったな。
    それと、ラストの危機一髪はもうお約束感があってドキドキしづらい。

    • 土瓶さん
      ドラマ……そういえばアマゾンプライムでタイトルだけ見た気がします。
      とりあえず今のところは3作中3作とも、最後は危ない目に遭ってます。
      ...
      ドラマ……そういえばアマゾンプライムでタイトルだけ見た気がします。
      とりあえず今のところは3作中3作とも、最後は危ない目に遭ってます。
      映像で観るのは、なんか恐い(;´Д`)
      2023/03/06
  • 下巻、解説にもあるが
    もう冒頭からノリに乗っているのである。

    特捜部Qのカールとアサドは地道に調査
    誘拐犯は犯行を着々と進める
    問題は誘拐された、子供の母親
    こちらが…大爆発している。
    上巻で読んだ印象は吹き飛び、子供のために闘う。

    そこから捜査チーム側につながり、犯人との攻防がカール達に引き継がれていく流れは怒涛でした…

    解説の「メッセージボトルという小道具は"偶然"が付き纏うため危険」という話も納得、この作品では主人公カールはボトルに対して距離を置いていたし、ボトルの要素をうまく使っていた。

    暗く重たいテーマ×少数チーム(イライラしてる主人公+謎の変人達)というバランス

    シリーズモノでよく感じる「メインの事件」と「シリーズを通して追う謎、事件」「主人公のプライベートの問題」の前作「キジ殺し」の時よりバランスがよく、違和感がなかった。
    唯一にして最大の謎はユアサの件…カールもアサドも"三つ目のこぶ"には触らなかったが、これは更に闇があるということなのか?変態性なのか?

    余談:インスタントコーヒーの粉を入れすぎる度、特捜部Qや他の作品のグレーンス警部などの警察小説に出てくる「泥のようなコーヒー」ってのを思い出すようになりました。誤魔化そうとして砂糖を入れすぎると"アサドがいれたコーヒー"になるのだろうか…

  • 警察小説でありながら、派手なカーアクションやボーリング場での犯人との駆け引き、ミアの脱出シーン等、とても読みどころが満載のサスペンスタッチの完結編でした❗

    ただ少し残念なのは、デンマークの地理に疎いので、折角ならデンマークの地図を載せてもらえたなら、もっとイメージが出来たかなぁと感じました❗

    このシリーズの事件はどの作品も救いようのない残忍で冷酷な内容ばかりですが、キャラクターの個性がとても光っていて、自分的には久し振りの当たりの海外ミステリーです♫

  • 先に映画を観ているといっても全く安心できず焦燥感を抱えたまま最後まで読む手が止まりませんでした。なんということでしょう……面白かった。。
    常に特捜部Qの一歩先を行く犯人だけれど包囲網を徐々に狭めていくのが良いです。そこが繋がるの!?という驚きがあります。映画とは違ってるので安心できない。
    被害者となるカルト宗教信者の各家族、宗教的な排他ではあるものの、底には悲しみに共感できる心がちゃんとあるんだなと思えました。敬虔になる人は元々真面目だったり謙虚だったりするんだろう。。特捜部Qに呼び出されたりして犯行が続いているのを知るとちゃんと協力してくれる。
    現在進行系の事件が間に合って良かった…けれど、両親は間に合えなかったのが悲しい。イサベルは回復したのかな。
    大団円とはいかないけれど、最後の展開には救われた思いです。ミア…よかった。。

    特捜部Qのわちゃわちゃももちろん。
    ローセそうなの?と思いました。ローセのときもユアサのときも良い人だ。三つこぶのラクダ。
    アサド。貴方がいなかったらカールは万事休すという場面が多々あったので、シリア人という以外はなにもわからないけど貴方は必要な人です。
    カールって不器用で言葉が足りんと思ってたけど原作だとそうでもない。アサドとローセと一緒に特捜部Qとして事件に関わってきたり、ハーディとの生活で変わってきたのかな。
    クリスとかいう心理オタクはまた出てくるのかな…モーナから彼にバトンタッチ?アサドもこの人も例え話がおしり系。

    次は屈指の名作「カルテ番号64」です。映画は泣いた作品……あんなカールとアサドって(T_T)
    読むのが楽しみです。

  • 何年も海の底で待ち引き上げられてからさらに放置されていた瓶入りのメッセージ。
    手紙の1行目には「助けて」の文字。
    気乗りしないカールを横目にアサドとローセは解読を開始するが……

    冒頭から自らの血でメッセージを残す少年が出てきてもうツライ。でも、カールたちの場面に変わると途端にコミカルで思わず笑ってしまうやり取りが続く……オールスン、上手い。文章構成が抜群に上手い。グイグイ読ませる。
    犯人×被害者家族×特捜部Qで息つく暇もない展開。これは面白い。→

    カールの周りの人間関係も濃いし、アサドは何者?みたいな流れからのえ?ローセ?みたいな。主要メンバーのキャラが濃いから読んでいて楽しい。
    ラストは今回はサラッと読むとハピエンだが、深読みすると……怖い。

    あ、堂場瞬一氏の解説が良い。警察小説のカテゴライズの話、面白かったー!!


    以下、Twitterでの実況感想
    「特捜部Q Pのメッセージ」は上巻ラストあたり。
    今作も犯人側の痛い描写とカール側のコミカルな描写の振れ幅に翻弄されながらグイグイ引き込まれてます。

    やばいー。癖になるー。楽しい〜!

    上巻読んだ〜!
    ハラハラシーンで下巻やん!てか、ヤバイヤバイヤバイ!ここでこの2人が出会うとか思わなかったー!
    今作、ストーリーに厚みがあってマジで面白い!

    あと、アサドの秘密よ……これ多分だいぶん先でわかるんよね。気になる……

    下巻後半戦に突入!
    カールたちが犯人にジリジリと近づいていく過程が読んでいてハラハラワクワクする!
    そしてローセぇぇ?!え??えええ?みたいな(笑)

    わぁわぁわぁわぁー!!!ニアミスぅぅー!!カールニアミスぅぅぅ!!

    あとアサドつっよ!(真顔)毎回思うけどアサド、何者なんだ……

    読み終わった……今作はとても良かった……北欧らしさを残しつつのラスト。てかあのラストは……?いやいや、きっとハピエンだと信じたい。

    解説がまた好き。特捜部Qシリーズ、解説豪華だよね。

  • カール、いい加減犯人のところに乗り込む時は拳銃持ってくれ。

    序盤は犯人の方が一歩先を行っていたが、それを覆すのがチームワークだった。犯人の策略が次々と、一つずつ崩されるところはページをめくる手が止まらなくなるほど。
    全て偽名で何もかも準備し、更に別名義で二重の足跡消しをしていた犯人は流石。全てを変えたが「普通が一番目立たない」ことを徹底したところなんかも連続誘拐殺人犯としては称賛されるところかもしれない。ただ、その偽名を身近な人から取ったところは浅はか。余裕がないはずなのに逃げずに後始末を優先したところなんかは、自らの能力の過信と今まで見つからなかった傲慢さのツケを考えていない。
    浅はかさを突き崩し、ツケを支払わせるのが警察、いや特捜部Qの仕事だった。
    神を憎んだ男は神が作りし人の愛情によりその身を滅ぼし、神の元で光を失った女はひとときの無垢な温もりにしがみつかずあるべきところへ帰した。

    ユアサとローセが同じ人物なのかも?というところをあえて突っ込まずにやり過ごすのもQらしい。
    アサドの過去が若干でもわかるのかと思いきやそうでもなかった。
    やっぱり面白すぎて読み終わるのが惜しい作品でした。
    次作も読まないと。

  • 2019.06.07.読了
    ガラスの鍵賞受賞作ということで期待が大きかった。

    セルビア人の放火事件、アサドの正体、などなど最後まで不明で曖昧のまま終わってしまった。

    内容はよくあるサイコパスが犯人の事件。
    宗教的な周囲との繋がりや、これ以上子供たちを失わないために警察にも教会にも相談しない被害者達の心理が理解できない。
    作者は歪んだ聖職者やさまざまな新興宗教に対する疑問や不信を主張していると思われるが、話が色んなところに飛び過ぎて構成に無理があったと思う

    長編で楽しめたので星3つ。ガラスの鍵賞がどれだけすごいのかわからないけど、内容的には星2つ。

  • (上巻より)

    しかし、
    カール刑事と変人のアサドともう一人のアシスタントのローセの姉が、
    メッセージを読み解き、
    手紙の主を探し出し、
    続けられていた誘拐を止める。
    やはりちょっとロマンティックだったかも。

    アサドだけでも謎は多いのに、
    姉と名乗っていたユアサはローセと同一人物と、
    アシスタントは二人とも謎ばかり。
    カールの苦労は絶えないが、
    カウンセラーのモーナと親密になれてよかった。

  • 12月-2。3.5点。
    下巻に入り、本筋の誘拐事件が一気に進む。
    一気読み。さすがに面白い。
    連続放火も一気に進む。
    助手たちのキャラもクセがありながら面白く、飽きさせない。
    次作も期待。

  • 下巻は誘拐犯と被害者&カールによる攻防で手に汗握る展開でした。絵面を思い浮かべると結構グロイ場面(ナメクジとか、ナメクジとか、ナメクジとか)もあるし、事件も陰惨だけど、特捜部Qの面々が個性的でシリアスと柔らかい場面のバランスが丁度よく、相変わらずのリーダビリティでした。今回ローセの新たな一面を見ることができたけど、アサドの正体も、カールとハーディが巻き込まれた事件も謎だらけ。このシリーズまだまだついていきますよ。

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