量子のからみあう宇宙

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152085894

作品紹介・あらすじ

相対論とならび、現代科学最大の成果といわれる量子論。その根本に確率論的な性質をはらむこの理論をアインシュタインは生涯認めず、量子論の限界を暴こうとさまざまな思考実験を考案した。そして、量子論が正しければこんなパラドックスが生じるとして、1つの粒子が、まるごと1つの宇宙をへだてた別の粒子に瞬時に影響を及ぼすという「ありえない」現象を考えだした。結局この論争は量子論陣営の曖昧な勝利に終わったが、この現象こそ、のちに「量子のからみあい」として注目されるものだった。アイルランドの天才物理学者ジョン・ベルによって決定的な定理が1964年に発表されたことで、「量子のからみあい」が現実のものか否かを確かめようとする気運は急速にたかまっていく。そして数多の現実的な困難をクリアして考案された、巧妙な実験がくだした結論は、量子論とアインシュタインのどちらに与したのか…!?量子テレポーテーションや量子暗号などの先端技術を可能にし、量子論の奇妙さの中核をなす「量子のからみあい」とは何か?量子論をめぐり「もつれあう」天才物理学者たちの人間模様を映しつつ活写するポピュラー・サイエンス。

感想・レビュー・書評

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  • これまで読んだ本には記載がなかったシュレディンガーの人となりを初めて知った。
    他に登場する科学者達も戦争を体験しながら研究を続けたことをこれまでよりリアルに感じた。

    専門的な知識は皆無のため、科学者達がどのように切磋琢磨し、実験を重ねて論理を展開していったのかという物語として読み進めた。
    テレポーテーションについての項は知識の浅い自分でも興味深い内容だった。

    そして読んでいる間中、頭の中ではcodaという曲がずっと流れていたことを忘れないよう記しておこう。

  • ・アインシュタインvsニールス・ボーア(ソルヴェイ会議)
    アインシュタイン側 エルウィン・シュレディンガー(波動関数) ボーア側 ハイゼンベルク(不確定性原理,行列力学)
    後にアインシュタインはシュレディンガーの理論を疑う。

    ・ハンガリー人数学者 フォン・ノイマン
    「隠れた変数」が存在しないことを証明。

    ・デヴィッド・ボーム EPRを改良。

    ・ジョン・ベル 第一の論文でフォン・ノイマンの定理の誤りを指摘。第二の論文でベルの定理。
    ベルの不等式が成立→局所性○ 量子力学×
    ベルの不等式が不成立→局所性× 量子力学○

    ・アブナー・シモニー マイク・ホーン(ボストン大学)ジョン・クローザー(NY)CHSH論文→ベルの不等式を改良

    ・アラン・アスペ ベルの不等式を標準偏差の40倍以上の確かさで破る。

    ・アントン・ザイリンガー ダニエル・グリーンバーガー
    GHZ論文→3粒子の絡み合いとベルの定理の改良「不等式によらないベルの定理」

    ・ニコラス・ジシン 10km離れた量子の絡み合いを実証。

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