- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152102591
感想・レビュー・書評
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怪獣はあまり詳しくないけど楽しく読めた。会話のテンポがパニック映画みたいで疾走感があってとても良い感じ。保護協会の人たちはみんな強くて賢くて正しい方へ行こうと頑張ってるので読んでいて安心感がある。いい組織だ。
反対に悪い人がとことん愚かでどうしようもないところもいい。とてもいい馬鹿さ加減だ。全くなんでそんなに馬鹿なのだ、いいぞ、その調子だ。脳内で想像してるビジュアルが完全になんちゃらマスク氏だったのは内緒だ。
主人公の性別を曖昧に書いてあるのも良かった。男女とかあんまり気にしなさそうな組織だし、役割に性別が関わることはなかったし、小説ってこういう書き方や想像ができるから楽しいなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙とタイトルに惹かれて。極めて映画的で躍動感あり。翻訳小説独特の言い回しが少し気になる。
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「注射で阻止されるものに感染するより、注射を打つほうがずっとましですよ」
「星が正しい場所にあるからといって、宇宙で起こるすべての相互作用が同じになるとは限らない」
「怪獣にまつわるすべてに言えることだ。うまくいかなくなるまではうまくいく」
「衛星というものがあるんだよ、おバカさん。あんたの友達のイーロンが何千個も打ちあげたばかりだろ」
「別に友達じゃないぞ」 -
コロナのパンデミック時期。宅配系の会社に勤めていた主人公は会社をクビになり、なぜかクビになった会社のデリバリー要員になったあげく、会社はウーバーイーツに吸収され無職となった。パンデミックもあり、早々と仕事が見つかるわけでもなく、という時に昔の知り合いと偶然、会ってそのまま仕事を紹介された。それが「怪獣保護協会」。
さすがジョン・スコルジー。読者の現実世界との地続きを感じさせるワード、しかもくすりと笑えて『怪獣保護協会』なんてタイトルのSF小説を読む層をわかってらっしゃる!といった感じで面白かった。ネットフリックス、スポティファイ、ゴジラ、ストレンジャー・シングスなどなど。
また仲間たちの軽快な会話もまた良い。怪獣たちのいる場所はもちろん人間にとってかなり過酷で危険で、何回も危ない目にあっているのだけどユーモアで救われている。
クソ野郎がちゃんとクソ野郎で、「怪獣保護は人間から怪獣を守る」がこれほどまでに上手く描かれているのも良い。面白くて楽しかった。 -
日本の怪獣作品に対するリスペクトも厚く、それでいて従来の怪獣ものとは違った切り口なのがとても良い。勧善懲悪がはっきりしていて、爽快でした。
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結構な割合で出てくるアメリカンジョーク(みんなが大好きなヤードポンド法ネタも登場)やバンド名ネタなど結構好きだし、新型コロナのパンデミック下での鬱屈した雰囲気をどうにか吹き飛ばそうという心意気、怪獣を活かす世界設定も非常に素敵で作者の怪獣(映画)愛がひしひしと伝わってきたんだけど、いまいち物語が跳ねてないなーというのが読了後の感想でした。
目玉の怪獣や怪獣地球独自の生物の形や生態がぼんやりとした描写で、そこをがっつり説明してくれたら後半の悪者に対する読者の怒りをよりぶつけやすかったのでは、と思いました(怪獣地球の生物に感情移入できるから、という考えです)。
ただ自分は怪獣映画に対する知識が少ないので、その方面に詳しい方が読めばまた違う印象があるのでは、と思ったりします。 -
もう一つの地球で、怪獣を保護するお仕事をするお話。
今度公開されるゴジラの映画を見に行きたいと思っていたので、時期的にピッタリの内容でした。
会話が一々ジョークジョークジョーク。この世界の人は全員お笑い芸人なのかな(笑)
めっちゃ面白いのでどんどん読みたいけど、この世界の冒険をまだ終わらせたくない〜という感じで悩ましかったです。
怪獣は英語になってもKAIJUなのですね。
ゴジラについても言及されていたり、タナカ基地とか日本人としてちょっと嬉しい。 -
ゴジラ愛はわかる。ユニークな設定も楽しい。でも、怪獣ものは映像でないと迫力が劣るので面白くなかった。残念。