- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151828515
作品紹介・あらすじ
1975年、サイゴン陥落。南ベトナムの将軍はアメリカに亡命するが、同行した側近は北ベトナムのスパイで……圧巻のデビュー長篇!
感想・レビュー・書評
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昨年末から読み始めたが、なかなか読み進められない。元北ベトナムのスパイが独房の中でスパイ活動や自身の出自について語っていくが、スピード感がなく停滞してしまう。ところどころ興味深いエピソードが差し挟まれるが、すぐに停滞してしまう。アメリカ人と日本人のベトナム戦争についての基礎知識の差がつまらなさの原因だろうか。私の知識では十分楽しめない内容でした。
面白くなってくるかと期待しながら上巻を読み終えたが、本作はここで終了としよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原書名:THE SYMPATHIZER
2016ピューリッツァー賞フィクション部門、2016エドガー賞処女長編他
著者:ヴィエト・タン・ウェン(Nguyen, Viet Thanh, 1971-、ヴェトナム、小説家)
訳者:上岡伸雄(1958-、東京都、アメリカ文学) -
最初の方を読んだだけで頭がこんがらかって、一度ベトナム戦争を調べてようやく背景が見えてきました。が、大体のあらすじが見えただけで面白い段階までたどり着きませんでした。難しかったです。
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ミステリーなのか判断が難しいが面白かった。
潜入スパイの割には、殺処分した人間の亡霊にいつまでも煩わされたり、潜入先の上官である将軍の娘とやってしまったりと、プロのスパイ像とは程遠い、地味で弱く人間臭い主人公。
「烏賊」のエピソードは笑うところだよね?今一つ、ユーモアなのかシリアスなのかわからないところがあるが...
過去の植民地時代から冷戦の代理戦争であるベトナム戦争を通し翻弄されるベトナムを、主人公と2名の友人の生き様を通して描いている。感動はないが読みごたえはあった。
後半の長期に渡る思想教育的な尋問の場面は、「1984」とかもそうだけど、きっとここがクライマックスな割には難解なんだよね。理解できたようで、できていないようで。 -
捕らえられた北ベトナム軍の潜入スパイが独房で綴る告白が淡々と進行する小説。
秘密警察時代の尋問を語り、自分の出自をナイフで抉るように語ったりと独房での彼の独白は続く。爽快感はありませんがジワジワと浸透する文体。皮肉と裏側を穿つ視点に付箋のタグが止まりません。
共産主義者が勝つ前は、外国人たちが私たちを殺し、迫害し、辱めていました。
いまは、私たちと同じ民族が私たちを殺し、迫害し、辱めています。
少し進歩したんじゃないですかね。
シニカルで比喩が多い独特の文体がクセになるスパイシーなスパイ小説。 -
ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー (上)』ハヤカワ・ミステリ文庫。
全くもってつまらない。主人公のヴェトナム共和国の大尉が延々と一人称で語るのだが、何らストーリーも映像も見えて来ない。『ミステリが読みたい!』の第7位はインチキかい。