- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152103161
感想・レビュー・書評
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フランスでのユダヤ人迫害で犠牲となった姉妹を、現代に生きるゆかりの姉妹が、
その跡をたどる。
現代に生きる姉妹は今見えている景色やモノから、過去の世界を見る。
そのきらめく美しさは散文詩のよう。
ただ・・・進まない。
語弊を恐れずに言えば、わたしは第二世界大戦下におけるユダヤ人迫害を
テーマにした作品はフィクション、ノンフィクションを問わず大好きだ。
オシフェンチウムことアウシュヴィッツにも出かけている。
でも・・・ガザの戦争が起きてから、ユダヤ人迫害をテーマにした本が
読めなくなった。
あんなにホロコーストで苦しんだ民族が、なぜ、こんなにむごいことをできる!?
あまりにも単細胞の考えとわかっているけれど、理性ではどうにもならない。
それが、今の正直な気持ち。 -
若者が本書を紐解きゴンクール賞に選出したことに感動。透徹する著者の地平が、不条理の事実と空白の時を連綿と刻む。不在の存在に尊厳をもたらし、読み手の記憶へ安寧の祈りを保存する。
“始めたことをやめてしまえる能力“
この言葉が響く。 -
読み返してみて一番気になったのは服の表象
数少ない衣服を重ねようとして、生地が肌に擦れる感じが気持ち悪いと訴える少女たちの描写にはいつも泣いてしまう
カバーと帯の色は語り手が想像した少女たちのコートの色かな、幸福そうで良い色
おままごとセットのシーンでいつも胸が締め付けられてしまう