- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152097835
作品紹介・あらすじ
人間の眠りの世界〈ナイトランド〉で人の精神に寄生しようとする睡獣と、夢に侵入して自由に動けるスリープウォーカーという特殊能力者たちの戦いが続く現代日本。不眠症の女子高生・帆影沙耶はスリープウォーカーの金春ひつじと夢の中で恋人として出逢う――
感想・レビュー・書評
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眠りに取り憑く、っていう割とやばげな怪異との戦いを描いたファンタジーだけど、お昼寝して夢を見て敵を追う姿はどこかゆるっと可愛らしい。
不眠の主人公・沙耶と周りを眠らせる能力持ちのひつじの出会いから結末までの心の動きも可愛らしくて、良いガール・ミーツ・ガールでした。
この余韻の残る終わり方も好きだけど、スリープウォーカーのみんなの物語の続きも見てみたくなるような。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
半年間眠れていない女子高生が保健室で寝ようとしていたら、いきなり女子構成が乱入。彼女に「添い寝」されたらなぜか眠れて……。眠りの世界で戦う女子高生たちのお話……と言ったらうそになる。夢の世界って曖昧で、いつ「明晰」でなくなるのかもわからない感じが上手くあらわされつつ、コメディなところもあり、「裏世界ピクニック」ほどの狂気なセカイでもない。夢の世界のその「似た」感じは、だれしも味わったことがあるだろうから、いい導入になるんじゃないかな。
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不眠症に陥った沙耶は、保健室でひつじと出会い恋と夢に落ちる。実はひつじはどんな相手も眠らせてしまうブランケットの能力者だった。そして沙耶も夢の中で睡獣を退治するスリープウォーカーとなるが、次第に睡獣との戦いが変質していく。
読んでいるとどの章が夢なのか現実なのか分からなくなる。この構成は非常に面白く読んでいて飽きない。またただの狩りのようだった睡獣との戦いが実は嵌められていたなど展開は不思議の世界をより謎めいてみせる。
最後のオチも不思議さがいっぱい。 -
半年に渡る酷い不眠に悩まされる女子高生・沙耶は、保健室のベッドで出会った少女に深い眠りへと誘われる。夢の中で彼女に抱いた恋人のような甘い感情のまま、目覚めて隣にいた彼女に口づけをしてしまい……。
そして、眠りを妨げるスイジュウと、夢の中で眠りを守るために戦うスリープウォーカーたちの戦いに沙耶は巻き込まれていく。
沙耶とひつじの距離感や、スリープウォーカーの仲間たちとの添い寝の青春の甘酸っぱさ、それぞれの夢の中での役割や不可思議な夢の世界などとても楽しめました!! -
ファンタジー。SF?
個人的にはSFではなく、ファンタジー。
基本的に、『裏世界ピクニック』と似た系統の作品。
いつもの怪異・百合・冒険。
子供の頃、空を自由に飛び回る夢をよく見ていたことを思い出す。
なかなか癒された。
今日はゆっくり寝たいと思う。 -
ゆるっと百合風味のあるSF長編。夢を見ているときにありがちな様々な感覚や現象にSF的解釈が付けられていて、すんなり入り込んでいける良い世界観。ただドラマとしては少々単調な印象を受ける。筆者のインタビューを読むと並々ならぬ「百合」に対する情熱がありそうなので、もっと遺憾なく忌憚なく発揮していってほしい。
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百合評論第一人者による百合SF
夢の中では恋人同士なのに、目が覚めるとその情熱は霧散してしまい・・・、というお話。
寝具店を根城にしてでかいベッドで4人で添い寝します。
いやー、いいお話でした。夢の中の恋人ひつじが、いまいち何考えてるかわかんなくて、途中「こいつ黒幕なの?」と思ったりもしましたが、考えすぎでした。
夢の中のふわふわした不条理感が出てて素敵なSFです。
どこからどこまでが夢でどこから現実なのか、境があいまいになるところも好き。
あとはまあ夢の中に出てくる睡獣と戦って世界を守ったりもします。
備忘と啓蒙のために、リンクをひとつ貼っておきます。
「百合が俺を人間にしてくれた――宮澤伊織インタビュー」
https://www.hayakawabooks.com/n/n0b70a085dfe0 -
11月8日読了。図書館。
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★学生選書ツアー2018選書図書★
【所在・貸出状況を見る】
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/217662