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- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152089076
感想・レビュー・書評
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このタイトルセンス、またもや田中啓文かと思いきや、違った。笹公人、歌人である。そして「抒情の奇妙な冒険」は笹公人の三冊目の歌集である。
古き良き昭和、80年代、90年代、現在と、まるでタイムトラベルしているかのような連作短歌。行き着く果ては、懐かしき未来。
何故に短歌、どこがSF、どうしたんだハヤカワSFシリーズ、と好奇心から手を出してみたが、なかなかどうして。面白い。世間的に受け入れられるか否かはとにかくとして、こういう試みは好き。
昭和ノスタルジーといいつつも、昭和世代ではない私には理解できなかったネタはいくつもある。加えて、現代のネタも、あと数年したらすっかり時代に埋没しているだろうというのもある。例えば、HGとかハンカチ王子とか楳図ハウスとか・・・。そういうものの存在が喚起されるとき、感じるのは間違いなく懐かしいという気持ち。いま昭和が「古き良き時代」と言われているが、十数年後、平成という時代はどのように思われるのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示