- Amazon.co.jp ・本 (591ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151797026
作品紹介・あらすじ
エーランド島の岬の古い屋敷に移り住んだ一家を不幸が襲う。そして、屋敷にも異変が起きて……三冠に輝いた北欧ミステリの傑作!
感想・レビュー・書評
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面白い。でも、600ページ近い作品は初老には読了に時間がかかりすぎて。もっと早く読めたら、さらに面白さは増幅したのかもしれません。ただ、やっぱり私は海外ミステリーは苦手かもしれません。
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いいんだが長い
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文庫落ちにて再読。
何回も読めそうなくらい好みの描写。 -
スウェーデン、エーランド島にある双子の灯台を望む古い屋敷に越してきた家族に訪れた悲劇。前作「黄昏に眠る秋」同様、ゆっくりと人間関係が剥がされてゆく。過去と現在を往復しながら、ブリザードの雪や暗い海に世界に引き摺り込まれるような錯覚を覚える。
前作に続き、老人イェロホフも登場し、ほっとさせられる。 -
とにかく暑いこの夏に吹き荒ぶ雪嵐(作中では渦雪)の読書体験は贅沢でした。今この本選んで正解。
というのはさて置き。語り口はあくまでもゆっったりしている(なにしろ探偵イェルロフは81歳のリウマチのおじいさんなので)ものの、視点は頻繁に入れ替わることで被害者である家族の歴史、そして犯罪現場であるウナギ岬の歴史が幾重にも積み重ねられていく様は、まさに練達の技です。マンケル、シューヴァル・ヴァールー等と共に北欧ミステリの1つの到達点といえるのではないでしょうか。本シリーズがあと2冊しか読めないなんて、なんと残念なことか。 -
秋編に続く第二作。舞台は同じエーランド島。北欧の暗く厳しい冬、岬に立つ一軒家に古くから住みなした人々が命を落とした悲しい物語。それら死者の魂がクリスマスの夕べにもどってくる。そこに移住した若夫婦を襲う現代の悲劇。なんていうかまさに北欧的な陰鬱な物語だ。次々に起こる怪奇現象はミステリというよりホラー映画を見ているよう。前作のメインキャラクターである施設に住むイェルロフ老が関係者のひとりとして登場して、過去を説き起こし、現代の謎を解く。犯人の意外性はともかく動機や方法にかなり無理があり、ミステリとしては不満が残るが、そもそもこの一連のエーランドサーガはひとつひとつの事件よりも大きな北欧風土や歴史のなかの人々の営みを描き出すことの方が主眼なのだろう。