開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
- 早川書房 (2011年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152092274
作品紹介・あらすじ
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。
感想・レビュー・書評
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私には最初から最後まで何一つ理解できなくてつまらなかった。
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初めて読む作者。18世紀のイギリスを舞台にしたミステリ。エンターテイメント。同時に当時の風俗も窺い知ることができる。また登場人物の性格やイマドキの若者のような軽妙な会話のやり取りに親しみやすさを感じ、そのギャップが面白い。
事件前と後のエピソードが交互に語られるため、核心に迫りそうになるたび、話が切り替わり、著者の意図するところとは分かってはいても焦ったく感じた。
おすすめされていた理由がわかる!プロフィールを読んで驚きました。1930年生まれ。お書きになった時は?え??しかもこちらは三部作の一作目とのこと。今も作家活動されてるようでさらにびっくりです。残りの二作品も読んでみたい。 -
はじめの方は、複雑な文章に慣れる事が大変だった。しかし、ダニエルと5人の弟子の解剖へ対する考え方や姿勢が素敵だった。
18世紀のイギリスの最悪な裁判の仕組み、治安の悪さ、ダニエルと5人の弟子と治安判事の信頼性など、様々な人間模様が描写されていて引き込まれた。人を無条件に愛せるのか、塾考した。普段は社会福祉に関わっているので。 -
初めての作家さん、タイトル借り。口コミ評価が高いのも納得の面白さ…!
18世紀のロンドンが舞台。行政や裁判所は買収が当たり前で治安は悪く、外科医の地位が低い・解剖学が厭われていた時代。私的解剖教室で外科医とその弟子たちがお墓から死体を掘り起こして解剖に励んでいたが、警察がきてとっさに秘密のスペースに隠す。隠した死体を取り出そうとしたら、なぜかそこには見知らぬ死体が2体。引き返してきた警察に合計3体の死体があるとばれたが、なぜだか誰もわからない…。というのがあらすじ。
前半は説明が多くあんまり気分が乗らないけど、中盤からはぐいぐい引き込まれた。毎日家に帰って続きを読むのが楽しみな本だった。何となく展開がわかってきたかと思いきや、どんでん返しで着地。頭がよすぎる…(でもよく考えれば伏線はある)
ミステリとして面白いだけじゃなく、ラストがめちゃくちゃ切なくて、人生とは…と思わざるを得ない。キャラの人格が深く描かれているのは、皆言っているとおり作者が80歳で書いたものだからかも。
あと、この物語の主人公が誰かを、私は読み終わって「三部作」だと知ったときに気づいた。そんなことある?って自分でも思うけど、何も知らずに読んだらそうなるはず。主人公を理解した上でお話を反芻したときに「人生とは…」と思ったんだった。大事なものは何か、憎むべきものは何か、そのために何ができるか。心根が戦闘民族だからか共感したな…。
次も厚そうだから、ちょっと休憩したら読みたい。 -
題名がわたし好みすぎて、楽しみに読みました。途中まで名前がややこしかったけど、それぞれの特徴もあってだんだんと登場人物達に愛着がわいてきました。グロいシーンや残酷な描写もあったけど、ダニエルと弟子達の存在にホッとさせられた。
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ロンドンに浸れた。
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最後の最後まで分からないストーリーは面白かった。文体のせいか読み進めるのに時間がかかった。会話があまりに淡々としているせいか。時代設定や人物はとても好み。
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コンセプトコーナー2012年 7月「主人公はお医者さん~医者として、人として、医療と向き合う人々~」の選書です。