- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152099655
作品紹介・あらすじ
ギレアデ共和国の侍女オブフレッドは、司令官の子を産むための存在だ。監視の目に怯える彼女だが、ある日、交流が禁じられている司令官の部屋に招かれる。ノーベル文学賞受賞が期待される作家による名作を、気鋭のイラストレーターがグラフィック・ノベル化。
感想・レビュー・書評
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小説は読まねばならないリストに入っているが、気分が落ち込むこと必須なので、ぐずぐず読まないでいる。
グラフィックノベル版なら、何日もその気分を引きずらなくてもいいと思い読んでみた。
あらすじは、あちこちで見聞きしているので、その通りの展開。絵がなかなかこの小説にマッチしていて、おどろおどろしくもあり、スタイリッシュでもあり、不穏である。
消滅する市町村が発表されたが、これらの市町村の首長たちは、躍起になって若い女性の囲い込みに奔走しそう。
アトウッドが描いた世界は、ほんの数ミリしか今の世界とは違わない。すっと、いつのまにかこの小説の世界になってそう。
そうそう、この小説の世界でもいつのまにか権利を取り上げられていたんだった。
「権利の上に安住するものはいつのまにか喪失感している。そうならないためには不断の努力が必要。」
最近よく丸山眞男が言ったことを思い出す。
そういう時代にとうとうなってしまったのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
グラフィック・ノベルというものを初めて読んだ。
最初、書評を読んだ時「ネット小説にありそうな内容だな」と思ったけど、もっと重くて深い。
原作は1985年発表。今の社会に通じるし、自分もまだここから抜け出せていない気がする。 -
非常に特殊な世界観の物語のはずなのですが、今の日本社会で生きる女性とそれほど違わないように感じてしまいました。漫画サピエンス全史2と続けて読んだせいか、余計にそう感じます。小説の舞台になったアメリカで今、中絶禁止条例が広がって、この小説は未来を予見していて現実味を帯びている感じる人が増えているらしいですが、まさしく同感です。
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値段が高いので、図書館に予約。
1年以上待機してようやく読めました。
良かったです。
個人的には、小説を読んでからこちらを読むのをおすすめします。やはり、話としての力強さは、小説の方があるように感じるので。
そうは言いつつ、ビジュアルから受けるインパクトは大きい。さらさらと理解できる。
一歩間違えば、こういう社会になってしまう。
そこからまた抜け出すには、たくさんの犠牲が伴う…
運良く抜け出せれば、ですが。
ドラマとは別物です。
ジョセフ・ファインズではない。
司令官の妻も、えっ…と思いましたが、こちらの方が原作どおりかと納得。まあ、そうだよね。
あらためて原作を読むか…
でも、必ず暗い気もちになると思うので、迷います。
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ビジュアル絵物語でかなり本文が省略されて本編よりラクに読める。
女にしか書けない残酷さ、の原作。
「産む器官だけが大事」「男のほうが強いから偉い」「文字など覚えないほうが良い、料理家事でいい」「暇があれば手芸でもしとけ」「化粧もいらない」「男を敬い男に尽くせ」「(生殖を許されない)下男は男ではない」そのような〈男感覚〉の圧迫を感じながら女は生きているのだろうか/日本人観光客のケバさが見事、「あなたは幸福ですか」幸福を求めて不幸になるのはあまりによくある/秘密警察なくては強権支配は維持できない、コア支配者は禁欲を守っていない←言論統制社会では -
名作だということは知っていたが、なかなか手をつけられずにいたところにグラフィックノベル版が出たということで読んでみた。
現代でこそ新しく感じられる、感じられてしまう、衝撃に満ちた物語。
コロナが蔓延し、ウクライナとロシアは戦争状態、安倍元首相が銃撃に倒れ、テレビであからさまな情報規制がされる。正しい自由が得られる国なんて、もはやどこにもないのではないかと思えるような2022年の世界で、この作品が持つ意味が重要なものになってきていると思う。
『侍女の物語』という、けして派手ではないタイトルも、これが彼女の物語であるということ、この物語を誰かに託そうとした人間の生き様であることを表しているように思えて、読後に大きな納得感があった。
内容と絵もとても合っていて、映画を観ているような感覚だった。 -
-----限界はあったけれど、
それでもわたしの体はしなやかで貴重で
信頼できるわたし自身のものだった----
過去の話のようでもあり
未来の話のようでもあり
現在進行形の話でもあるような気がする -
よくわからない