- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152100924
作品紹介・あらすじ
一九五〇年メキシコ。若き女性ノエミは、郊外の屋敷に嫁いだいとこのカタリーナから手紙を受け取る。それには亡霊に苛まれ、助けを求める異様な内容が書かれており……。英国幻想文学大賞をはじめホラー文学賞三冠を達成した、新世代のゴシック・ホラー小説。
感想・レビュー・書評
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先日読んだ『ニードレス通り
果ての家』が面白かったので、その巻末の広告に載ってた本作も手に取ってみました
ってまたホラーやないかいっ!
ってホラー作品の巻末広告なんだからホラーに決まってるやろバカタレ!
ホラー苦手なんだけどなぁと思いつつも、いやいやこれこそあれですよ
浄土瓶宗に伝わる荒行のひとつ「新境地のためあえて外しに行ってるとも思えるほどの苦手分野を読み進めてあーやっぱり苦手だったわーという悟りを開く行」ですよ
結果はというとあーやっぱり苦手だったわーという
でもあんまり恐い!って感じもしなかったかな
静かな狂気と言いましょうか、人の持つ浅ましさをギュッと濃縮したようなお話しでした
王道の展開は嫌いじゃないんですが、あまりにおどろおどろしい感じを出そうとし過ぎてか、情景描写が多すぎてちょっと疲れちゃいました
悪くなかったんだけど、時間もかかってしまいました
読むのに時間かかってる時って脳が喜んでないときなんだよね
でもホラーはまたごんごん読んで行こうとも思いました
そろそろ行ってみる?スティーブンとか -
ラヴクラフト好きにはたまらない!
カビだらけの洋館、墓所、幻覚見せるきのこの山…(-_-;)
ゴシック・ホラーの世界観を楽しめる作品でした(〃´-`〃)
何やら沢山の賞を取っているこの作品。
ずっと気になっていて、読みたいリストの先頭に載せてました♡(*´˘`*)
時代は1950年。
主人公のノエミは超金持ちの遊びまくってる大学生のお嬢様。
仲の良かった従姉妹のカタリーナから支離滅裂な手紙が届き、父からカタリーナの様子を見てくるよう命令される。
カタリーナの嫁いだ先『ハイ・プレイス』は霧がかった墓地のそばにある、ヴィクトリア朝期の建築様式にこだわった屋敷。
その屋敷に住む人々は皆どこか様子がおかしい……
ラヴクラフトを連想させる世界観。
代々続く家系。寝たきりの主人。
悪臭と甘すぎるワイン。
霧がかかり不思議な声が聞こえる墓所。
カタリーナの奇怪な言動と、館で起こる数々の現象。幻覚や違和感。
カタリーナの夫、ヴァージルは不思議な力でノエミにせまる。
エログロまではいかないにしても、想像次第では結構グロデスクです。
私の頭の中では肉感と弾力がリアルで湿気とカビと湿った空気、あらゆるぬるぬるしている何かと悪臭で…とグロ妄想が炸裂してました(-∀-`; )
最近読んだ『血の配達屋さん』のような雰囲気に近いかも。
いや、あそこまでグロではないですが、クトゥルフ神話っぽさが近い。
美しいドレスを着た美女2人が何やら奇妙でグロテスクな何かに囚われ、精神を蝕まれ…
逃げ出したくても逃げられない。
血族の呪いがどうしてもハイ・プレイスへ惹き寄せる…。
ゴシック・ホラーの世界へ浸りたい方におすすめします(*˘ー˘*).。.:*♡ -
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「メキシカン・ゴシック」シルヴィア・モレノ=ガルシア著 青木純子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gen...「メキシカン・ゴシック」シルヴィア・モレノ=ガルシア著 青木純子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/3059912022/06/01 -
<トヨザキが読む!豊﨑由美>シルヴィア・モレノ=ガルシア『メキシカン・ゴシック』 邪悪な一家のおぞましい秘密:東京新聞 TOKYO Web
...<トヨザキが読む!豊﨑由美>シルヴィア・モレノ=ガルシア『メキシカン・ゴシック』 邪悪な一家のおぞましい秘密:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/185908?rct=book2022/06/28
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1950年のメキシコを舞台にしたゴシック・ホラー。
かつて銀鉱山で栄えたものの、今は廃れてしまった町の大きな屋敷に嫁いだいとこから、正気を疑うような手紙が送られてくる。様子を見に行ったノエミだが、その屋敷は陰鬱な雰囲気で、住人は歓迎する様子もなく、さらには怪現象まで。
一体何が起きているのか、ノエミは正気を保っていられるのか。
その屋敷の一族には忌まわしい過去の噂もあって、なんとも怪しい。
手入れの行き届かない、カビが蔓延していて具合が悪くなりそうな屋敷だし、精神的に参ってもおかしくないなと思ったので、原因はそんなところかと考えていた。
だけど怪現象の正体は、私の想像を超えていた。いや、そんなのありなの?
ちょっと俄には受け入れられない。
そう思いながらも、さあここからどうするノエミ!と引き込まれてしまう。
描写はそれほどでもないけれど、想像するとグロテスクで恐ろしい。
もし私が実際に経験したら、トラウマになること間違いないな。 -
メキシカン・ゴシック?!
メキシコ×ゴシックホラー…めちゃめちゃ面白そうじゃないですか!と雰囲気あふれる装丁の本書を手に取りわくわくしながら読んだら、やっぱり面白かった!!一気読み。
舞台は1950年のメキシコ…年代設定もよき…
良家の子女、ノエミ・タボアダのもとに、イギリス人の男と結婚し、さびれた町のさらに山奥にある古めかしい屋敷に嫁いだ従姉妹のカタリーナから手紙が届く。
そこには「夫に毒を盛られ、亡霊に苛まれている」と助けを求める異様な内容が描かれていた…(一部本書あらすじを引用させていただきました)。
カタリーナの様子を確認するためノエミの訪れた屋敷の描写は、メキシコにあってメキシコの雰囲気は全くなく、イギリスを切り離してそのまま持ってきたかのよう。
そして屋敷では、大きな音を立ててはいけない、タバコを吸ってはいけない、勝手に外に出てはいけない、食事中喋ってはならない…三人いる使用人たちもまるで自我がないように不気味な様子でノエミと会話をしようとしない。
屋敷の住人たち・ドイル一家も奇妙で怪しげだ。
カタリーナの様子を見たうえで、彼女をサナトリウムに移した方がいいのでは…と考えながらも、ノエミはこの奇妙な屋敷で様々な怪奇現象に遭遇する。
動く壁のシミ、悪夢、金色の女性のような影、「目を開けて」という声…
屋敷の麓のさびれた町で、ノエミが得た情報は………
目まぐるしく反転する夢なのか現実なのかわからない描写、一体誰の何の発言や行動を信用すればいいのか?
ノエミとともに読んでいるこちらも翻弄されながら、物語はどんどん核心へと進んでいく。
ラスト100ページはほんともう面白すぎて一気に読んでしまった。
単身屋敷に乗り込み、歓迎されていない空気や奇妙な現象に翻弄されながらもノエミは強く、踏みとどまる。
気丈なノエミの立ち振る舞いや明るさ、芯の強さに、読んでいくうちにどんどん彼女のことが好きになっていった。
訳者あとがきによると(こちらも本書の解説をとてもわかりやすくしてくれていて読み応え抜群。読了後ぜひ読んでほしい。作品舞台当時の社会情勢や思想なども解説してくれているので。)どうやら本書は作者にとって六作目の長編小説らしい。短編を含めると現在入手可能なものだけでも9作ほど出版されているらしいが、現在邦訳されているのはこの一冊だけ。
ええっ、ぜひ他の作品も翻訳して出版してくださいませ…!頼むっ……
しかも本作はHuluでテレビドラマになる予定とのこと。それも気になる。 -
まずはヒロインが手練手管で人をコントロールして切り抜けようとするところが、んー、若いのに責任感があってたいへん偉いとは思ったのだけど、苦手... そしてわたしがホラーの読み方をわかっていないのだろうけれども、各人がとっさに取る行動がそれまでの彼/彼女らと違うわりにはその経緯をわたしが読み取れないのかそういう経緯は気にしないでいいのか、ええ何でそんな...と思っているうちに話が終わった。
1950年代が舞台な割にヒロインがはねっかえりなのがポイントなのだろうけれども、現代性を感じさせるところが逆にゴシックなストーリーに没入する妨げになったかもなあとも思ったことでした。こういう小説を読みなれている方は、違う評価をするのかも。 -
1950年メキシコ。裕福な家に生まれ育った22歳の大学生ノエミは、仲良しだった従姉のカタリーナが嫁ぎ先で病んでいるとの知らせをうけ、彼女に会いに赴く。カタリーナが嫁いだのはかつて銀山で成功したイギリス人のドイル家。今は銀山も閉鎖されて没落しており、陰気な屋敷ハイ・プレイスで一族が閉鎖的な英国風生活を営んでいた。
屋敷の当主はハワード・ドイルという怪物めいた老人。カタリーナが結婚したその息子ヴァージルは超絶イケメンだが性格はミステリアス、屋敷を取り仕切っているのはハワードの姪にあたるフローレンスという厳格な女性、そしてこのフローレンスの息子でノエミとは年齢も近く比較的親切な若者フランシスが一緒に暮らしている。
あきらかに様子のおかしいカタリーナと、何か隠している風の親族たち、出だしはカタリーナが愛読しているという嵐が丘やジェイン・エアのようなゴシックロマンス風。しかし次第にノエミもカタリーナと同じように悪夢に脅かされ夢遊病再発、屋敷に幽霊がいるような幻覚に怯えることに。ノエミは懸命にカタリーナを助け出そうと策を練り、この屋敷でかつて起こった陰惨な殺人事件について知るが、ノエミ自身も屋敷にはびこる正体不明の何者かに絡めとられていき…。
後半はどんどんSFというかホラーというか、思ってたよりグロテスクな展開になり驚いた。自分の期待していたゴシックとはちょっと違ったので、SFとして読んだほうが面白かったのかもしれない。一気読みさせる勢いはある。
いまいち入り込めなかったのは、ヒロインにあまり共感できなかったのと、全体的にキャラクターにいまいち魅力がないせいか。登場人物で唯一良い子だなと思ったのはフランシスくらい。ノエミは勝気で利口だけれど好奇心が強く自分に自信があるためどんどん危険に首を突っ込んで抜けられなくなるという、ホラーのヒロインとしてはある意味ステレオタイプ。個人的には彼女の高慢さがちょっと鼻について心底応援できなかった。 -
タイトルと装画に惹かれ、内容も見ずに購入。こういう選書はワクワク出来るので非常に楽しい。(大外れを引く時もあるが、それもまた一興。)
舞台は、1950年のメキシコ。主人公のノエミ・タボアダは、メキシコシティに住まう美しい女子大生。裕福な家庭で育った彼女は、"女性"としての自分に強い自信を持っており、魅力的な話術と仕草で男性を魅了し、彼女自身もその駆け引きを楽しみとしていた。
ある日、イギリス人男性であるヴァージル・ドイルと結婚し、田舎町の屋敷に嫁いだ従姉のカタリーナから、一通の手紙が届く。そこには「夫が毒を呑ませようとする。邪悪な何かが自分を捕えて離さない。」といった不穏な一文とともに、ノエミに助けを求める内容が書かれていた。元々カタリーナの結婚に反対していたノエミの父は、すぐにもカタリーナの様子を見てくるようノエミに話す。大学の講義等の予定が入っていたノエミは父の頼みを渋るが、両親に難色を示されていたメキシコ国立自治大学への進学を認めることを条件に出され、カタリーナのもとへ行くことを決めたのだった―――。
「不穏な空気に包まれた屋敷に囚われた従姉を救い出すため、"旧時代の化物"と対決する新進気鋭の美女を描くゴシック・ホラー。」
混血を示す浅黒い肌、男性に追従しない(むしろ手玉に取る)、学問することを望む―――"新時代の女性"として描かれるノエミ。その彼女が対峙するは、白人至上主義(血統主義)と家父長制を貴ぶ、"旧時代"のドイル家。"息"も"謎"も詰まるドイル家の屋敷からカタリーナを救い出すため、アウェーゲームで奮闘するノエミの前に、文字どおりの"化物"が立ちはだかる―――。
「不気味にして優美なゴシック・ホラー」―――まさに帯コメントのとおりの作品。(「ブロンテ姉妹、ダフネ・デュ・モーリア、シャーリィ・ジャクスンらの愛読者は必読だ」―――これも間違いない。) -
ちょうど少し前にキノコが会話をするというニュースを読んだこともあり、物語として楽しむ以外にも興味深い内容でした。キノコが出てくると思って読んではいませんでしたが・・・
日本が勝つから「心配ないさー!」
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