回樹

著者 :
  • 早川書房
3.60
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本棚登録 : 465
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152102256

作品紹介・あらすじ

真実の愛を証明できる存在をめぐる、ありふれた愛の顛末を描く表題作、骨の表面に文字を刻む技術がもたらす特別な想い「骨刻」、人間の死体が腐らない世界のテロリストに関する証言集「不滅」、百年前の映画への鎮魂歌「BTTF葬送」他、書き下し含む全6篇

感想・レビュー・書評

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  • もともとSFが苦手。なので、おそらくストーリーとしてはしっかり練られた短編集なのですが、ちょっとヒヤヒヤします。でもなんだか、ちょっとわかる気がするというか、それがSFなんでしょうね。

  • 見たことも聞いたこともない、目が覚めるような、もしもワールド! どの世界も、御免被りたい凄さ! でも、そこに生きる登場人物たちの愛憎や生き様は、そういう世界じゃなかったらこんなにやりきれなくないのか?というと、私には分かりません。

  • 【収録作品】回樹/骨刻/BTTF葬送/不滅/奈辺/回祭 

    生きること、埋葬すること、死者への思いに一石を投じる問題作、と言えるのではないか。

    誰かと語り合いたくなる話だった。

  • 設定は独特だけど、この感情はわかる、そんな話のオンパレード。
    はじめて出会ったワールド、うん、面白かったです(^^)。

    〜帯より〜
    「誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇」

  • SF作品集。どれも設定とストーリーが面白かった。ネーミングセンスも好きです。千見寺初露と尋常寺律、そして千鶏。そもそも斜線堂有紀というペンネームからして最高。設定は非現実的だけど、その設定を十二分に活かして微妙な感情の襞をしっかり描いている。

  • サイエンスだけではないフィクションだと思う。(ダーク)ファンタジーでもないし。ずれている、狂っている、異相フィクション?ミステリーかというとそことも違うような。あ!あと、装画がアクタージュの宇佐崎しろで、それも良かった!アクタージュ面白かったのにな~。あそこで終わりで、もう多分埋もれちゃうよね。もったいない…。
    さて、気を取り直して、この本は短編集で、回樹は「新しい世界を生きるための14のSF」で読んでいました。でも、回祭という別のお話もありました。
    「回樹」は死体を飲み込む不思議な植物のようなものが現れた世界。焼けません、切れません。そして死体を飲まれると遺族は…。
    「骨刻」骨に文字を刻める技術。レントゲンでしか確認できないそれをどう使う?愛の言葉?遺言?名札?宗教?
    「BTTF葬送」昔の名画が上映されている映画館でなにやら不思議な会話。上映を妨げる人物。さあ、この世界はなぜ名画上映に特別な意味があるのか?
    「不滅」永遠に変わらなくなる物が出現する世界で、それが不滅なために問題おこって、考え方の違いからある構造物を壊す一人の男。男がそこを壊そうとした驚愕の理由。「奈辺」黒人が奴隷で、蔑んで良い存在であることが当たり前の時代のアメリカのとある酒場に起こった奇跡。
    「回祭」回樹に飲ませた遺体と私の複雑な主従関係。
    捻れた恋愛アリで、中学校以上。

  • 冒頭の「回樹」と最後の「回祭」は連作になっている。それぞれ単独でも面白い話だが、続き物として読むとより楽しい。最後はうるっときた。人種問題に地球外からの来訪者を絡めた「奈辺」も良作。

  • 恋愛ものは全てじゃないんだけど割りと苦手。
    その私にとって苦手成分の圧縮したようなのが1話だったからそれに続く物語もその苦手意識がずっとあって頭に入って来なかった。

    まあそれでもレビューでの評価が高いグリーンのあれと最終話はどうにか頭に入れようとして読んだ。

    あんまり私には相性が良く無かったなぁ。

  • SF短編集。
    死者やお墓、宗教に関するお話が多かった。
    表題作も含め、最初の方はあまりハマれず、途中でやめようかなと思ったけど、最後から2番目の1741年のニューヨークで白人も黒人も飲める酒屋のお話「奈辺」が面白かった。
    あと、死体が腐らなくなって宇宙に飛ばすようになる話「不滅」も、考えさせられた。自分が死んだ後は自分の死体が別にどうなったっていいと思えるけど、大切な人が亡くなったら、その遺体は大事に弔われたいと思う、というところに共感した。

  • 収録作全部"エモい"エモSF短編集。
    読みやすく、簡潔で、そして感動する。
    (こんな簡単に感動してもいいものなのかな?)と読みながら時々我に返る瞬間もなくはないのだけど、読みやすさゆえか。
    ハズレの話はない当たりばかりの短編集だが、表題&冒頭作の『回樹』とその対になる『回祭』は頭1つ2つ抜けて好き。

    あと全体的に死を扱うテーマが多い。
    死別が連続するところも、できすぎていると感じてしまう原因なのかも。
    でも満足な短編集でした。おすすめ。

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著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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