- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152094605
感想・レビュー・書評
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本を読んではいても、ここまで材料の紙について考えていなかった。
手触りがいいとか、ザラザラして安っぽいなとは感じていたけど、本の内容や形態に応じて実にさまざまなことが考えられていたんだなぁ。
このような本を読むと、次からは本の紙にも愛着が湧いちゃうわ。
仕事に対する情熱と誇りが素晴らしい。震災で自分の生活を優先したいだろうに、このように仕事に打ち込んできた方々がいるんだ。ありがたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紙に対する愛情。
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☆☆☆☆
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紙の本が好きな人にはぜひ読んでいただきたい。いままで、本の紙質を気にしたことはあったが、それを作っている人たちに思いを馳せたことは、正直なかった。
本編からはやや外れる「居酒屋店主」の話も衝撃的だった。やはりどこにでも不心得者はいるのだな…
西日本に転勤してから、時折、震災や復興が「過去完了形」で語られることに違和感を感じる。もちろん、距離があるからある程度は仕方ないのだけど、まだまだ「現在進行形」であることは知ってほしい。 -
紙の本のありがたみが大いに分かった。震災の最中様々な現実があった。マスコミが伝えない略奪も衝撃的。
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自分の職場から遺体が次々と出てくるというのは、恐怖以外の何物でもない。工場復興の過程は勿論感動的であるが、それより、生きながら火攻め、水攻めに遭って死んでいった人達の記述が恐ろしい。そして居酒屋の主人の証言も残念な話ではあるものの、平時であっても犯罪が後を絶たないのに、ましてや警察機能がまともに働かない状況であれば、大概人間のやる事なんてそんなもんなんだろう。ところで、この作品は電子書籍にはならないのかな?
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読んでいる最中に涙止まらなくなっちゃったから、読むのに時間がかかった…。日本の会社や地域のチームとしての強さがよくわかった。素晴らしいチーム、素晴らしいリーダー、地域の皆さんに感動。
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日本製紙石巻工場が経験した東日本大震災。
復興に向けたきらびやかなストーリーだけでなく、当時の被害の様子が生々しく描かれていて、被害の深刻さも改めて知ることができた。忘れてはいけないストーリー。
工場のため、働く人のため、お客さまのため、必死に頑張り、半年という早さで復興を遂げた石巻工場の方々に脱帽した。
何度も読みたい。 -
地震や津波そのものよりその後の復興に重点を置いたノンフィクションなのだけど、どうしても災害そのものの場面が印象に残る。
これは実際に起こったことで、あれだけ報道されていて、映像だって見ていて、ちょっと考えればどんなことが起こっていたかわかったはずなのに…私はきっと、出来るだけ想像しないようにしていたんだと思う。
やっぱり考え始めてしまうと怖いしやるせないし辛い。
そして全然他人事ではないのだ。
寝る前に読んだらざわざわとして眠れなくなってしまいました。
いま私にとってただの「歴史」になってしまっているものも、全部こういうふうに実体があったのだと、改めて思い知らされた。
もちろんこの震災はまだ「歴史」にしてしまうには早いけれど。
私自身、紙に関わる業界で仕事をする身。読書が趣味。
でも今まで本の紙にそれほど注目したことがなかったのはなぜなんだろう。
まさか出版社によって文庫の紙がそんなに違うだなんて!
快適で素敵な世の中はこういう仕事に支えられているんだよね。
これからは本を見る目がまた変わりそうだ。 -
こんなに本をめくる指で紙を味わったのは初めてかも!
あの震災でいろんなところで
人のつながり、強く熱い思いが一歩ずつ復興へとつながっているのだと思いました。
そして、決してその場にいなかった私たちには
到底共有できることのないものが心の奥に重い記憶として刻みこまれていることも感じました。
共有できないからこそ、少しでも知らなくてはいけないことだとも感じました。