- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152100290
作品紹介・あらすじ
2030年。消費の中心が欧米からアジア・アフリカに移り、世界の富は男性より女性の方が多く持つようになる未来で私たちはどのように生きるべきか。ウォートンスクール教授が10年後の世界を予想し、「水平思考」をキーワードに変化の波にいち早く乗る方法を説く。
感想・レビュー・書評
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2階集密 : 304/GUI : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167830
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読後の感想を率直に述べると、主張自体に目新しさはほぼないという印象でした。ただ本書の中に記載されている事例の中のいくつかは、初めて聞いたものがあり興味深く感じました。ただ他の本でも紹介されているような使いまわされた事例も多く、申し訳ありませんが全体としてはそこまで良い印象を受けませんでした。
著者の主張となる2030年のキーワードを並べると、アジアの中間層、アフリカ、女性、移民、所有のない世界、仮想通貨などが挙げられますが、並べてみればどれも目新しさはないなあという感じがします。またこれらが2030年にブレイクする根拠が乏しく、例えばアフリカがブレイクするというのは20年くらい前から言われていますが、いつまでたってもその気配は見られません。ではなぜこれまではブレイクせず、2030年にはアフリカがブレイクするのかの理由が書かれていれば説得力があるのですが、残念ながら「本書でも」これまでのアフリカ礼賛本と同じく、少しの成功事例が記載されたうえで、アフリカの潜在力をあなどってはいけない、で終わっていました。
また著者の大きな主張である「垂直思考ではなく水平思考へ」という論ですが、本書で書かれていることは本当に水平思考なのでしょうか?よくよく本を読むと、著者が言う垂直思考とは直線的思考形式のことを指していて、水平思考とは網の目的(ネットワーク的)思考形式のことを指しているように見受けられました(そういう図と文章が序盤にあります)。水平思考と言えば、任天堂の横井軍平氏による「枯れた技術の水平思考」が有名ですが、こちらのほうがよほどわかりやすいです。垂直/水平思考という用語の使い方に最後まで戸惑い、腹落ちしないまま読了してしまいました。 -
地政学的、社会科学的な論考でマインドセットを変えることを提唱する一冊
著者はグローバルマーケティングの専門家
参考になる部分はあるものの
将来を予測などできるものではない
自分が気にしているチェックポイントをまとめたというものだ
ひとりひとり の想いはどうなのか
2030年の時点を思い描いてみてはどうだろうか
パンデミックによる集団変化もある
出生率低下、技術の活用などが加速した
2030年には世界がどうなるのか
◆人口動態からの視点
ミレニアル世代1980〜2000生 Y世代
2001以降生 Z世代
ミドルクラスの変化
人口置換水準 ひとりの女性が産む子供の数は最低2人
それが人口を維持するための子供の数だ しかし
60歳以上の人口比率
日本35%
アメリカ25%
中国15%→25%へ
2015年まで続いた中国のひとりっ子政策によって桁違いの世代交代が迫っている事だ
生産人口の激減と高齢化率の拡大だ
男女比率
男が多い 中国
女が多い ロシア
◆ アフリカの大きな可能性について
人口増加はサハラ以南のアフリカ
キャッサバの食品としての大きな可能性
先行しているモバイル通信インフラ
モバイル決済 ケニアの人口の大半は利用
モバイルの医療活用
シリコン・サバンナと呼ばれる
◆ アメリカを中心とした論点
移民政策について
Googleも、テスラも移民
貯蓄残高と年金制度の破綻
確定年金へ
ミレニアル世代の経済破綻の危惧
オランダでの高齢者施設学生寮
老人は長く生きるから より良く生きることへ
ミドルクラスの重要性
購買力も中国からインドへ
映画の感想や小説の感想まで ミドルクラスの人の真似をする
礼儀正しく バランス感覚と良識があり、見苦しくない世間体
古いミドルクラスと新しいミドルクラスの区分を検証するべき
消費者は廃品の生産者だ
リサイクルや産業規制に
貯蓄にも熱心ではない
子供を持つとミドルクラス入りも難しくなる
→少子化スパイラル
ミドルクラスの縮小
男女でのお金の使い方の違い
男は火星から来た 女は金星から来た
男は運を賭ける 女は運を試す
ヒートアイランド、温暖化 まず最初に女性と子供に悪影響をもたらす
地上の1%の土地を占める都市が80%の二酸化炭素を排出する
Global explorer というサイト
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イントロダクションで描かれる2030年の描写がとても面白く、すぐ手の届く未来が様々な視点で描かれることを期待していたのだが、どれもどこかで聞いたことのある事象の羅列でさほど新しい発見は無かった。 それよりも、移民の存在意義を生産性と殊更に結びつけたり、先住民の命を奪ってアステカ文明を滅亡させた話を教訓として使ったり、イースター島の文明の滅亡の理由で欧州人による奴隷化に触れないなど、人種を平等に見ていないのではと思ってしまう描写が目立つのは残念。その観点こそ未来を生きるために最も大切だと思うのだが。
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2021I104 304/G
配架場所:A5 新着図書 -
今後の世界の変化に対して何に気をつけなければならないか考える人におすすめ。
【概要】
●垂直思考を止める。これからは水平思考が必要である。
●世界で起きている8つの動向。どれも他の7つの動向と相互作用の関係にある。
●8つの動向とは、
・出生率の低下
・新たな世代
・新たなミドルクラス
・裕福な女性の増加
・都会のライフスタイル
・技術的破壊
・共有経済
・仮想通貨
●2030年を生き延びる水平思考の助言
【感想】
●今の世界の動向を把握するに参考になった。
●非常に広い視点で書かれているため、そこから自分個人では何ができる、会社組織では何ができるか、という観点で落とし込んでいく必要がある。
●個々の力はわずかであっても、世界の変革に対応するための一端になるかもしれない。 -
東2法経図・6F開架:KW/2021//K
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全体的に読みづらい本だった。
市場調査した割合を並べて記載してあるような内容。人口が〜、面積が〜、貧困層が〜という具合に。
第8章の通貨の所は少し読み応えがあったが、広く浅くという感じ。 -
人口動態などのデータから2030年はどのようになっているかを論じている本である。
変化の波は激しいが、変化はある日突然起こるものではなく、日々ちょっとずつ変わっていくものなので、適応可能なものとのフレーズに励まされた。
取り上げられていた話の中で、世代の人数が市場の大きさを左右するが、これからは高齢者世代が特徴的な一大マーケットになるとの話は、ベンチャーやテクノロジーというと若者向けのイメージがあっただけに、なるほどと思える内容だった