- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152100405
作品紹介・あらすじ
ジェシーは笑顔のかわいい九歳の少女。だが日常的にうそをつき、思いどおりにならないと暴力をふるう。両親に見放されて里親のもとを転々とするジェシーに降りた診断は、「愛着障害」だった。心理学者のトリイが彼女を担当するが……。感動のノンフィクション
感想・レビュー・書評
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【書評】嘘を受け止め、背後にある心の叫びを探る~『うそをつく子ー助けを求められなかった少女の物語』|教養|婦人公論.jp
https://fujinkoron.jp/articles/-/4920?display=full
うそをつく子──助けを求められなかった少女の物語 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
https://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000014886詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
衝撃のノンフィクション。最初からノンフィクションだと知っていなければおもしろい(と書くと語弊があるが)小説だと思ってしまったかもしれない。施設に収容された9歳の少女。日常的にあらゆることに嘘をつく彼女と、週1回ボランティアで訪ねる作者とのやりとりの記録だ。少女に下された病名は“反応性愛着障害”だった。何が真実なのかわからない状況で手探りのやりとりを続けるうちに、ついに明らかになる驚愕の事実とは……。
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高校の頃から好きな作家さんで、久しぶりの新刊をワクワクしながら読みました。
色んな家庭環境がある中、あってはならない環境に身を置いている人は想像するよりもずっと多いです。そんな環境から身を守るためにこじれた子どもがトリィや周りのスタッフに支えられながら、新しい自分の居場所を見つけていくところが好きです。その子の本当の気持ちや、恐怖心はどこから来るものなのか、推理しながら読んでいます。 -
全作品読んできた大好きなトリイ・ヘイデン16年ぶりの新刊。
初めて読んだ「シーラという子」から変わらないトリイが読めたことに心が震える。
暗闇の中1人で苦しみと戦わざるを得なかった子供が、トリイと出会い光溢れる世界の入り口を見つけた瞬間の笑顔の描写は何度読んでも感動してしまう。
解説が信田さんという所もまた素晴らしい。
訳者あとがきに書かれていた新作の出版が楽しみ。 -
ノンフィクションが好きな人におすすめ。
ある人に対して表面だけをみて決めるのではなく、深いところまで知ることが大切です。 -
トリイがウェールズに移り、ボランティアとして1人の女の子を相手にセラピーをする話。
ジェシーは日常的に嘘をつき、周りの人々をあらゆる手段を使って困らせてしまう。ジェシー自身の心の苦しみが伝わってきて、やりきれない気持ちになってしまうことがあった。
そんなジェシーに対して献身的に、愛情深く接するトリイ。ボランティアという形でなければ、もっと色々なことがトリイならできたのではないかとも思った。でも、少しずつジェシーにとって良い方向に事が運び良かったと思った。
そして現在、ジェシーが幸せで精神的にも楽になっているといいなと思う。 -
信頼できる大人にいうのが正しいのよ。
ものごとは決してよくならないという気になるときがあることは分かってるわ。でもね、たった一つでも本当のことから始めれば、そこから取り組んでいけるのよ。
本当のことをいうことが、あなたにとって安全な選択とは感じられないのは気の毒だわ。
本当のことをいう努力をしていきましょう。
誰もが幸せになりたい。誰もが愛とつながりにあふれた充実した人生を送りたいと思っている。不幸になることを選ぶ人などどこにもいない。もし自分がやっていることのせいで誰かが不幸せだとしても、それは最初から意図した結果ではない。どんな理由があるにせよ、自分がやっていることが気分をよくすることに役立つと思っていたのだ。
自分を不幸にするためにわざとそんなことをしたわけではない。ただそのときにそれ以上のことができなかっただけなのだ。
状況を変えるためには、非難するのではなく支援するほうに焦点を変えなければならないのだ。