記憶を書きかえる: 多重人格と心のメカニズム

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152081568

作品紹介・あらすじ

記憶-それは人間の現在と過去を結ぶ重要な鍵であり、われわれの性格やふるまいの基準、すなわち人格の基礎を形づくるものである。だがここに「多重人格」という不可解な現象がある。一人の人間のなかに存在する複数の人格が、それぞれ独自の記憶を持っているのはなぜか?哲学者で物理学者でもある著者は、この疑問を糸口として、記憶の果たす役割の解明に挑む。多重人格の代表的な症状、診断基準の変遷、幼児虐待やトラウマとの因果関係、その症例のほとんどが女性である理由、最初の多重人格者ルイ・ヴィーヴの生涯、ここ数年で症例報告が爆発的に増えた意味など、著者は多重人格をめぐる数々の論点を豊富な実例をあげて検証することで、記憶が人格におよぼす驚くべき力を明らかにしていく。そしてさらに、無意識のうちに自己の記憶を書きかえることで、新たな人格がつくり出される可能性までをも論じていく。多重人格の考察と記憶に関する最新研究を通して、人間の心の本質に迫る知的探究の書。

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著者プロフィール

トロント大学教授。
1936年カナダ生まれ。専門は科学哲学。ブリティッシュコロンビア大学卒業。ケンブリッジ大学にて博士号取得。ブリティッシュコロンビア大学准教授、スタンフォード大学教授などを経て1991年より現職。2001~2006年にはコレージュ・ド・フランス教授も務めた。
日本では以下の翻訳が出ている。『知の歴史学』(岩波書店、2012年)、『何が社会的に構成されるのか』(岩波書店、2006年)、『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(木鐸社、1999年)、『記憶を書きかえる――多重人格と心のメカニズム』(早川書房、1998年)、『言語はなぜ哲学の問題になるのか』(勁草書房、1989年)、『表現と介入――ボルヘス的幻想と新ベーコン主義』(産業図書、1986年)など。

「2013年 『確率の出現』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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