パトリック・メルローズ1: ネヴァー・マインド

  • 早川書房
3.22
  • (2)
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 46
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152098085

作品紹介・あらすじ

貴族の家の血に連なる5歳のパトリック・メルローズは、南仏の母の一族の屋敷で、残忍さで人を支配する父とアルコールに頼り続ける母と夏を過ごしていた。そんなメルローズ家にディナーのために訪れたある客人の存在が、パトリックの世界を引き裂くことに──

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 展開の残酷さが衝撃的すぎて、そちらに意識がいくかもしれないが、ひどい暴力と絶望を体験した作者が、加害者である大人たちの心情をここまで効果的な比喩で表現していることがあまりにもすごい。

    具体的な行為については、パトリックの防衛本能が働くのか、少し空想を交えて語られるところなども逆にリアルで、心が疲弊するし、心臓がひとまわり小さくなったのではないかと感じるほどだった。

    なかなかお目にかかれない世界の話だからか、作者の筆力が凄まじいからか、消化するのが難しい話だけれど、訳者あとがきに上手くまとめられているのでそこまできちんと読むのをお勧めします。

  • なんやこれ

  • 図書館で借りた本。5歳のパトリック少年は、サディスティックな父親と、そんな父親に怯えるアルコール依存の母親とフランスのお城で暮らしている。ある日、パトリックは父親からレイプまがいの事をされ、ますます父親に怯えるようになっていく。そしてパトリックは空想の世界に逃げるようになって…という序盤の展開で、上流階級の人間関係の付き合いの面倒な事や今ではDVと言える父親の存在。パトリック少年はどうなるのか?

  • 『パトリック・メルローズ』ドラマ缶バッチが当たるキャンペーン実施中
    http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2019-02-05-183808.html

    早川書房のPR
    ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作! 5カ月連続刊行!
    貴族の家の血に連なる五歳のパトリック・メルローズは、南仏の母の一族の屋敷で、残忍さで人を支配する父とアルコールに頼り続ける母と夏を過ごしていた。そんなメルローズ家にディナーのために訪れたある客人の存在が、パトリックの世界を引き裂くことに――ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作! 5カ月連続刊行の第1巻
    http://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000014045&search=%A5%D1%A5%C8%A5%EA%A5%C3%A5%AF%A1%A6%A5%E1%A5%EB%A5%ED%A1%BC%A5%BA&sort=

  • なんの予備知識もなく、ただカンバーバッチのお顔の表紙とTVドラマ化!っていう帯の情報から、没落貴族の憂鬱を描いたブラックユーモアあふれる笑える話なんだろう、と勝手に予想して読み始めてビックリ。
    思いもよらないスーパー「鬱」展開と、まったくの救いのなさに愕然としてしまった。
    な、なんなの、この喜びのかけらもない小説は・・・とクラクラしながら解説を読んで、著者の自伝的小説と知って、なぜか納得してしまった。(よくよく考えると、そこで納得するのも変なんだけど・・・)

    「クレイジー・リッチ・アジアンズ」を読んだ直後なので、つい比べてしまうけれど、お金持ち社会のクレイジーさはこっちのがだんぜん上です。
    そして、リアリティもこっちのが断然上。
    図書館で、1冊目はたくさん予約が入っていたけれど、2冊目以降、まだ新刊なのに、まったく予約がないのはなぜ・・・?と思っていたけど、なんとなく理由は分かった。まじめでやさしい人にはこの作品の世界は毒が強すぎて、たぶん1冊で心が折れちゃうね。
    てことで、これ以降のシリーズ本が予約待ちなくすんなりと手元に届いたので、間を置かず続けて読むことができて、私としてはありがたい。

    去年、ケンブリッジ・オーディオというイギリスのオーディオメーカーの製品が諸事情により巷でちょっとだけ話題になっていて、ちょうどCDプレイヤーを探していたところなので、商品レビューを読んでいたら、「これぞブリティッシュ・サウンド」というコメントをやたらに見かけた。「ブリティッシュ・サウンド、って、いったいどんな音のプレーヤーよ、ロックグループ評じゃあるまいし」と心の中でツッコミを入れていたのだけれど、この本を読んで、「この本こそブリティッシュ・サウンドだなぁ・・・」とふと思った。
    とにかく、人生への皮肉と冷笑がいっぱいの本でした。潔いくらいに徹底してそれだけだった。

全6件中 1 - 6件を表示

エドワードセント・オービンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×