- Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152082404
作品紹介・あらすじ
少女時代のおぞましい体験によって心を蝕まれた母と、彼女を抱えて懸命に生きる家族の姿を、17歳の娘レスリーの目を通して感動的に描く。情緒障害児との心の交流を綴り、日本でも圧倒的な支持を集めているベストセラー作家が実話をもとに、愛と祈りをこめて贈る初の長篇小説。
感想・レビュー・書評
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「テーマ:ひまわり#7」です
初の海外作品で、そしてなんとトリイ・ヘイデンです!
トリイ・ヘイデン知ってます?
知らない?ふーん
さて本編です(トリイ・ヘイデンの説明しないんかーい!)
主人公は十七歳の娘レスリー、父母と九歳の妹ミーガンとカンザスで暮しています
このレスリーの視点で物語は進むのですが、母のマーラは大戦中アーリア人種の外国人であったために、ナチスに子どもを産ませるために監禁されレイプされ続けられるという少女時代の体験によって「壊れて」しまっています
そんな母の存在によりレスリーは常に家族のために犠牲を強いられた生活を余儀なくされています
そんな中さらに母は悲劇的な事件を起こし…というストーリー
あらすじ紹介もちゃんと出来る
やれば出来る子です( ̄^ ̄)
いや、これがさぁ、さすがヘイデン子どもたちの心理描写が巧みなのよ
巧みすぎてリアリティ半端ないんで、ツラい
母のことは大好きなんだけど、その母のせいでまともな生活ができなくて、恨みもする
そしてこの葛藤のような心の不完全さがラストに繋がっていくんよね
ヘイデンの想いって不完全さを認めることだったのかな?って思ったりしました
【ひまわり】ひまわりをテーマに選書しようと決めていろいろ検索したんですね
そしたら日本の作品に比べて海外作品がめちゃくちゃ少なかったんです(調べ方が悪いのかもしれんけど)
うーん、海外では「ひまわり」って日本ほどシンボリックな存在じゃないなのかな?って思ったり
これはまたどこかで深掘りしたいテーマですね
単に題名の付け方が日本と違うのかもしれないけど
はい、そんで作中の「ひまわり」についてです
「ひまわり」は母マーラの大好きな花なんですが、レスリーは小さい頃にひまわりの群生地(背の高いひまわりが密集してレスリーは「ひまわりの森」と感じた)で迷子になってしまう恐怖体験があります
またそこを母に見つけられ救い出される体験も同時にしていて、好きなのに嫌いという複雑な対象で、まさに母親を象徴してるんです
そして、普段の母は明るくて美しく聡明なまさに「ひまわり」のような人なんですね
うーん、なにやら「ひまわり」ってすごく極端な二面性を与えらる存在に据えている作品が多いような気がしてきたぞ
さぁ、次で最後だ!
長いレビューも次で最後だw詳細をみるコメント7件をすべて表示-
1Q84O1さん現れたな能天気マン!現れたな能天気マン!2023/07/09
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ひまわりめろんさん~(‾▿‾)~~(‾▿‾)~2023/07/09
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1Q84O1さんメロンジュースぶっかけてやる!メロンジュースぶっかけてやる!2023/07/09
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トリイのフィクションはこれが初読みでした。ノンフィクションのものとは雰囲気も違いびっくりしましたが、外国のティーンエイジャーが主人公の小説は結構好きなので良かったです。思春期の気持ちをこんなに繊細に描けるトリイは、先生としてだけでなく、小説家としてもかなり秀でている方だと改めて感じました。
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高校生の主人公の母は精神を病んでいた。第二次世界大戦時、ナチスにひどい目にあっていたからだ。母は裕福な家庭で育ち、美人で優秀だった。何ヶ国語も話せる母は英語が得意ではなく、家ではドイツ語やハンガリー語などを話していたため、少女は語学に優れていた。そんな母の病だいが悪化し、事件を起こしてしまう…
少女の妹がワガママで、癇癪持ちで…読んでいて少し気分が悪くなるほどだった。ただ、この家族は愛に溢れていたと言うのが読んでいて凄い伝わった。幼いながらに家族を支える主人公の姿、事件後に心に傷を負った後の発言、行動や思いに胸を打たれた。長編でかなり読み応えのある作品。最後の締めが少し納得いかなかったのが残念。著者の作品は何冊か20年くらい前に読んでいたので、今回はフィクションという事で読むのが楽しみだった。16年以上前の作品という事で時の流れに衝撃を受けた… -
戦争を経験して心を傷つけられた女性(母親)を軸に、主人公である娘が振り回される話だった。主人公が自分で動いているように見えて、実は母親に振り回されてる。
ただ、これが『戦争による悲惨さ』なのか、『家族のしがらみ』なのかは分からなかった。
私はどちらかと言えば、『家族のしがらみ』のように見えた。
母親の経験は確かに『酷い』のだけれども、主人公の娘の視点から見るとそれは『呪い』にしか見えない。だから、『呪い』が解けて物語が終わる。
『呪い(幻影)』が溶けた後の『現実』がどれだけ残酷でも、呪いは解けてしまった。
母親は強い勇者でもなければ、か弱いお姫様でもない。下手をしたら魔女だったかもしれないという現実。
『勇者ではなくて人間だった』程度なら、子供の成長物語で微笑ましいけれど『魔女かもしれない』は結構衝撃的。
もちろん作中にそんな言葉(勇者や魔女)は出てきません。私的解釈です。
『家族のしがらみ』という風に読むと、エグイ。
ただ、表面は『戦争の悲惨さ』でコーティングしてある。
なので、「戦争中にこんな事があったんだ」という視点で見る事も出来る。
この本を読んでる途中で、とある記事のゲーム紹介でその名前を知った。
『レーベンスボルン』
ドイツの優生思想に基づく「アーリア人増殖のための収容所」……ドイツは選ばれた人種を集めて子供を作っていた。
この話自体はずいぶん前に聞いたことがあった。収容所の名前までは覚えてなかったけど。
ただ、イメージとしては『了承した人達(妊娠したい人)を集めた場所』だと思っていた。
「ひまわりの森」では、『強制的に』人が集められ強姦され子供を作らされたという事が書かれている。ラーフェンスブリュックという収容所の名前も出てくるけれど、ここでの事はあまり書かれていなかった。
調べると女性の収容所だったらしい。(一部男性もいたとなってた)
他にも色んな地名・国名が出てくるので、それらを調べてみるのもいいのかもしれない。
地図があれば判りやすいのになと思ってしまった。地名だけでは……それ、どこ?である。
カンザスとかテキサスとかノルウェーのウェールズとか…聞いたことあるような気がするけど、地図として頭には入っていない。
ついでに言えば、主人公は『アメリカ』に住んでいる事になっているけれど、戦争の話はヨーロッパの辺りをあちこち移動する。
…どこまでがアメリカでどこからがヨーロッパの話かが分からない。地図が描けない。全て異国の話だと切り捨てるしかない状況。
さらに言語が複数出てくる。英語はもちろんドイツ語フランス語ノルウェー語。……語学堪能すぎると思ってしまう。
が、それらが、どこで使われている言語なのか。ノルウェーに行って使ってる言葉は何なのか謎だ。
主人公はノルウェー語は未熟となってたのに、なぜか意思疎通が出来てる。つたない言葉で何とか伝えてるんだろうか?
日本語しかできない身としては、複数言語習得してる主人公が空の上の存在だ。
そんな感じで『家族のしがらみ』を除けば、知的好奇心を刺激してくれる作品だったと思った。 -
心に傷を負った母は、見知らぬ少年を奪われた息子だと思い込み・・・、巻き込まれながらも母を思う家族の悲しい日々。
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お母さんがこの人の作品を好きで鑑賞。
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ノンフィクションのヘイデンの作品を読んでいたので、期待して買いましたが残念です。彼女はノンフィクションの方が向いてるのでは?と思うのは私だけではないはず。まぁ、ノンフィクションは経験がないと書けないのが難点ですが・・・