- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152100122
作品紹介・あらすじ
1989年パリ。20歳のアメリはヴァンサンに恋をする。だが待ち合わせの日、二人はすれ違ってしまう。再会は10年後、彼は結婚していた。彼女も家庭を築くが、人生を間違えたのではないかという思いが消えず、20歳の記憶は輝きを増す。そんな彼女の前に彼が現れ……
感想・レビュー・書評
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恋愛小説、ではあるのだけど、二人を取り巻く時代の変化の描き方の方が私には面白かった。
ツールが変わり、空気が変わり、考え方が変わっていく。
その中で変わらなかったものが愛だった、というと格好いいのだけど、もう少しシビアに書かれているように思う。
変わらなかったのではなく、手に取らなかったから変わる以前のところで取り残されていたのでは。
手に取ってしまったからには、今後は全く変わらずにはいられないだろうなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとしたすれ違いで運命の人と言える相手と結ばれることはなく、30年後ようやくお互いの思いが繋がる、サラッと読める恋愛小説。
ロマンチックな感じはあるけど、どうしても30年は遅いと思ってしまう、、。 -
知性を感じる訳語たちは、訳者のセンスなのか、原文から滲み出るものなのか気になった。
コミュニケーションツールがこの恋愛に与える影響もとても興味深い。
こう”すべき”の世界に暮らし始めると、シンプルなことも複雑になっていく。きっと心を置いて吉方へは進めないのだと、この物語を読んで感じた。
30年(現代だと10年相当辺りだろうか) も待たずに済むように、私は自分の気持ちに素直であろうと思う! -
曇天のパリと重なる肌寒い日に読了。
メランコリックな文調が美しくも物憂さを秘めたパリを彷彿させる。
淡々と、堰を切ったように書かれた描写は内省的な2人の頭の中で駆け巡る思考を除いているようで、一気に30年を読んでしまった。
愛に生きるパリジャンですら
愛に悩むのだな、というのが大きな発見。
カイロス(チャンスの神さま)は前髪しかない
時の流れに流されずアクションを起こすのが大事
というメッセージを受けとりました。 -
言葉がきらびやかだし、パリのそこここが絵葉書の様に描かれているのに内容が頭に入って来ない。すれ違いから‥と言われてるけど約束の時間に怖気付いたのはアメリでしょ、と思ってしまう。期待値が高かったから☆2つ。私はパリジェンヌじゃないからこんな読み方なんだと納得。
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30年をすごい勢いで読み進めてしまった。
素敵な恋愛小説ではあったけど、あまり、心に残らないかも。タイミングが合ったら、さいこうのいっさつになった、のかも。 -
3.6 まああり得ない現代のお伽話。運命の相手はいると信じたい人には、素敵な話。人としての美しさは、年齢だけでは決まらない。
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平野 啓一郎さんの「マチネの終わりに」のフランス版の様なものを想像していたら、もっと現実的であっけらかんとしていた。これがフランス風なのかも。